「障害者グループホームは何歳まで住めるの?」「親がいなくなった後も、ずっと暮らしていける?」と気になっているご家族や本人の方へ。この記事では、年齢の決まり、65歳以降の介護保険との関係、退去の考え方を、厚生労働省の資料で確認できた範囲で整理します。日中の過ごし方については、志木駅徒歩2分のB型事業所「ぽちぽちの道」でも相談を受け付けています。
障害者グループホームは何歳まで住める?一律の年齢上限はありません
障害者グループホームには、「何歳になったら出なければならない」という一律の年齢上限は定められていません。65歳を過ぎても、市区町村が必要と認めれば住み続けられる場合があります。ただし、介護保険との関係や本人の状態によって扱いが変わるため、「一生住める」と言い切れるものではありません。
よく聞かれる2つの疑問に、先に答えておきます。
- 一生住めますか?:年齢だけを理由にした退去の決まりはなく、国のガイドラインでは退去に本人の希望と同意が必要とされています。ただし介護の必要が大きくなると、ほかの住まいを検討する場合もあります
- 65歳になったらどうなりますか?:原則として介護保険のサービスが優先されますが、国の通知では一律に優先させず個別に判断するとされ、グループホームを続けて使える場合があります
実際にグループホームで暮らす65歳以上の人もいます。厚生労働省の資料「高齢の障害者に対する支援等について」(社会保障審議会障害者部会・令和3年8月)では、令和3年4月の共同生活援助の利用者144,570人のうち、65歳以上は18,656人(12.9%)とされています。
65歳以降とグループホーム|介護保険優先の原則と例外
介護保険優先の原則とは、障害福祉サービスと同じような介護保険サービスがあるとき、65歳以上の人は原則として介護保険のサービスを先に使う、という考え方のことです。グループホームで暮らす人にもこの原則は関係しますが、「65歳で必ず移る」という意味ではありません。
国の通知は「一律に介護保険を優先しない」としています
厚生労働省の「障害者総合支援法に基づく自立支援給付と介護保険制度との適用関係等について」(平成19年通知)では、心身の状況は人によって違うため、介護保険サービスを一律に優先させないとしています。市区町村が本人の意向を聞き取り、必要な支援を介護保険で受けられるかを判断します。
市区町村向けの「介護給付費等に係る支給決定事務等について(事務処理要領)」(令和8年7月最終改正)にも、次のような運用例が載っています。
- 個々の状況から必要と認められる場合は、65歳以降も引き続きグループホーム(共同生活援助)の利用を認める
- 要介護度などに応じて、認知症グループホームや特別養護老人ホームなどへの入居を検討するのが望ましい場合もある
65歳以降も住み続けられるかは、年齢で機械的に決まるものではありません。本人の状態と市区町村の判断によって変わります。
年齢の場面ごとの整理
年齢の場面ごとに、国の資料で確認できる扱いを表にまとめました。
| 場面 | 国の資料で確認できる扱い |
|---|---|
| 65歳になる前から住んでいる | 65歳だけを理由に一律に出るという決まりはない。必要と認められれば引き続き利用できる |
| 65歳が近づいたとき | 介護保険の要介護認定の申請は、65歳の到達日の3か月前以内から受け付けられる運用がある |
| 65歳以降に介護が重くなった | 要介護度などに応じて、認知症グループホームや特別養護老人ホームなども検討する場合がある |
| 65歳を過ぎて新しく入居したい(身体障害) | 65歳未満か、65歳になる前日までに障害福祉サービスなどを使ったことがある人に限られる |
| 65歳を過ぎて新しく入居したい(知的・精神障害) | 身体障害と同じ年齢の条件は示されていない。利用できるかは市区町村の支給決定による |
身体障害の条件は、厚生労働省「障害福祉サービスの内容」の共同生活援助の対象者欄で確認できます。
グループホームを退去するのはどんなとき?本人の希望と同意が前提です
グループホームの退去(退居)は、ホームや周りの人だけで決めるものではなく、本人の希望と同意があることが前提です。厚生労働省の「共同生活援助における運営や支援に関するガイドライン(第1版)」(令和8年2月)では、事業所が本人の意思に反して強制的に退去を迫り、一方的に解約することは避けなければならないと書かれています。
長く暮らすうえで知っておきたい考え方は、次の3つです。
- 退去の背景はさまざま:一人暮らしや結婚など新しい生活への移行、病気や障害の重度化、ほかの入居者とのトラブルなどが挙げられています
- 障害支援区分が変わっても、それだけで退去を決めない:状態は年齢などで変わりうるため、本人の望む生活を続ける方法を考えながら支援を見直すとされています
- 退去が決まったら、次の住まいまで支援する:ホームは市町村や相談支援事業所と連携し、転居先の確保や、その後に使うサービスの検討を行うことになっています
高齢化・重度化に対応する仕組みも用意されています
前出のガイドラインによると、以前は介護が必要になると本人の希望によらず転居せざるを得ない状況がありました。そこで平成26年4月にケアホームとグループホームが一元化され、介護が必要になっても本人の希望で住み続けられる仕組みになりました。平成30年には、重度化・高齢化に対応できる「日中サービス支援型」も創設されています。
ただし、どこまで介護に対応できるかや退去の条件は、ホームごとの体制と契約によって違います。グループホームの類型や全体像は「障害者グループホームとは」をご覧ください。暮らしの中で違和感が出てきたときの考え方は「グループホームが合わないと感じたら」も参考になります。
