発達障害で仕事が続かないのはなぜ?続ける工夫とB型から始める選択肢

発達障害で仕事が続かないのはなぜ?続ける工夫とB型から始める選択肢

発達障害があって仕事が続かないとき、原因は本人の努力不足ではなく、特性と職場の環境が合っていないことが多いです。この記事では、転職をくり返してきた本人とご家族に向けて、続かなくなる「きっかけ」ごとの工夫と相談先、そして働く日数を調整しやすい就労継続支援B型から始めるという選択肢を、表を使って整理します。

志木市にお住まいでない方も、利用できます

都内から通う方も。遠方の方は在宅で利用できる場合があります。

どこから通える? 地図を見る
志木市朝霞市新座市和光市富士見市ふじみ野市三芳町さいたま市東京都池袋ぽちぽちの道

志木市のまわりの市町のほか、東武東上線で都内から通っている方もいます。

地図:国土数値情報(行政区域データ)を加工して作成

お住まいの地域で相談するには(3ステップ)
  1. 1

    住んでいる市区町村の障害福祉の窓口へ

    B型などのサービスを使うための受給者証は、住んでいる市区町村に申請します。課の名前は自治体によって違います。

  2. 2

    相談支援専門員と一緒に考える

    どのサービスをどう組み合わせるかは、相談支援専門員とサービス等利用計画をつくりながら決めていきます。

  3. 3

    近くのB型事業所を地域から探す

    WAM NETの「障害福祉サービス事業所検索」で、都道府県を選んで地域の事業所を探せます。

目次

発達障害で仕事が続かないのは、特性と職場環境のずれが原因のことが多い

発達障害のある人が仕事を続けにくいのは、やる気や根性が足りないからではありません。多くの場合、指示の出し方、音や人の多さ、同時に求められる作業の数、評価のあいまいさといった職場の環境が、その人の特性と合っていないことが背景にあります。環境を少し変えるだけで、働き続けられるようになることもあります。

発達障害とは、自閉スペクトラム症(ASD)、注意欠如・多動症(ADHD)、学習障害(LD)などの総称で、生まれつきの脳の働き方の特性によるものとされています。困りごとの出方は同じ診断名でも人によって違い、「予定の急な変更がつらい」と感じるASDの人もいれば、そうでない人もいます。診断名で「この仕事は無理」と決めつけず、自分に起きていることを一つずつ見ていくほうが、次の職場選びに役立ちます。

仕事が続かなくなる流れは、次のような形をとることが少なくありません。

  • 入社直後は緊張と集中で乗り切れるが、数か月たって疲れがたまる
  • 小さなミスや「空気が読めない」と言われる場面が重なり、自信が下がる
  • 相談のしかたが分からないまま、体調を崩したり、急に行けなくなったりする

心当たりがある人は、自分を責める前に、どの段階で何がつらかったのかをふり返ってみてください。診断はないものの特性に心当たりがある人は「発達障害グレーゾーンの働き方」も参考になります。眠れない、食べられない、落ち込みが続くといった状態があるときは、仕事の工夫より先に主治医や医療機関に相談してください。

仕事が続かないきっかけ別の工夫と相談先(一覧表)

