B型作業所に通うことになって「もう人生終わりだ」と感じている方と、そのご家族に向けた記事です。そう感じてしまう理由を表で整理し、厚生労働省の公表データをもとに、B型のあとにどんな道があるのかをお伝えします。つらさが強いときの相談先もまとめました。
B型作業所に通っても、人生は終わりません。そう感じるのは自然なことです
B型作業所に通うことで、人生が終わるわけではありません。ただ、通い始めたばかりの時期や、勧められたばかりの時期に「自分はもう終わりだ」と感じてしまうのは、めずらしいことではありません。思い描いていた働き方と今の自分との差が大きいほど、そう感じやすくなります。まずはその気持ちを、無理に打ち消さなくて大丈夫です。
この記事の結論を、先に3つにまとめます。
- B型は「働くのを休む場所」ではありません:体調に合わせて働く力を保ったり、取り戻したりするための、法律にもとづく福祉サービスです
- B型のあとの道は1本ではありません:一般就労へ移る人は毎年います。B型を続けながら生活を整える人もいて、どちらも一つの選び方です
- 「終わり」と感じる理由は、分けて考えると軽くなります:工賃、周りの目、挫折感、年齢など、理由ごとに見方があります
就労継続支援B型とは、障害者総合支援法にもとづく障害福祉サービスの一つで、雇用契約を結ばずに、働く機会や生産活動の機会を提供するものです。厚生労働省の資料では、一般就労に必要な知識や能力が高まった人には一般就労などへの移行に向けた支援を行うこと、利用期間に制限がないことも示されています(出典:厚生労働省「障害者の就労支援対策の状況」掲載の「就労系障害福祉サービスの概要」)。つまりB型は、社会から外れた人が行く場所ではなく、働くことと体調を両立させるために制度として用意された場所の一つです。
つらさが強いときは、一人で抱えずに相談してください
「人生終わり」という気持ちが、「消えてしまいたい」「死にたい」という気持ちにまでつながっているときは、この記事を読み進めるより先に、誰かに話すことを優先してください。気持ちの問題として一人でがまんするより、話せる相手につながるほうが、状態は整えやすくなります。
次のような状態が続いているときは、主治医や医療機関に早めに相談してください。
- 眠れない日、または眠りすぎてしまう日が続いている
- 食事がとれない、味がしない状態が続いている
- 何をしても楽しいと感じられない日が続いている
- 「いなくなりたい」という考えが頭から離れない
主治医がいない方や、夜間・休日で病院に連絡しにくい方は、公的な電話相談も使えます。厚生労働省の「まもろうよ こころ」に掲載されている主な窓口は次のとおりです(2026年9月26日時点で確認)。
| 窓口 | 電話番号 | 受付時間など |
|---|---|---|
| こころの健康相談統一ダイヤル | 0570-064-556 | かけた場所の都道府県・政令指定都市の公的な相談機関につながります。曜日・時間は都道府県によって異なります |
| よりそいホットライン | 0120-279-338 | 24時間対応 |
| いのちの電話 | 0120-783-556 | 毎日16時から21時、毎月10日は8時から翌日8時 |
番号や受付時間は変わることがあるため、最新の情報は厚生労働省「まもろうよ こころ 電話相談窓口」でご確認ください。命の危険がいま差し迫っているときは、迷わず119番に電話してください。
通っているB型作業所のスタッフや、相談支援専門員に「最近つらい」と一言伝えることも、立派な相談です。うまく説明できなくても、「眠れていない」「通うのがしんどい」といった短い言葉で十分伝わります。
B型作業所で「人生終わり」「底辺」と感じてしまう5つの理由
「人生終わり」「底辺」と感じる背景には、たいてい具体的な理由があります。ひとまとめに「自分はダメだ」と考えるより、理由を一つずつ分けて見ると、それぞれに違う見方があることに気づけます。よく挙がる理由を表にまとめました。
| 感じる理由 | 頭に浮かびやすい言葉 | 別の見方 |
|---|---|---|
| 工賃が低い | 「これだけしかもらえないなんて」 | 工賃は雇用契約の給料とは仕組みが違います。金額だけで自分の価値を測る必要はありません |
| 周りの目が気になる | 「人に言えない」「恥ずかしい」 | 話す相手と話す内容は、自分で選べます。説明の仕方を用意しておくと気が楽になります |
| 一般就労できなかった挫折 | 「甘えている」「逃げた」 | 市区町村が必要と認めて利用が決まるサービスです。体調に合った働き方を選んだ結果です |
| 年齢 | 「この年でここからなんて」 | 厚生労働省の資料では、50歳以上の人もB型の対象として挙げられています。年齢だけで次の道が閉ざされるわけではありません |
| 「ずっと抜け出せない」という不安 | 「一度入ったら終わり」 | 利用期間の制限がないのは、急がなくてよいという意味です。移る・辞めるも選べます |
工賃の低さがつらいとき
工賃の低さに落ち込むのは、それだけ真剣に「働くこと」を考えている証拠でもあります。工賃は、B型の利用者が生産活動で得た収入から支払われるお金で、雇用契約にもとづく給料とは仕組みが異なります。工賃の仕組みや全国の平均は、関連コラム「工賃とは?B型の平均と給料との違い」で詳しく整理しています。
