見た目では分かりにくい障害や体調の不安があると、電車の中で「助けてほしいけれど言い出せない」と感じることがあります。この記事では、ヘルプマークの対象ともらい方を東京都・埼玉県・志木市の公式情報で整理し、ヘルプカードとの違いや、B型事業所へ電車で通うときの使い方を紹介します。
ヘルプマークのもらい方は「お住まいの市町村の窓口で、手帳なし・無料」
埼玉県にお住まいの方は、原則としてお住まいの市町村の障害福祉担当課などでヘルプマークを受け取ります。埼玉県の案内では、障害者手帳や診断書は不要で、費用もかかりません。
まず押さえておきたいのは、次の3点です。
- どこで:埼玉県内は、原則お住まいの市町村の配布窓口(志木市は共生社会推進課)
- 必要なもの:障害者手帳や診断書などの書類は不要。1人1つの配布
- 対象:外見からは分からなくても、援助や配慮を必要としている人。手帳を持っていない人も対象とされている
出典は埼玉県「ヘルプマークを知っていますか」と、同ページに掲載されている「ヘルプマークに関するQ&A」です(2026年9月14日に確認)。配布場所や在庫は変わることがあるため、出かける前に窓口へ問い合わせてください。
ヘルプマークとは
ヘルプマークとは、義足や人工関節を使っている人、内部障害や難病の人、妊娠初期の人など、外見からは分からなくても援助や配慮を必要としている人が、そのことを周囲に知らせて援助を得やすくするために東京都が作成したマークです。東京都福祉局「ヘルプマーク」でこのように説明されています。
ストラップがついていて、カバンの取っ手など周りから見えやすい場所につけて使います。付属のシールには伝えたいことを書き込み、マークの片面に貼ることができます。
ヘルプマークが全国に広がるまで
東京都から始まり、いまは全国共通のマークです。
| 時期 | できごと |
|---|---|
| 平成24年10月 | 都営地下鉄大江戸線で配布が始まる(東京都) |
| 平成29年7月20日 | JIS Z8210(案内用図記号)に追加され、全国共通のマークになる |
| 平成30年7月 | 埼玉県が導入 |
| 令和3年10月31日時点 | 全ての道府県で導入 |
| 令和6年11月 | 埼玉県で新素材「LIMEX」のマークの配布も始まる |
配布の実績は、埼玉県が174,399個、東京都が約800,000個です(いずれも令和8年3月末時点)。
ヘルプマークの対象になる人(手帳の有無は問わない)
ヘルプマークの対象は、障害者手帳を持っている人に限られていません。埼玉県のQ&Aでは、身体機能などに特に基準を設けておらず、障害者手帳を持っていない人も対象になると書かれています。
対象の例として挙げられているのは、義足や人工関節を使っている人、内部障害や難病の人、妊娠初期の人などです。埼玉県のQ&Aには、発達障害をはじめ、感覚過敏によってマスクをつけるのが難しい人にも配布しているとあります。例示は「など」とされているので、精神的な不調などで外出時に配慮が必要な場合も、まず配布窓口で相談してみてください。
手帳そのものの種類や等級については「障害者手帳の種類と等級」、手帳を持たずにB型を利用する考え方は「障害者手帳がなくてもB型は使える?」で紹介しています。
ヘルプマークはどこでもらえる?東京都・埼玉県・志木市の違い
受け取る場所は、住んでいる都道府県によって違います。東京都は駅や病院などでも配布していますが、埼玉県は原則として市町村の窓口です。
| 項目 | 東京都 | 埼玉県 | 志木市 |
|---|---|---|---|
| 受け取る場所 | 都営地下鉄の駅務室、都営バス営業所、都立病院など(都内在住の方) | 原則、お住まいの市町村の障害福祉担当課など | 共生社会推進課(市役所本庁舎1階) |
| 書類 | 提示は不要。口頭の申し出で配布 | 障害者手帳・診断書などは不要 | 配布時に年代・障害などの種類・手帳の有無を聞き取り |
| 数 | 1人1つまで | 1人1つ | 1人1つ |
| 家族などの代理 | 代理人(家族や支援者など)も可 | 誰の分かを確認したうえで受け取り可 | ページに記載なし(窓口に確認) |
| 郵送 | 受け取りが難しい方は郵送対応あり(郵送料は自己負担) | 市町村ごとに対応が異なる | ページに記載なし(窓口に確認) |
志木市の情報は「覚えてください!ヘルプマーク」によります。埼玉県は県外在住の方への配付を想定していないため、受け取りは住んでいる県の窓口が基本です。