仕事が続かなくなる「きっかけ」は、ある程度パターンに分けられます。きっかけが分かれば、自分でできる工夫と、職場や支援機関に頼む配慮を分けて考えられます。

続かないきっかけ職場で起きやすい場面試しやすい工夫相談先・参考記事
指示があいまい「いい感じにまとめて」と言われ、どこまでやるか分からない完成形・期限・優先度を聞き返す。口頭の指示はチャットなど文字でもらう上司・人事、ハローワークの専門窓口
同時に複数の作業電話に出ながら入力し、別の頼まれごとも入る作業を一つずつ区切り、順番を上司に決めてもらう。タスク管理アプリに「今やること」を1つだけ出すマルチタスクが苦手なときの進め方
作業が遅いと言われる丁寧に確認するほど時間がかかり、周りと比べられる速さと正確さのどちらを優先するか先に確認する。手順書をつくる作業が遅いと感じる方へ
忘れ物・うっかりミス締め切りを忘れる、同じミスをくり返すリマインダーとチェックリストを使う。提出前の見直しを手順に入れるADHDの方がパソコン作業で力を発揮するには
音・人の多さ・光話し声や蛍光灯のまぶしさで疲れ切る席の位置を相談する。イヤーマフが使えるか聞く上司・人事、障害者職業センター
雑談・暗黙のルール休憩中の会話に入れない、言われていない決まりで注意される休憩の過ごし方を決めておく。分からない決まりは「確認させてください」と聞くASDの方に合う働き方
体調の波・過集中の反動集中しすぎて休憩を忘れ、翌日動けなくなる休憩を時間で区切り、タイマーで知らせる体調に波があっても続けるための工夫、主治医
注意されることへの不安強い口調の注意が続き、職場が怖くなる注意を「次はどうすればいいか」の形で聞き直す。定期的な面談を頼む怒られるのが怖い方へ

表の工夫には、「指示を文字でもらう」「席を静かな場所にしてもらう」のように、職場側が少し変えるだけで済むものも多くあります。自分から言い出しにくいときは、次の章で紹介する支援機関を頼ってください。

自分の「続かなかったパターン」を書き出す手順

転職をくり返している人ほど、過去の職場をふり返ると共通点が見つかることがあります。調子のよい日に、家族や支援者と一緒に進めてもかまいません。

  1. これまでの仕事を並べる:アルバイトも含めて、職場名と働いた期間を書き出します。
  2. つらくなった時期を書く:「入って3か月ごろ」「繁忙期」など、しんどくなったタイミングをメモします。
  3. きっかけを表から選ぶ:上の表のどれに近いかを選びます。複数あってもかまいません。
  4. うまくいっていた条件も書く:短い期間でも続いた職場があれば、何が合っていたのか(作業内容、人の数、指示の出し方)を書きます。
  5. 相談先に持っていく:メモを支援機関や主治医に見せると、口で説明するより伝わりやすくなります。

国立障害者リハビリテーションセンターの「発達障害情報・支援センター 仕事・雇用」のページでは、特性や必要な配慮を整理して伝えるための「ナビゲーションブック」などの支援ツールが紹介されています。

一人で抱えずに使える支援機関と福祉サービス

仕事が続かない悩みは、目的に合った支援機関に相談すると整理しやすくなります。「まず話を聞いてほしい」なら発達障害者支援センター、「就職先を探したい」ならハローワーク、「自分に合う仕事を客観的に知りたい」なら障害者職業センターが入口です。訓練や働く場が必要なら、就労移行支援やB型などの障害福祉サービスも選べます。

支援・サービスどんな人に合うか期間(公的資料で確認できた範囲)費用の考え方
発達障害者支援センター本人・家族が、働くことも含めて相談したい各センターに確認各センターに確認
ハローワーク(障害のある方の専門窓口)就職先を探したい。障害者手帳がなくても利用できる各ハローワークに確認各ハローワークに確認
地域障害者職業センター職業評価で自分の得意・苦手を知りたい。職業準備支援で働く練習をしたいセンターごとに案内埼玉障害者職業センターは利用が無料と案内
就労移行支援一般企業への就職を目指して訓練したい標準期間24か月の範囲で設定(必要が認められた場合に限り最大1年の更新)障害福祉サービスの利用者負担(所得に応じた上限あり)
就労定着支援就職後、生活面や職場の悩みを相談したい就職後6か月を過ぎてから、利用期間は3年間障害福祉サービスの利用者負担
就労継続支援B型雇用契約を結ばず、自分のペースで働く経験を積みたい利用期間の制限なし障害福祉サービスの利用者負担

発達障害者支援センターとは、発達障害のある人と家族を総合的に支えるための専門機関です。「発達障害者支援センターの事業内容」(国立障害者リハビリテーションセンター)では、就労を希望する人の相談に応じ、ハローワークや地域障害者職業センターなどと連携して情報提供を行うと説明されています。どこに相談すればいいか分からない段階なら、ここから始めても大丈夫です。