「恥ずかしい」「甘え」と感じるとき
B型を利用するには、市区町村による支給決定が必要です。つまり、本人の希望だけで気軽に選べるものではなく、今の体調や状況にとって必要だと認められて利用が始まります。「甘え」ではなく、必要な支えを使っているという見方もできます。
人に話すのがつらいときは、答え方をあらかじめ決めておくと、聞かれたときにあわてずに済みます。たとえば、次のような言い方があります。
- くわしく話したくない相手に:「今は体調に合わせて、短い時間で働いているよ」
- 仕事の中身を聞かれたら:「パソコンで入力や資料づくりの作業をしている」など、作業内容だけを伝える
- 信頼できる相手に:「福祉のサービスを使って、働く練習をしている」と、仕組みごと伝える
どこまで話すかは、あなたが決めてかまいません。ネットで見かける「B型はやめとけ」といった声がどんな背景から出てくるのかは、「B型事業所はやめとけと言われる理由と後悔しない選び方」で中立に整理しています。
B型のあとの道は1本ではありません
B型作業所に通ったあとの道は、一つに決まっていません。一般就労へ移る人もいれば、就労移行支援やA型へ進む人、B型を続けながら生活を整える人もいます。どの道が正しいかではなく、そのときの体調と希望に合う道を選べることが大切です。
厚生労働省の数字で見るB型からの一般就労
厚生労働省が公表している資料では、就労系障害福祉サービスから一般就労へ移行した人は、令和6年に28,943人(前年比約9%増)でした。このうち、就労継続支援B型から一般就労へ移行した人は6,118人です。B型の利用を終えた人のうち一般就労へ移行した人の割合は11.8%で、前年の11.2%から増えています。なお、各年の数字は、その年の10月1日時点における前年1年間の実績です(出典:厚生労働省「障害福祉サービスからの就職者」、社会福祉施設等調査)。
同じ資料では、B型の利用者は約38.8万人(令和7年3月)とされています。この数字から読み取れるのは、B型から一般就労へ進む人が毎年確かにいる一方で、多くの人はB型での働き方を続けているということです。B型は一般就労への通過点でもあり、自分のペースで働き続ける場所でもあります。どちらの使い方も、制度の想定の中にあります。
B型のあとに選ばれている主な道
| 道 | どんな人が選びやすいか |
|---|---|
| B型を続けて生活を整える | 体調の波が大きい、まずは通う習慣や生活リズムを安定させたい |
| 就労移行支援へ移って一般就労を目指す | 通所が安定してきて、就職活動の準備や職場実習に取り組みたい |
| A型へ移る | 雇用契約を結んで、決まった時間働くことに挑戦したい |
| B型から直接、一般就労へ | 体調が安定し、障害者雇用枠などで働く準備が整ってきた |
| 別のB型事業所へ移る | 作業内容や雰囲気が合わず、環境を変えたい |
一般就労やA型へのステップの考え方は「B型事業所から一般就労・A型を目指すには」で、事業所を移るときの手続きは「B型事業所を辞めたいときの手続きと移り方」で解説しています。また、2025年10月からは、本人が働き方や就労先をより良く選べるよう支援する「就労選択支援」というサービスも始まっています。次の道に迷ったときは、相談支援専門員に使える制度を聞いてみてください。
「人生終わり」と感じた日に確かめたい5つのこと
気持ちが沈んだ日に、将来のすべてを決めようとしなくて大丈夫です。大きな結論を出す代わりに、次の5つを一つずつ確かめてみてください。見学・利用の前でも、通い始めたあとでも使えます。
- その気持ちは、体調が悪い日に強くなっていないか:眠れなかった日や疲れた日に強まるなら、まず休むことを優先します
- B型に通う目的を、一言で言えるか:「生活リズムを整える」「パソコンに慣れる」「人のいる場所で過ごす」など、小さな目的で十分です
- スタッフに気持ちを伝えられているか:「最近、通う意味が分からなくなっています」と一言伝えるだけで、作業や目標の見直しにつながることがあります
- 個別支援計画の目標は、今の自分に合っているか:B型では利用者ごとに支援計画を作ります。目標が合わないと感じたら、見直しを相談できます
- 比べている相手は誰か:同級生やSNSの誰かと比べて苦しいときは、比べる相手を「先月の自分」に変えてみます
働いていないことや、思うように働けないことへの罪悪感が強い方は「働いていない罪悪感がつらい方へ」、これまで働いた経験がなく不安な方は「就労経験ゼロからのB型」も参考になります。事業所選びで確かめたい点は、ハブ記事「B型事業所の選び方チェックリスト」にまとめています。
今の事業所が自分に合っているか分からないときは、ほかの事業所を見学して比べるのも一つの方法です。話を聞くだけの見学でもかまいません。
家族の方へ:本人の前で使わない言葉と、支える関わり方
ご家族にお願いしたいのは、「底辺」「人生終わり」といった言葉を本人の前で使わないことです。冗談のつもりでも、本人がすでに同じ言葉で自分を責めている場合、家族から聞くと何倍も重く響きます。心配から出る言葉ほど、言い方を少し変えるだけで伝わり方が変わります。
| 言ってしまいがちな言葉 | 言い換えの例 |
|---|---|
| 「いつまでB型にいるの?」 | 「最近、通ってみてどう?」 |
