「この先も実家で暮らせるのかな」「一人暮らしとグループホーム、どちらが合うのだろう」と迷っている本人・ご家族の方へ。この記事では、障害のある方の住まいの選択肢を4つに分けて一覧表で比べ、使える支援と費用の考え方、住宅の制度、志木市の相談先をまとめました。くわしい解説は各テーマの記事へご案内します。
障害のある方の住まいの選択肢は「実家・一人暮らし・グループホーム・入所施設」の4つが基本
障害のある方の住まいの選択肢は、大きく分けて実家、一人暮らし、グループホーム、入所施設の4つです。どの住まいでも、それぞれに合う支援の仕組みがあり、途中で住まいを移ることもできます。
- 支援は住まいに「足す」もの:実家や一人暮らしでもホームヘルプなどを使える
- 一度決めたら終わりではない:実家からグループホーム、そこから一人暮らしへと段階を踏む人もいる
- 日中の過ごし方は別に考える:住まいの支援は主に夜間や家での暮らしを支える
どの支援を使えるかは障害や世帯の状況で変わるため、市区町村の窓口や相談支援専門員と一緒に判断しましょう。
住まいの選択肢を一覧で比べる|暮らし方・支援・費用・向く状況
4つの住まいの違いは、誰と暮らすか、中心になる支援、費用の決まり方にあります。気になった住まいは詳しい記事へ進んでください。
| 住まい | 暮らし方 | 使える主な支援 | 費用の考え方 | 向きやすい状況 | 詳しい記事 |
|---|---|---|---|---|---|
| 実家 | 家族と同居 | 居宅介護、地域生活支援拠点等 | 家計は家族と一緒。サービスの利用者負担は上限あり | 家族の支えがあり、まず生活リズムを整えたい | 親なき後に備える |
| 一人暮らし | アパートなどで単身 | 自立生活援助、地域定着支援、居宅介護 | 家賃と生活費を自分で払う | 家事やお金の管理を支援つきでこなせそう | B型に通いながら一人暮らし |
| グループホーム | 少人数で共同生活 | 共同生活援助 | 利用者負担(上限あり)+家賃・食材料費など | 見守りを受けながら家を出る練習をしたい | 障害者グループホームとは |
| 入所施設 | 施設で暮らす | 施設入所支援 | 利用者負担(上限あり)+食費・光熱水費 | 夜間の介護や、入所しながらの訓練が必要と市町村が認めた | 障害者グループホームとは(入所施設との違い) |
各サービスの内容と対象者は厚生労働省「障害福祉サービスの内容」、負担上限の区分は「障害者の利用者負担」で確認できます。
実家で暮らす|ホームヘルプと「もしも」の備えを足す
実家での暮らしは、家族だけで抱えない仕組みを足していくのが基本です。居宅介護(ホームヘルプ)とは、自宅で入浴・排せつ・食事などの介護や調理・洗濯・掃除などの家事の援助を受けられる障害福祉サービスで、対象は障害支援区分1以上の人です。
家族の入院や高齢化への備えには、地域生活支援拠点等があります。地域生活支援拠点等とは、重度化・高齢化や「親亡き後」を見据え、緊急時の対応や地域移行を担う場所や体制のことです。厚生労働省「地域生活支援拠点等」によると、令和6年度から整備が市町村の努力義務になり、相談、緊急時の受け入れ・対応、一人暮らしやグループホームの体験の場などを担います。整備状況は市の窓口で確認してください。
将来の備えは「親なき後に備える」、ご家族の疲れは「支える家族が疲れたら」も参考にしてください。
一人暮らし|訪問と「いつでも連絡できる」支援がある
一人暮らしでも、訪問や緊急時の相談の支援を受けられます。自立生活援助とは、施設やグループホーム、病院などから一人暮らしに移った人などに、定期的な巡回訪問や随時の訪問・相談で助言や関係機関との連絡調整を行う障害福祉サービスのことです。
地域定着支援とは、一人暮らしなどをしている障害のある方と常に連絡がとれる体制を確保し、障害の特性によって起きた緊急の事態などに相談や支援を行うものです。障害者総合支援法第5条では「地域相談支援」の一つとされています。家事の苦手な部分は居宅介護で補う方法もあります。
準備は「B型に通いながら一人暮らしはできる?」、段階的な移り方は「グループホームから一人暮らしへ」で整理しています。
グループホーム|少人数で暮らし、一人暮らしへの移行も支える
グループホーム(共同生活援助)とは、主に夜間、共同生活を送る住居で相談や介護など日常生活の援助を受けられるサービスです。法律では、一人暮らしへの移行を希望する入居者の移行と定着の相談も定められています。