ハローワークの障害のある方向けの窓口は、「ハローワークインターネットサービス 障害のある皆様へ」で、障害者手帳を持っていない人も利用できると案内されています。地域障害者職業センターは、独立行政法人 高齢・障害・求職者雇用支援機構が全国に設けている機関で、埼玉県では「埼玉障害者職業センター」がさいたま市にあり、利用はすべて無料と案内されています。使い方は「障害者職業センターとは?職業評価・準備支援の使い方」にまとめています。

就労移行支援・就労定着支援・B型の期間は、厚生労働省の「就労系障害福祉サービスの概要(PDF)」で確認しました(制度全体は「障害者の就労支援対策の状況」)。利用者負担は所得に応じて月ごとの上限額が決まっていて、生活保護世帯や市町村民税非課税世帯は上限0円です(厚生労働省「障害者の利用者負担」)。就職後の支えは「就労定着支援とは?」、移行支援とB型で迷う人は「就労移行支援とB型の違い」も読んでみてください。

就労継続支援B型から始めるという選択

「次こそ続けたい」と思うほど、いきなり週5日のフルタイムで再挑戦しがちです。続かなかった経験が重なっているときは、働く日数や時間を調整しやすい場所で「自分が続けられる条件」を確かめる段階を置くのも一つの選び方で、就労継続支援B型はその段階として使えます。

就労継続支援B型とは、雇用契約を結ばずに、事業所で作業をしながら働く経験を積める障害福祉サービスのことです。決まった勤務時間を必ず守る形ではなく、通う日数や時間を事業所と相談して決めていけます。

仕事が続かなかった経験のある人にとって、B型には次のような使い方があります。

  • 小さく始められる:週に数日・短い時間から始め、「何日なら崩れずに続くか」を確かめながら増やせます。
  • 得意な作業を見つけやすい:いくつかの作業を試し、集中しやすいもの、疲れにくいものを探せます。
  • 続いた記録が次の相談材料になる:「この条件なら半年通えた」という事実は、就職を目指すときにも役立つ情報です。

B型を経て就職を目指す人もいれば、B型で自分のペースを保って通い続ける人もいて、どちらが正しいということはありません。次の段階の考え方は「B型から次の一歩へ|就職・ステップアップ総まとめ」にまとめています。ただし、B型に通えば必ず就職できるというものではありません。

B型の利用には受給者証が必要

B型を利用するには、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で申請し、「障害福祉サービス受給者証」を受け取る必要があります。年齢や就労経験などの条件によっては、就労選択支援などのアセスメント(働くうえでの得意・苦手の整理)を求められることがあります。しくみは「受給者証とは?障害者手帳との違い・種類・いつもらえるか」、手続きの流れは「障害福祉サービス受給者証をもらうには?」で解説しています。

B型を検討する前に確認したいこと

  • 今は週5日で働くより、生活リズムを整えることを優先したいか
  • 短い期間で就職したいなら、就労移行支援やハローワークのほうが合わないか
  • 今の職場を辞めずに続けたいなら、職場への配慮の相談や障害者職業センターを先に使えないか
  • 通いやすい場所か(駅からの距離、乗り換えの有無)
  • 見学で、指示の出し方や作業場の音・人の多さを確かめられるか

B型でも続くか心配な人は「B型事業所が続かないと感じる理由と工夫」、見学で何を見ればよいかは「B型事業所の選び方チェックリスト」が役立ちます。どんな作業をするのか先に知りたい方は、ぽちぽちの道の作業内容をご覧ください。見るだけでも大丈夫です。

ぽちぽちの道の場合

仕事が続かなかった経験がある方に、ぽちぽちの道がまずお願いしたいのは、「どんな場面でつらくなったか」を見学や相談のときに教えていただくことです。上の表の「きっかけ」を指さすだけでもかまいません。それをもとに、作業の進め方や通うペースを一緒に考えます。

ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)。作業はパソコンが中心で、データ入力、Canvaでの画像やSNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べものなどがあります。事業所内では生成AI(ぽちぽちAI)を作業の相棒として使っていて、「何から書けばいいか分からない」ときの手がかりにもなります。

