自立支援医療受給者証と障害者手帳の違い|両方持てる?

自立支援医療受給者証と障害者手帳の違い|両方持てる?

精神科や心療内科に通っていると、「自立支援医療受給者証」と「精神障害者保健福祉手帳」の2つを案内されることがあります。名前が似ていて、どちらを申請すればいいのか迷う方も多いはずです。この記事では、自立支援医療受給者証と障害者手帳の違いを比較表で整理し、両方持てるのか、同時に申請できるのかを厚生労働省の資料と志木市の案内をもとに説明します。

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自立支援医療受給者証と障害者手帳の違いは「医療費」か「生活全般の支援」か

自立支援医療受給者証は、通院の医療費の自己負担を軽くするためのものです。障害者手帳(精神障害の場合は精神障害者保健福祉手帳)は、一定の障害の状態にあることを認定し、税の控除や各種の割引など生活全般の支援を受けやすくするためのものです。目的も根拠の法律も違う、別々の制度です。

まず押さえておきたい結論は、次の3つです。

  • 役割が違う:受給者証は「通院医療費の負担軽減」、手帳は「障害の状態の認定と、それにもとづく支援」
  • 両方持てる:別の制度なので、条件に当てはまれば両方を持つことができる
  • 有効期間が違う:自立支援医療は1年以内、精神障害者保健福祉手帳は2年で、更新の時期がずれる

一方がないともう一方が使えない関係でもありません。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」では、自立支援医療(精神通院医療)は手帳の有無にかかわらず受けられると説明されています。

比較表で見る自立支援医療受給者証と精神障害者保健福祉手帳

違いを一覧にすると、目的・根拠法・有効期間・更新のどれもが異なります。ここでは、通院中の方がよく迷う「自立支援医療(精神通院医療)」と「精神障害者保健福祉手帳」を並べました。

項目自立支援医療受給者証(精神通院医療)精神障害者保健福祉手帳
目的通院による精神医療の医療費の自己負担を軽くする一定程度の精神障害の状態にあることを認定し、支援策につなげる
根拠法障害者総合支援法精神保健福祉法(第45条)
対象精神障害(てんかんを含む)で、通院による治療を続ける必要がある方精神障害のため、長期にわたり日常生活や社会生活に制約がある方
申請先お住まいの市区町村の担当窓口お住まいの市区町村の担当窓口(経由して都道府県知事などに申請)
受けられること対象の医療費の自己負担が原則1割、所得に応じた月額の上限税の控除、公共料金や交通機関の割引など(地域や事業者で異なる)
等級なし(所得区分と「重度かつ継続」の区分がある)1級から3級
有効期間1年以内交付日から2年が経過する日の属する月の末日まで
更新おおむね有効期間が終わる3か月前から受付有効期限の3か月前から申請できる

根拠法の条文は、e-Gov法令検索の「障害者の日常生活及び社会生活を総合的に支援するための法律」と、厚生労働省「精神障害者保健福祉手帳制度実施要領」で確認できます。

自立支援医療受給者証とは

自立支援医療受給者証とは、自立支援医療の支給が認められた方に交付される証明書のことです。厚生労働省「自立支援医療(精神通院医療)について」によると、公的医療保険で3割を負担している方は、対象の医療について自己負担が1割に軽くなります。さらに、世帯の所得に応じて1か月あたりの負担に上限が設けられています。所得区分ごとの上限額は、厚生労働省「自立支援医療の患者負担の基本的な枠組み」に一覧があります。

使えるのは、指定自立支援医療機関のうち受給者証に記載された病院・診療所や薬局などに限られ、入院医療は対象外です。B型との併用は「自立支援医療とB型は併用できる?」で紹介しています。

精神障害者保健福祉手帳とは

精神障害者保健福祉手帳とは、一定程度の精神障害の状態にあることを認定する手帳のことです。厚生労働省「障害者手帳」では、等級は精神疾患の状態と能力障害の状態の両面から判断され、1級から3級まであると説明されています。申請の流れは「精神障害者保健福祉手帳の申請方法」、受けられる割引は「障害者手帳でうけられる割引・サービス」にまとめています。

なお「障害者手帳」は、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類をまとめた呼び方です。知的障害の手帳は「療育手帳とは」で紹介しています。3つの手帳の違いと等級の仕組みは「障害者手帳の種類と等級」で比べています。

自立支援医療受給者証と手帳は両方持てる?同時に申請できる?

