障害者手帳のメリット一覧|割引・税・雇用・福祉サービスで何が変わる?

障害者手帳のメリット一覧|割引・税・雇用・福祉サービスで何が変わる?

障害者手帳を申請するか迷っている方や、手帳を受け取ったばかりの方に向けて、障害者手帳のメリットを分野別にまとめました。税の控除、障害者雇用、交通や公共施設の割引、自治体の手当について、全国共通のものと地域や事業者で違うものを、国税庁・厚生労働省の資料と志木市の案内をもとに整理しています。

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目次

障害者手帳のメリットは、税・雇用・割引・自治体の制度で支援の対象になりやすいこと

障害者手帳のメリットは、税の控除、企業の障害者雇用での算定、交通機関や公共施設の割引、自治体の手当や医療費助成といった支援の対象になりやすくなることです。ただし、全国共通で決まっているものは一部で、多くは手帳の種類・等級・お住まいの自治体・事業者によって内容が変わります。

障害者手帳とは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類をまとめた呼び方です。3種類の違いと等級の区分は「障害者手帳の種類と等級」で整理しています。

まず押さえておきたい結論は、次の3つです。

  • 全国共通のものがある:所得税・住民税の障害者控除や、企業の障害者雇用率への算定は国の法律で決まっています
  • 種類・等級・地域で違うものが多い:運賃や携帯電話料金の割引、自治体の手当や医療費助成は、対象や内容がそれぞれ違います
  • 手帳がなくても使える支援もある:B型などの障害福祉サービスや自立支援医療は、手帳がなくても利用できる場合があります

国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」も、精神障害者保健福祉手帳で受けられるサービスを「全国一律」と「地域・事業者による」ものに分けて紹介しています。

分野別:障害者手帳のメリット一覧表

障害者手帳のメリットを分野ごとに並べると、次の表のようになります。「全国共通か」の列を見ると、自分で確認が必要なものがどれか分かります。

分野主なメリット全国共通か
所得税障害者控除27万円、特別障害者控除40万円など全国共通(国の税制)
住民税障害者控除、前年の合計所得金額135万円以下なら非課税非課税の基準は地方税法で共通
雇用企業の障害者雇用率の算定対象になる全国共通(障害者雇用促進法)
交通・通信・公共料金運賃、携帯電話料金、上下水道料金などの割引事業者・地域によって違う
公共施設入場料の割引施設ごとに違う
自治体の制度福祉手当、医療費助成、タクシー券など自治体によって違う

税のメリット:障害者控除と特別障害者控除

国税庁「No.1160 障害者控除」によると、本人、同一生計配偶者、扶養親族が所得税法上の障害者に当てはまると、所得税の障害者控除を受けられます。控除額は障害者27万円、特別障害者40万円、同居特別障害者75万円です。精神障害者保健福祉手帳は1級、身体障害者手帳は1級・2級の人が特別障害者に当たり、療育手帳は国税庁の「障害者控除のQ&A」で「A」(「マルA」「A2」など)と表示されている人が特別障害者とされています。

住民税では、地方税法第295条により、障害者で前年の合計所得金額が135万円以下の人には市町村民税が課されません。住民税の控除額は、お住まいの市区町村の案内で確認してください。お金の制度全体は「障害とお金の制度まとめ」で紹介しています。

雇用のメリット:障害者雇用率の算定対象になる

障害者雇用促進法では、企業に雇用が義務づけられている「対象障害者」のうち、精神障害者は精神障害者保健福祉手帳の交付を受けている人に限られます(障害者の雇用の促進等に関する法律第37条第2項)。厚生労働省の「障害者の法定雇用率引上げと支援策の強化について」によると、民間企業の法定雇用率は令和8年7月から2.7%で、従業員37.5人以上の企業が障害者を1人以上雇う義務の対象です。