パソコンが苦手な方、未経験の方も歓迎しています。週1日からの通所も相談できるので、「まず週1日、続くかどうか試したい」という始め方もできます。どの作業が合いそうかは、見学で実際の様子を見ていただくのが分かりやすいと思います。

見学は、利用を決める前提でなくてかまいません。「転職をくり返していて、自分に何が合うのか分からない」という段階でも、見学や相談のお申し込みをお待ちしています。LINEでの相談もできます。

発達障害で仕事が続かない悩みについてよくある質問

発達障害で仕事が続かないのは、甘えや努力不足なのでしょうか?

甘えや努力不足とは限りません。背景には、指示の出し方や音の多さ、同時にこなす作業の数など、特性と職場環境のずれがあることが多いです。自分を責める前に、どんな場面でつらくなったのかを書き出し、支援機関に相談してみてください。

転職を何度もくり返していても、就労継続支援B型は利用できますか?

転職の回数そのものは、B型を利用できない理由にはなりません。B型の利用には市区町村が交付する受給者証が必要で、年齢や就労経験などの条件によってはアセスメントを求められることがあります。どの条件に当たるかは、お住まいの市区町村の窓口で確認してください。

発達障害の診断を受けていなくても、仕事が続かない悩みを相談できる窓口はありますか?

あります。ハローワークの障害のある方向けの窓口は、障害者手帳を持っていない人も利用できると案内されています。発達障害者支援センターでも、本人や家族からの相談を受け付けています。診断を受けるかどうかも含めて迷っている場合は、主治医や医療機関にも相談してみてください。

ADHDやASDがあると、どんな仕事なら長く続けやすいですか?

診断名だけで続けやすい仕事が決まるわけではありません。同じADHDやASDでも、困りごとの出方は人それぞれだからです。「指示が文字で出る」「一つずつ進められる」「静かな席がある」など、自分が続けやすい条件を先に書き出し、その条件に合う職場や作業を探すほうが近道です。

家族が発達障害で仕事が続かないとき、どう声をかければいいですか?

まずは「なぜ辞めたの」と問い詰めず、疲れていることをねぎらうところから始めてください。落ち着いたら、この記事の表を一緒に見てどのきっかけが近かったかを話すと、責める会話になりにくいです。家族だけで抱えきれないときは、発達障害者支援センターなど家族も相談できる窓口を使ってください。

まとめ

発達障害で仕事が続かないのは、本人の努力不足ではなく、特性と職場環境のずれが原因のことが多いです。きっかけを整理し、自分でできる工夫と職場に頼む配慮を分けて考えると、次の職場選びがしやすくなります。すぐに週5日で働くのがつらいときは、就労継続支援B型で「続けられる条件」を確かめるところから始める方法もあります。特性に合わせた選び方は「障害・特性別にみるB型の利用ガイド」にまとめています。

ぽちぽちの道では、パソコン作業を中心に、週1日からの通所を相談できます。どんな作業があるのか、まずは作業内容を見てみてください。気になったら、見学だけでも大丈夫です。


どこに相談すればいいか迷ったら

お住まいの地域で相談するには

  1. 1

    住んでいる市区町村の障害福祉の窓口へ

    B型などのサービスを使うための受給者証は、住んでいる市区町村に申請します。課の名前は自治体によって違います。

  2. 2

    相談支援専門員と一緒に考える

    どのサービスをどう組み合わせるかは、相談支援専門員とサービス等利用計画をつくりながら決めていきます。

  3. 3

    近くのB型事業所を地域から探す

    WAM NETの「障害福祉サービス事業所検索」で、都道府県を選んで地域の事業所を探せます。

どこから通える?

志木市朝霞市新座市和光市富士見市ふじみ野市三芳町さいたま市東京都池袋ぽちぽちの道

地図:国土数値情報(行政区域データ)を加工して作成

志木市のまわりの市町のほか、東武東上線で都内から通っている方もいます。通うのが難しい方は、在宅で利用できる場合があります。

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監修者 田中 眞奈美の写真

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者 徳永 崇志の写真

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

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