| 「早く普通に働いてほしい」 | 「あなたのペースで大丈夫だよ」 |
| 「〇〇さんの子はもう就職したのに」 | (比べる話はしない) |
| 「B型なんて行っても意味ない」 | 「どんな作業をしているのか教えて」 |
関わり方のポイントは、次の3つです。
- 本人の選択を否定しない:B型に通うと決めたこと自体を、まず認めます
- 結果より様子を聞く:工賃や就職の見通しより、「今日はどうだった?」と日々の様子に関心を向けます
- 家族だけで抱えない:本人の将来が心配なときは、相談支援専門員や事業所に家族として相談できます
本人の元気がない時期が長く続いているご家族は「引きこもり期間が長い家族をどう支える?」もあわせてご覧ください。家族の関わり方を場面別に探したい方は「家族・支援者向けB型ガイド総まとめ」が入口になります。
ぽちぽちの道の場合:パソコンのスキルが残る作業で、次の道を考えやすく
「このまま何も身につかないのでは」という不安がある方には、作業の中身がそのまま経験として残るかどうかも、事業所選びの一つの見方になります。ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(運営:株式会社イチドキリ)。
- パソコンを使う作業が中心:実際の作業は、データ入力、Canvaでの画像やSNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調査などです。どの作業も、パソコンの基本操作を毎日くり返す内容です
- 未経験・苦手な方も歓迎:文字入力やマウス操作に自信がない方も、スタッフと生成AI(ぽちぽちAI)がサポートします
- 週1日からの通所も相談できます:体調に合わせて日数を決め、慣れてきたら少しずつ増やすことも、そのままのペースで続けることもできます
- 駅から近く通いやすい:志木駅東口から徒歩2分なので、体調が万全でない日も通所の負担を小さくできます
パソコンの作業に慣れておくと、次の道を考えるときに「これならできる」と言える作業が増えます。ただし、就職をお約束するものではありません。次へ進むか今のペースで続けるかは、ご本人の体調と希望をいちばんに一緒に考えます。工賃については、作業内容や通所日数によって変わるため、見学時にご案内します。
「どんな場所か、話を聞いてみたい」という段階でも大丈夫です。見学・相談のお申し込みは、LINEからも受け付けています。
B型作業所と「人生終わり」についてよくある質問
B型作業所に通うと、本当に人生終わりなのですか?
いいえ、B型作業所に通うことで人生が終わるわけではありません。B型は、障害者総合支援法にもとづいて、体調に合わせて働く機会を提供する福祉サービスです。厚生労働省の資料では、令和6年にB型から一般就労へ移行した人は6,118人いました。B型を続けながら生活を整えることも、一つの選び方です。
ネットで「B型は底辺」という書き込みを見て落ち込みました。気にしなくていいですか?
書き込みの言葉で、あなたの価値が決まることはありません。インターネットの声は、一部の人の経験や印象であることが多く、あなたの事業所や、あなた自身のことを言っているわけではありません。気になって眠れないときは、しばらく検索や閲覧から離れ、スタッフや身近な人に気持ちを話してみてください。
B型に通っていることを友人に聞かれたら、どう答えればいいですか?
話す内容は、あなたが選んでかまいません。たとえば「今は体調に合わせて、短い時間で働いている」「パソコンの作業をしている」など、作業内容だけを伝える言い方があります。信頼できる相手には、福祉のサービスで働く練習をしていると仕組みごと伝えてもよいでしょう。
B型作業所から一般就労に移る人は、実際どれくらいいますか?
厚生労働省の資料によると、令和6年にB型から一般就労へ移行した人は6,118人で、B型の利用を終えた人のうち一般就労へ移行した人の割合は11.8%でした。一般就労へ進む人は毎年いますが、B型を続ける人も多く、どちらが正しいということはありません。
40代でB型作業所に通い始めたら、もう先はないのでしょうか?
先がないということはありません。厚生労働省の資料では、50歳に達している人もB型の対象の一つとして挙げられており、年齢を重ねてから利用を始めることも制度の想定の中にあります。今の体調に合った働き方から始めて、生活を整えたり、パソコンなどの作業に慣れたりしながら、次の道はそのあとで考えても遅くありません。
まとめ
B型作業所に通うことで、人生が終わるわけではありません。「人生終わり」と感じる理由を分けて見ると、それぞれに別の見方があり、B型のあとの道も一つではありません。つらさが強いときは、主治医や公的な相談窓口に相談してください。
ぽちぽちの道は、志木駅から徒歩2分の、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です。「自分に合うか分からない」という段階でも、話を聞くだけの見学で大丈夫です。気になったら、LINEから気軽にご相談ください。
運営:株式会社イチドキリ
どこに相談すればいいか迷ったら
お住まいの地域で相談するには
- 1
- 2
- 3

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