障害者雇用のご案内」によると、精神障害者は週20時間以上30時間未満でも当分の間は1人、週10時間以上20時間未満は0.5人として算定されます。これは企業側の数え方で、手帳があれば採用が決まるという意味ではありません。厚生労働省の「プライバシーに配慮した障害者の把握・確認ガイドラインの概要」では、本人の意思に反して手帳の取得や申告を強要してはいけないとされています。

障害者雇用の基本は「障害者雇用とは」、職場に伝えるかどうかは「オープン就労とクローズ就労」で解説しています。

割引・公共料金のメリット:手帳の種類・等級・事業者で違う

交通機関や携帯電話、公共施設の割引は、手帳の種類・等級・事業者によって対象や割引率が違います。こころの情報サイトは、運賃や携帯電話料金の割引、軽自動車税の減免、公営住宅の優先入居などを、地域や事業者によって行われていることがあるサービスとしています。

利用する前に、各社・各施設の公式の案内で確認してください。割引の探し方は「障害者手帳でうけられる割引・サービス」、スマートフォンで手帳を見せる方法は「ミライロIDとは」にまとめています。

医療費助成・手当のメリット:自治体の制度では等級が関わる

医療費助成や手当は自治体の制度で、手帳の等級が条件になっていることが多い分野です。埼玉県の「重度心身障害者医療費助成制度」では、身体障害者手帳1〜3級、療育手帳Ⓐ(マルA)・A・B、精神障害者保健福祉手帳1級(精神病床への入院費用は対象外)の人などが対象です。市町村への申請が必要で所得制限があり、平成27年1月1日以降に65歳以上で新たに手帳を取得した人は対象外です。

令和8年1月からは、精神手帳2級で自立支援医療(精神通院医療)を受けている人も、精神通院の自己負担分に限って対象になりました(埼玉県「精神手帳2級の方への対象拡大」)。手帳を持っているだけでは助成されず、市町村での申請が必要です。対象拡大の時期や申請方法は市町村によって異なるため、お住まいの市町村で確認してください。

等級によってメリットはどう変わる?1級・2級・3級の目安

等級で変わりやすいのは、所得税の特別障害者に当たるかどうかと、自治体の医療費助成や手当の対象になるかどうかです。一方で、精神障害者保健福祉手帳なら1級から3級のどの等級でも、所得税の障害者控除と障害者雇用率の算定の対象になります。

手帳等級の区分所得税の特別障害者埼玉県の重度心身障害者医療費助成
精神障害者保健福祉手帳1級〜3級1級1級(精神病床の入院費用を除く)、2級は自立支援医療(精神通院)の自己負担分、3級は対象外
身体障害者手帳1級〜6級1級・2級1級〜3級
療育手帳国の区分はA(重度)とB。埼玉県はⒶ・A・B・C「A」(マルA、A2など)と表示されている人Ⓐ・A・B

埼玉県の重度医療では、精神障害者保健福祉手帳は1級が対象で、令和8年1月からは自立支援医療(精神通院)を受けている2級も精神通院の自己負担分に限り対象ですが、対象拡大の時期や申請方法は市町村によって異なります。

精神障害者保健福祉手帳3級は、特別障害者控除や県の医療費助成には当たりませんが、障害者控除(所得税27万円)と雇用率の算定は対象です。詳しくは「精神手帳3級」で紹介しています。

精神障害者保健福祉手帳の等級は診断名だけでは決まらない

精神障害者保健福祉手帳の等級は診断名だけで決まるしくみではなく、厚生労働省の「障害等級の判定基準」では、精神疾患の状態と能力障害の状態をあわせて総合的に判定するとされています。等級が決まるしくみは「障害者手帳の種類と等級」で詳しく解説しており、自分の見込みは主治医に相談してください。

障害者手帳がなくても使える支援はある?