もらい方の手順
- お住まいの市町村の配布窓口を確認する(埼玉県は「ヘルプマーク配付窓口一覧(令和7年11月現在)」に掲載)
- 在庫や受付の時間を電話で確かめる
- 窓口で受け取りたいことを伝える。職員から趣旨や使い方の説明を受ける
- 必要なら、付属のシールに手伝ってほしいことや緊急連絡先を書いてマークに貼る
窓口で何を話せばいいか不安な方は「市役所の障害福祉窓口では何を話す?」も参考にしてください。
すぐに受け取れないとき
急ぎの場合や窓口へ行くのが難しい場合は、県のページから画像をダウンロードし、比率や色を変えずに印刷して使う方法が案内されています。志木市のページも、急ぎの方には県の画像を使うよう案内しています。なお、マーク本体をフリマサイトなどで譲ったり売ったりしないよう、県が呼びかけています。
ヘルプマークとヘルプカードの違い
ヘルプマークは身に着けて「配慮が必要なこと」を周りに知らせるもの、ヘルプカードは自分の情報や緊急連絡先を書いておき、困ったときに見せて具体的な手助けを頼むものです。東京都と志木市の説明を並べると、次のように整理できます。
| 項目 | ヘルプマーク | ヘルプカード |
|---|---|---|
| 使い方 | カバンなどにつけて、周りから見えるように持つ | 持ち歩き、困ったときに書いてある内容を見せる |
| 書いてあること | 付属シールに必要な支援を書ける(使わなくてもよい) | 緊急連絡先や必要な支援内容など |
| 作っているところ | 東京都が作成し、全国共通のマーク | 市区町村ごと。地域によって形が違う |
| 志木市での受け取り | 共生社会推進課 | 共生社会推進課(災害用バンダナとあわせて配布) |
ヘルプカードについては、東京都福祉局「ヘルプカード」と、志木市「障がい者福祉制度のてびき(令和8年度改定)」p.70に説明があります。障害者手帳の画面をスマートフォンで見せる方法は「ミライロIDとは」で紹介しています。
通所での活かし方(電車・駅の場面)
ヘルプマークは、移動中に「配慮が必要なこと」を言葉にせずに伝えるための道具です。電車で通所する場面では、次の使い方が考えられます。
- カバンの外側につける:県のQ&Aでは、手回り品につけて周囲から見えるように持つことが想定されています
- シールに手伝ってほしいことを書く:必要な支援を短く書いておくと、声をかけてくれた人に伝えやすくなります
- 緊急連絡先を書いておく:発作などで倒れたときの連絡先を伝える使い方も、県のQ&Aで紹介されています
埼玉県や東京都は、マークをつけた人を見かけたら、電車・バスで席を譲る、駅などで困っていそうなら声をかける、といった配慮を呼びかけています。東京都の特設サイト「ヘルプマークとは」では、優先席にヘルプマークのステッカーを表示している路線の例として、東武鉄道も挙がっています(ページ上の表記は「東武電鉄」)。
ただし、マークをつけていても、周りの人が気づいて手助けしてくれるとは限りません。つらいときは次の駅で降りて休む、駅員に伝える、事業所へ遅れる連絡を入れる、といった自分からできる対応も用意しておくと安心です。電車そのものが負担になっている方は「電車が苦手でも通える?」で、乗る時間を短くする工夫をまとめています。
つけるかどうか、いつつけるかはご自身で決めてかまいません。通所を周りに知られることへの不安は「知人に知られたくない」で扱っています。
受け取る前に確認したいポイント
窓口に行く前に、次の点を確認しておくとスムーズです。
- お住まいの市町村の配布窓口と、受付の時間
- いま在庫があるか(志木市は令和6年5月に在庫不足で止まっていた配布を再開した経緯があります)
- 家族が代わりに受け取れるか、郵送に対応しているか
- ヘルプカードも一緒に受け取りたいか
手帳で受けられる割引や控除を知りたい方は「障害者手帳のメリット一覧」、お金と制度をまとめて確認したい方は「障害のある方のお金と制度 総まとめ」をご覧ください。
志木市の場合(配布場所・問い合わせ先)
志木市にお住まいの方は、市役所本庁舎1階の福祉部 共生社会推進課でヘルプマークを受け取ります。志木市「覚えてください!ヘルプマーク」(更新日2024年5月29日)では、配布のときに使う人の年代、障害などの種類、障害者手帳の有無を聞き取ると案内されています。手帳を持っていることが条件とは書かれていません。