自立支援医療受給者証と精神障害者保健福祉手帳は、両方持つことができます。目的の違う別の制度なので、それぞれの条件に当てはまれば、並行して使えます。

同時に申請できるかどうかは、自治体の運用によります。厚生労働省の資料では、手帳と同時に申請する場合などに、自立支援医療の診断書を省略できる場合もあると案内されています。志木市のように、公式ページで「手帳と同時申請も可能」と明記している市もあります。書類をどこまで共通にできるかは自治体ごとに違うため、申請の前に市区町村の窓口で確認してください。診断書の使い分けは「診断書・意見書はいつ必要?」でも整理しています。

両方を持つときに気をつけたいのは、更新のタイミングがずれることです。

  1. 自立支援医療は毎年:有効期間は1年以内です。病態や治療方針に変更がなければ、2回に1回は診断書を省略できると厚生労働省の資料にあります
  2. 手帳は2年ごと:更新の申請は有効期限の3か月前からでき、期限が過ぎたあとでも申請できると実施要領に定められています

更新の具体的な手順は、自立支援医療は「自立支援医療受給者証の更新」、手帳は「障害者手帳の更新手続き」で紹介しています。

B型に通うときの「障害福祉サービス受給者証」とも別のものです

就労継続支援B型などを利用するときに必要なのは、「障害福祉サービス受給者証」です。自立支援医療受給者証とは名前が似ていますが、別の書類で、別の手続きで交付されます。通院しながらB型に通う方は、自立支援医療受給者証・手帳・障害福祉サービス受給者証の3つを持つこともあります。

障害福祉サービス受給者証の基本は「受給者証とは」、種類ごとの違いは「受給者証の種類と違い」で解説しています。B型の利用には手帳が必須ではない場合もあり、その考え方は「障害者手帳がなくてもB型は使える?」にまとめています。

申請・更新の前に確認したいポイント

どちらを申請するか迷ったら、「いま困っているのは医療費か、生活全般の支援か」から考えると整理しやすくなります。そのうえで、次の点を確認しておくと窓口での相談がスムーズです。

  • 通っている病院・薬局が、指定自立支援医療機関になっているか
  • 精神障害で初めて受診した日から、6か月以上たっているか(手帳の診断書の条件)
  • 同時に申請したいか、その場合に診断書を共通にできるか
  • すでに持っている受給者証・手帳の有効期限はいつか

手帳の等級の見込みや「重度かつ継続」に当たるかは主治医に、書類の細かい点は市区町村の障害福祉担当窓口に相談してください。

志木市の場合(窓口・手続きの入口)

志木市にお住まいの方は、自立支援医療(精神通院)も精神障害者保健福祉手帳も、市役所の共生社会推進課が窓口です。志木市の公式ページには、それぞれ次のように案内されています。

  • 自立支援医療(精神通院):志木市「自立支援医療給付(精神通院医療、更生医療、育成医療)」では、有効期間は1年間で、有効期限の3か月前から再認定の申請ができると案内されています。申請した日以降に適用され、手帳との同時申請も可能と書かれています
  • 精神障害者保健福祉手帳:志木市「精神障がい者保健福祉手帳の交付」によると、申請窓口は共生社会推進課 障がい者福祉グループです。手帳用の診断書料の一部を補助する制度(非課税の方が対象)も案内されています
  • 問い合わせ先:共生社会推進課 障がい者福祉グループ(志木市中宗岡1丁目1番1号、電話048-473-1449)