費用は、上限のある利用者負担(生活保護世帯・市町村民税非課税世帯は0円、課税世帯は月37,200円の区分)と、ホームが決める家賃・食材料費・光熱水費・日用品費の合計です。非課税世帯などは家賃に月1万円までの補足給付があります。くわしくは「グループホームの費用」「家賃補助と自己負担上限」「グループホームの探し方」「何歳まで住める?」をご覧ください。
入所施設|夜間の介護や入所しながらの訓練が必要なときの住まい
施設入所支援とは、施設に入所する障害のある方に、主に夜間、入浴・排せつ・食事などの介護や生活の相談・助言を行うサービスです。日中は生活介護などと組み合わせます。対象は、生活介護を受けていて障害支援区分4以上(50歳以上は区分3以上)の人や、自立訓練・就労移行支援・就労継続支援B型の利用者で入所しながらの訓練が必要と認められた人などです。B型に通っていれば入所できるわけではなく、市町村の判断を経ます。費用は利用者負担と食費・光熱水費などの実費で、20歳以上の入所者で所得の低い方には、手元にお金が残るよう補足給付を行う仕組みがあります。
住まい探しに使える住宅の制度|県営住宅・セーフティネット住宅・居住支援法人
一人暮らしの部屋を探すときは、障害福祉のサービスとは別に、公営住宅の優遇、入居を拒まない賃貸住宅の登録制度、部屋探しを手伝う居住支援法人という3つの住宅の制度も使えます。
埼玉県営住宅は障害者世帯の収入基準がゆるく、募集枠がある
埼玉県営住宅の収入基準は原則として収入月額158,000円以下ですが、高齢者・障害者世帯などは214,000円以下です(埼玉県「県営住宅入居者募集のご案内」)。定期募集は1月・4月・7月・10月の年4回です。埼玉県の「障害者の福祉ガイド 4章 日常生活の支援」では、高齢者・障害者世帯の募集枠があり、障害の程度に応じて当選率が優遇される場合があると案内されています。対象は身体障害者手帳1〜4級、療育手帳マルA・A・B、精神障害者保健福祉手帳1級・2級の人などです。単身で申し込める住宅の条件は、管理を受託している埼玉県住宅供給公社の県営住宅課(048-829-2875)で確かめてください。
セーフティネット登録住宅・居住サポート住宅・居住支援法人
国土交通省「住宅セーフティネット制度」では、障害者は法律で「住宅確保要配慮者」と定められています。大家さんは要配慮者の入居を拒まない賃貸住宅を「セーフティネット登録住宅」として登録でき、セーフティネット住宅情報提供システムで検索できます。家賃の減額や入居の保証を意味するものではありません。
改正された住宅セーフティネット法は令和7年10月1日に施行され、「居住サポート住宅」の認定制度が始まりました(国土交通省「住宅セーフティネット法等の一部を改正する法律について」)。居住サポート住宅とは、居住支援法人などが大家さんと連携し、安否確認や見守り、状況が不安定になったときの福祉サービスへのつなぎを行う住宅のことです。認定された住宅は「居住サポート住宅情報提供システム」で探せます。
居住支援法人とは、入居の相談や見守り、家賃債務保証などを行う法人として都道府県が指定するNPO法人などのことです。どこに相談できるかは、市の窓口や相談支援専門員に聞くと探しやすくなります。
住まいを選ぶ・移る前に確認したいポイントと志木市の相談先
住まいを選ぶときは、今の困りごとを書き出してから相談すると話が進みやすくなります。ご本人とご家族で次の点を確かめてみてください。
- 食事・洗濯・掃除のうち、一人でできることと手伝いがほしいこと
- 薬の管理や通院を、誰とどう続けるか
- 体調を崩したときや夜間に、誰へ連絡するか
- 年金・工賃などの収入と、家賃を含めた毎月の支出の見通し
- 平日の日中にどこへ通い、住まいからどう移動するか
志木市にお住まいの方の障害福祉の窓口は、市役所福祉部の共生社会推進課です。問い合わせ先は障がい者福祉グループ(048-473-1449)で、所在地は志木市中宗岡1丁目1番1号です(「共生社会推進課」)。
相談先が分からないときは、共生社会推進課内にある「志木市基幹福祉相談センター」(048-456-6021・平日8時45分から16時30分・予約優先)にも相談できます。市が委託する「相談センター しき彩の杜」(048-423-0991)も、市のページによるとご家族の相談ができ無料です。窓口での話し方は「市役所の障害福祉窓口では何を話す?」、志木周辺のグループホーム探しは「志木・朝霞・新座・和光のグループホームの探し方」も参考にしてください。
B型(日中活動)との接点|どの住まいでも平日の通い先はセットで考える