問い合わせ先は、共生社会推進課です(埼玉県志木市中宗岡1丁目1番1号)。ヘルプマークのページの問い合わせ先は、障がい者福祉グループになっています。
| グループ | 電話 | ヘルプマークとの関係 |
|---|---|---|
| 障がい者福祉グループ | 048-473-1449 | ヘルプマークのページの問い合わせ先 |
| 障がい者支給グループ | 048-456-5363 | ページに記載なし |
| 共生社会推進グループ | 048-456-5364 | ページに記載なし |
電話番号は志木市「共生社会推進課」の連絡先によります。
市のページは2024年5月の配布再開の告知のままで、現在の在庫は確認できていません(2026年9月14日時点)。受け取りに行く前に、電話で在庫を確かめてください。
朝霞市・新座市・富士見市・和光市など近隣の市にお住まいの方は、窓口の名前や受け取りの方法が異なるため、各市の公式ページか埼玉県の配付窓口一覧で確認してください。
ぽちぽちの道の場合
「電車で通えるか不安」「途中で具合が悪くなったらどうしよう」と感じながらB型を探す方もいます。ヘルプマークは市町村の窓口で受け取るもので、ぽちぽちの道では配布していませんが、通い方の不安についての相談はお受けしています。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。送迎は行っていないため、見学のときに、使う電車や時間帯など実際の通い方を一緒に確認します。
作業内容はパソコン作業が中心です。データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物などに取り組んでいます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、スタッフと生成AIがサポートします。
体調や移動の負担に合わせて、週1日からの通所も相談できます。工賃については見学時にご案内します。「ヘルプマークをつけて通ってもいいか」「電車の混む時間を避けたい」といった気がかりも、見学やLINEでの相談で気軽に聞いてください。
ヘルプマークのもらい方についてよくある質問
Q. ヘルプマークは障害者手帳がなくてももらえますか?
A. 埼玉県のQ&Aでは、障害者手帳を持っていない人も対象とされています。受け取るときに手帳や診断書などの書類も不要です。志木市では配布時に手帳の有無を聞き取りますが、手帳が条件とは書かれていません。
Q. 埼玉県でヘルプマークはどこでもらえますか?
A. 原則として、お住まいの市町村の障害福祉担当課などの配布窓口で受け取ります。市町村ごとの窓口は、埼玉県の「ヘルプマーク配付窓口一覧」に載っています。志木市は共生社会推進課(市役所本庁舎1階)です。
Q. ヘルプマークを家族が代わりに受け取ることはできますか?
A. 埼玉県のQ&Aでは、誰の分が必要かを確認したうえで、家族の分を代わりに受け取れると案内されています。志木市での扱いは、窓口に確認してください。
Q. ヘルプマークとヘルプカードは何が違いますか?
A. ヘルプマークは身に着けて配慮が必要なことを周りに知らせるもの、ヘルプカードは緊急連絡先や必要な支援内容を書いておき、困ったときに見せるものです。志木市では、ヘルプカードも共生社会推進課で配布しています。
Q. ヘルプマークをつけて電車で通所すれば、席を譲ってもらえますか?
A. 席を譲ってもらえるとは限りません。埼玉県や東京都は、マークをつけた人に席を譲るなどの配慮を呼びかけていますが、周りが気づかないこともあります。つらいときに途中の駅で降りて休む、駅員や事業所に連絡するなど、自分からできる対応もあわせて考えておくと安心です。
まとめ
ヘルプマークは、外見から分かりにくい援助や配慮の必要を周りに知らせるためのマークで、埼玉県では手帳や診断書なしで、お住まいの市町村の窓口から無料で配布されています。志木市の窓口は共生社会推進課で、在庫の状況は事前に電話で確かめておくと安心です。
電車での通所に不安があるときは、通う時間や道のりを事業所と一緒に考えることもできます。LINEでの相談や見学は、質問だけでも大丈夫です。B型選びをまとめて確認したい方は「B型事業所の選び方チェックリスト」もあわせてご覧ください。
運営:ぽちぽちの道(株式会社イチドキリ)
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