志木市では、自立支援医療(精神通院)の受給者証を持つ非課税世帯の方を対象に、自己負担分(1割)を助成する「精神障がい者通院医療費助成制度」も案内されています。対象や必要な持ち物は、ページの更新時期もふまえて窓口で確認してください。障害福祉の制度全体は、市の「障がい福祉制度のてびき」で一覧できます。

朝霞市・新座市・富士見市・和光市など近隣の市では、窓口の名前や助成の有無が異なることがあるため、各市の障害福祉担当窓口で確認してください。

ぽちぽちの道の場合

通院の医療費や手帳の手続きが落ち着いてくると、「日中をどう過ごすか」を考え始める方もいます。自立支援医療や手帳の申請を代わりに行うことはできませんが、B型の利用を考えるときの相談はお受けしています。

ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。送迎は行っていないため、見学のときに実際の通い方を一緒に確認します。

作業内容はパソコン作業が中心です。データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物などに取り組んでいます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、スタッフと生成AIがサポートします。

通院の日や体調に合わせて、週1日からの通所も相談できます。工賃については見学時にご案内します。「手帳はまだ申請中」「受給者証の違いがよく分からない」という段階でも、見学やLINEでの相談を受け付けています。

自立支援医療と手帳の違いについてよくある質問

Q. 自立支援医療受給者証と精神障害者保健福祉手帳は、両方持てますか?
A. はい、両方持つことができます。自立支援医療は通院医療費の負担を軽くする制度、手帳は障害の状態を認定する制度で、目的が異なります。条件に当てはまるかは市区町村の窓口で確認してください。

Q. 自立支援医療と精神障害者保健福祉手帳は、同時に申請できますか?
A. 同時に申請できる自治体があります。志木市の公式ページでは「手帳と同時申請も可能」と案内されており、厚生労働省の資料でも、手帳と同時に申請する場合に自立支援医療の診断書を省略できる場合があるとされています。書類の扱いは自治体で異なるため、申請前に窓口で確認してください。

Q. 自立支援医療受給者証の有効期間と、手帳の有効期限は同じですか?
A. 同じではありません。自立支援医療受給者証の有効期間は1年以内、精神障害者保健福祉手帳の有効期限は交付日から2年が経過する日の属する月の末日で、更新の時期がずれます。

Q. 精神障害者保健福祉手帳を持っていなくても、自立支援医療(精神通院)は使えますか?
A. 手帳がなくても使えます。国立精神・神経医療研究センターの「こころの情報サイト」では、自立支援医療(精神通院医療)による医療費助成は、手帳の有無にかかわらず受けられると説明されています。対象になるかどうかは、主治医や市区町村の窓口に相談してください。

Q. 自立支援医療受給者証と手帳の更新は、同時にできますか?
A. 有効期間が違うため、更新の時期はそろわないことが多いです。自立支援医療は1年以内、精神障害者保健福祉手帳は2年です。更新の受付は、自立支援医療がおおむね有効期間の終わる3か月前から、手帳が有効期限の3か月前からと案内されています。志木市の公式ページでは自立支援医療について「手帳と同時申請も可能」と案内されていますが、更新の時期を合わせられるかや書類の扱いは自治体で異なるため、それぞれの期限を確認したうえで市区町村の窓口に相談してください。

まとめ

自立支援医療受給者証は通院医療費の負担を軽くするもの、精神障害者保健福祉手帳は障害の状態を認定して支援につなげるもので、両方持つことができます。有効期間は自立支援医療が1年以内、手帳が2年と異なり、同時に申請できるかや書類の扱いは自治体によって違います。

日中の過ごし方やB型の利用が気になり始めたら、LINEでの相談や見学から始められます。質問だけでも大丈夫です。制度をまとめて確認したい方は「B型事業所の選び方チェックリスト」もあわせてご覧ください。

運営:ぽちぽちの道(株式会社イチドキリ)


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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

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