障害者手帳がなくても使える支援はあります。こころの情報サイトでは、自立支援医療(精神通院医療)による医療費助成と、障害者総合支援法による障害福祉サービスは、精神障害があれば手帳の有無にかかわらず受けられると説明されています。

知りたいこと別:障害者手帳の記事の早見表

障害者手帳について調べたいことが決まっているときは、次の表から読みたい記事を選んでください。

知りたいこと読む記事
3種類の手帳と等級の違い種類と等級
申請できる条件と手続きの流れ申請条件と流れ
精神手帳の申請書類精神手帳の申請方法
知的障害の手帳療育手帳とは
更新の時期と手続き手帳の更新手続き
取得して困ること手帳のデメリット
精神手帳1級の目安精神手帳1級
精神手帳2級の目安精神手帳2級
精神手帳3級の目安精神手帳3級
ADHD・発達障害の場合発達障害と手帳
うつ病・適応障害の場合うつ病・適応障害と手帳
障害年金との違い手帳と障害年金
自立支援医療との違い・両方持てるか自立支援医療受給者証と障害者手帳の違い
手帳なしでB型を使いたい障害者手帳がなくてもB型は使える?
手帳なしで障害者雇用手帳なしで障害者雇用
外出時に配慮を伝えたいヘルプマークとは
スマホで手帳を見せたいミライロIDとは
割引・サービスの探し方手帳の割引・サービス

手帳を申請・活用する前に確認したいポイント

メリットを実際に使うには、「自分の手帳と等級で対象になるか」「全国共通か、地域や事業者の制度か」を一つずつ確かめることが大切です。次の点を確認しておくと、窓口での相談が進めやすくなります。

  • 自分がどの手帳の対象になりそうか(精神障害者保健福祉手帳は、初診日から6か月以上たっていることが申請の条件)
  • 使いたいメリットが、国の制度か、自治体や事業者の独自の制度か
  • 手当や医療費助成に、所得制限や年齢の要件がないか
  • 手帳の有効期限はいつか(精神障害者保健福祉手帳は2年ごとの更新)
  • 職場に手帳のことを伝えるかどうか、自分の考えが決まっているか

こころの情報サイトは、制度上、精神障害者保健福祉手帳を持つことで不利益が生じることはなく、障害が軽くなれば返還や更新をしないこともできると説明しています。周りに知られる不安などは「障害者手帳のデメリット」で整理しています。

志木市の場合(窓口・市の制度)

志木市にお住まいの方の障害者手帳の窓口は、福祉部 共生社会推進課(埼玉県志木市中宗岡1丁目1番1号)です。市の「精神障がい者保健福祉手帳の交付」「身体障がい者手帳の交付」「療育手帳の交付」のページでは、問い合わせ先がいずれも障がい者福祉グループです。

グループ電話
障がい者福祉グループ048-473-1449
障がい者支給グループ048-456-5363
共生社会推進グループ048-456-5364

連絡先は市の「共生社会推進課」のページで確認できます。

志木市の「障がい福祉制度のてびき」(令和8年4月現在)では、手帳の種類と等級によって、次のような市・県の制度が案内されています。

  • 重度心身障がい者医療費の助成:65歳未満までに身体1〜3級、療育Ⓐ・A・B、精神1級、精神2級(自立支援医療の自己負担分のみ)の手帳を取得した人など
  • 重度心身障がい者手当(月額5,000円):65歳未満までに身体1・2級(20歳未満は3級も)、療育Ⓐ・A・B、精神1・2級などに該当し、住民税が非課税の人
  • 福祉タクシー利用券・自動車等燃料費補助・鉄道バス利用料補助(いずれか1つ):身体1・2級、「下肢」「体幹」「移動機能」の身体3級、療育Ⓐ・A・B、精神1・2級の人
  • タクシー運賃の10%割引:てびきでは、身体障害者手帳・療育手帳の提示で受けられると案内されています