実家・一人暮らし・グループホームのどれを選んでも、平日の日中をどこで過ごすかは別に決める必要があります。日中は就労継続支援B型などの通い先に出る方が多く、次の3点をセットで考えておくと安心です。
- 通う距離と手段:住まいを移すと、駅までの道のりや乗り換えが変わる
- 生活リズム:決まった時間に通う場所があると、起きる時間を整えやすい
- お金の見通し:B型の工賃は収入の一つとして家計表に書き入れられる
組み合わせ方は「グループホームとB型は併用できる?」で解説しています。住まいを迷っている段階でも、気軽にLINEで相談してみてください。
ぽちぽちの道の場合(住まいが決まる前でも、日中の通い先から相談できる)
住まいの選択肢を考えている途中で「平日はどこで過ごそう」と迷ったら、ぽちぽちの道の見学にお越しください。東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分の、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です。
ぽちぽちの道はB型事業所のみを運営しており、グループホームなどの住まいの運営や紹介、あっせんは行っていません。住まいの選び方や支援の申請は、相談支援専門員や市区町村の窓口にご相談ください。実家・グループホーム・一人暮らしのどこからでも、日中の通い先としての見学・相談は歓迎しています。
作業はパソコンが中心で、データ入力、Canvaでの画像づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べもの、SNS投稿づくりに未経験から取り組めます。パソコンが苦手な方もスタッフがサポートし、週1日からの通所も相談できます。昼食はお弁当(実費)を用意でき、送迎は行っていないため、住まいから駅までの通い方も一緒に考えます。くわしい作業内容はサービス紹介ページで、工賃は見学時にご案内します。
障害のある方の住まいの選択肢についてよくある質問
Q. 実家を出るとき、障害のある本人は一人暮らしとグループホームのどちらから考えればいいですか?
A. 家事や体調の管理に不安が大きければ、見守りのあるグループホームから考える方法があります。自分でこなせることが多ければ、自立生活援助や居宅介護を足した一人暮らしも選べます。相談支援専門員と生活の様子を整理して決めましょう。
Q. 家族と同居していて親が急に入院したら、障害のある本人の住まいはどうなりますか?
A. 市町村が整備を進める地域生活支援拠点等には、緊急時の受け入れや対応の機能があります。お住まいの市でどの機関が担っているかは、元気なうちに市の障害福祉の窓口で確かめておくと安心です。
Q. 障害者手帳を持っていると、埼玉県営住宅の抽選で有利になりますか?
A. 埼玉県は、障害の程度に応じて当選率が優遇される場合があると案内しており、高齢者・障害者世帯の募集枠もあります。対象の手帳と等級が決まっているため、募集のたびに埼玉県住宅供給公社の案内で条件を確認してください。
Q. 障害を理由に賃貸アパートの契約を断られそうなとき、使える住宅の制度はありますか?
A. 住宅セーフティネット制度では、障害者は「住宅確保要配慮者」とされ、入居を拒まない賃貸住宅の登録制度があります。部屋探しの相談や見守りは居住支援法人も担っているので、市の窓口や相談支援専門員にどこへ相談できるか聞いてみましょう。
Q. 将来の住まいがまだ決まっていなくても、ぽちぽちの道の見学はできますか?
A. できます。ぽちぽちの道は住まいの紹介は行っていませんが、実家・グループホーム・一人暮らしのどこから通う予定の方でも、日中の通い先としての見学・相談を受け付けています。LINEからでも気軽にご連絡ください。
まとめ
障害のある方の住まいの選択肢は、実家・一人暮らし・グループホーム・入所施設の4つが基本です。実家や一人暮らしではホームヘルプなどの支援を足せ、グループホームや入所施設では住まいのサービスの中で支援を受けます。一人暮らしの部屋探しには、県営住宅の優遇やセーフティネット住宅、居住支援法人といった住宅の制度も使えます。個別の判断は相談支援専門員や市区町村の窓口で確認してください。
お金と制度の全体像は「障害のある方のお金と制度 総まとめ」から探せます。住まいと一緒に日中の過ごし方を考えたいときは、ぽちぽちの道にご相談ください。見学だけでも大丈夫です。
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