手当には所得制限や、施設入所・入院などで対象外になる条件があり、内容が変わる場合もあります。対象になるかは、手帳の種類と等級を伝えて窓口で確認してください。朝霞市・新座市・富士見市・和光市などでは手当の有無や金額が違うことがあるため、各市の公式サイトで確認してください。

ぽちぽちの道の場合

手帳のメリットを調べていくと、税や割引だけでなく「これからの働き方や日中の過ごし方」を考え始める方もいます。ぽちぽちの道では手帳の申請を代わりに行うことはできませんが、「手帳を取るか迷っている」「まだ申請中」という段階でも、B型の見学や相談をお受けしています。

ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型の事業所です。作業内容はパソコン作業が中心で、データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物などに取り組んでいます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、スタッフと生成AIがサポートします。

週1日からの通所も相談できます。送迎は行っていないため、見学のときに通い方を一緒に確認します。工賃については見学時にご案内します。分からない点があれば、見学やLINEでの相談からお問い合わせください。

障害者手帳のメリットについてよくある質問

Q. 障害者手帳を取ると、税金や働き方でまず何が変わりますか?
A. 全国共通で変わるのは、所得税・住民税の障害者控除の対象になることと、働くときに企業の障害者雇用率の算定対象になることです。雇用率の算定は企業側の数え方で、手帳があれば採用が決まるわけではありません。自治体の医療費助成や手当は、地域と等級で対象が変わるため、市区町村の窓口で確認してください。

Q. 精神障害者保健福祉手帳の3級でもメリットはありますか?
A. あります。国税庁の案内では、精神障害者保健福祉手帳を持っている人は等級にかかわらず所得税法上の障害者に当たり、障害者控除(27万円)の対象です。障害者雇用率の算定も1級から3級まで対象です。特別障害者控除や埼玉県の重度心身障害者医療費助成は、3級では対象外です。

Q. 障害者手帳を取ったら、年末調整や確定申告で控除を受けるには何をすればいいですか?
A. 勤務先から給与を受けている人は、勤務先に出す「給与所得者の扶養控除等(異動)申告書」に障害者に当てはまることを書いて、年末調整で控除を受けるのが基本です。年の途中で手帳を受け取ったときは、内容が変わったことを書いた申告書をあらためて勤務先に出します。確定申告をする人は、国税庁の確定申告書等作成コーナーなどで申告書を作るときに障害者控除を入れます。国税庁の質疑応答事例では、障害者に当たるかはその年の12月31日の現況で判断し、過去の年分にさかのぼって控除を受けることはできないとされています。

Q. 障害者手帳のメリットは、家族にもありますか?
A. 税の面では家族にも関わります。国税庁「No.1160 障害者控除」では、同一生計配偶者や扶養親族が障害者に当てはまる場合も、納税者が障害者控除を受けられるとされています。特別障害者に当たる配偶者や扶養親族と同居している場合は、同居特別障害者として75万円の控除になります。

Q. 障害者手帳がなくても使える医療費の助成や就職の相談はありますか?
A. あります。自立支援医療(精神通院医療)による医療費の助成は、手帳の有無にかかわらず受けられると、こころの情報サイトで説明されています。就職の相談では、ハローワークの専門の職業相談や地域障害者職業センターも、手帳を持っていない人が利用できると案内されています。B型などの障害福祉サービスも、手帳がなくても利用できる場合があります。

まとめ

障害者手帳のメリットには、障害者控除や障害者雇用率の算定のように全国共通のものと、割引・手当・医療費助成のように種類・等級・自治体・事業者で変わるものがあります。自分に当てはまる制度は、市区町村の窓口と各事業者の案内で確認してください。

手帳のことを調べながら、日中の過ごし方やB型の利用が気になり始めたら、LINEでの相談や見学から始められます。質問だけでも大丈夫です。B型を選ぶときの確認点は「B型事業所の選び方チェックリスト」もあわせてご覧ください。

運営:ぽちぽちの道(株式会社イチドキリ)


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受付時間:月〜土 9:30〜18:30


監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

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