見学・入居の前に確認したいポイント|長く暮らすための確認リスト
長く住めるかどうかは、入居前の確認でかなり見通しが立ちます。年齢を重ねたときの対応はホームによって違うため、見学や契約の場で次の点を聞いておくのがおすすめです。
- 入居者が高齢になったり介護が必要になったりしたとき、どこまで対応しているか
- 介護サービス包括型・外部サービス利用型・日中サービス支援型のうち、どの類型か
- 契約書や重要事項説明書に、退去につながる条件がどう書かれているか
- 65歳以降も暮らしている入居者や、介護保険のサービスと併用している例があるか
- 日中に通っている場所(B型や生活介護など)とどう連絡を取っているか
ホームの類型やサービス内容は、WAM NETの「障害福祉サービス等情報検索」でも調べられます。
すでにグループホームで暮らしていて65歳が近づいている場合は、次の順で準備を進めると慌てずにすみます。
- 相談支援専門員に「65歳以降もこのホームで暮らしたい」という希望を伝える
- 市区町村の障害福祉担当窓口で、介護保険との関係でサービスがどう変わるかを聞く
- 65歳の到達日の3か月前以内を目安に、要介護認定の申請の案内を確認する
- ホームとも、介護が必要になったときの対応を話し合っておく
個別のケースで住み続けられるかどうかは、この記事だけで判断せず、相談支援専門員と市区町村の窓口に早めに相談してください。親なき後の住まい・お金・支援の全体をどう組み立てるかは「親なき後に備える」でまとめています。
B型(日中活動)との接点|65歳前後は日中の過ごし方も見直す時期
グループホームで長く暮らすなら、住まいと同じくらい「平日の日中をどこで過ごすか」が大切です。前出のガイドラインでも、ホームは入居者が通う日中活動サービスとの連絡に努めるとされ、日中の活動がない人は孤独に陥る心配があると指摘されています。
65歳前後は、日中の過ごし方も見直す時期です。ガイドラインでは、65歳以上で介護保険の対象となる入居者は、介護保険の通所介護(デイサービス)なども使えるとされています。一方、平成19年通知では、就労継続支援は介護保険に相当するものがない障害福祉サービス固有のものの例に挙げられています。
B型の利用期間や年齢は、次の記事で詳しく扱っています。
- 通える期間の決まり:「B型の利用期間に上限はある?」
- 何歳から通えるか:「B型事業所は何歳から使える?」
- 65歳を過ぎた後の扱い:「65歳以降もB型を使える?」
ぽちぽちの道の場合(長く続けられる日中の居場所として)
「住まいのことで先の心配が尽きない」というときこそ、平日の日中に安心して通える場所を持っておくと、暮らし全体が安定しやすくなります。ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」の東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です。
ぽちぽちの道は就労継続支援B型の事業所で、グループホームは運営していません。グループホームの紹介やあっせんも行っていないため、住まいのことは相談支援専門員や市区町村の障害福祉担当窓口にご相談ください。私たちがお手伝いできるのは、グループホームや自宅から通う日中の活動(B型)についての見学・相談です。
作業内容は、データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物、SNS投稿づくりなど、パソコン作業が中心です。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、スタッフがそばでサポートします。週1日からの通所も相談でき、昼食はお弁当(実費)の用意も可能です。送迎は行っていないため、駅から歩いて通える方を想定しています。
B型を利用できるかどうかは、年齢や受給者証の状況しだいです。「今のグループホームから通えそうか」といった点は、市区町村の窓口での確認とあわせて、見学のときに一緒に整理できます。工賃などは見学時にご案内します。
グループホームの年齢と退去についてよくある質問
Q. 障害者グループホームは、年をとっても一生住み続けられますか?
A. 年齢だけを理由に退去する一律の決まりはありませんが、「一生住める」と約束されているわけでもありません。介護の必要が大きくなると、認知症グループホームや特別養護老人ホームなどを検討する場合もあります。長く暮らせるかは、ホームの体制と本人の状態によって変わります。
Q. グループホームで暮らしていて65歳になったら、介護保険の施設に移らないといけませんか?
A. 65歳になったことだけで、必ず移らなければならないわけではありません。65歳以上の人は原則として介護保険のサービスが優先されますが、国の通知では一律に優先させず、個別の状況で判断するとされています。必要と認められればグループホームを引き続き利用できる場合があるため、相談支援専門員と市区町村の窓口に早めに相談してください。
Q. 65歳を過ぎてから、新しく障害者グループホームに入居できますか?
A. 障害の種類によって扱いが異なります。身体障害のある人が入居できるのは、65歳未満か、65歳になる前日までに障害福祉サービスなどを利用したことがある人です。知的障害・精神障害には同じ年齢の条件は示されていませんが、利用の可否は市区町村の支給決定で決まります。
Q. 介護が必要になったら、グループホームから退去させられますか?
A. 介護が必要になったことだけで、一方的に退去させられるものではありません。国のガイドラインでは、障害支援区分が変わってもそれだけで退去を判断せず、本人の意思に反する強制的な退去は避けるべきとされています。ただし介護への対応はホームごとに違うため、契約書と重要事項説明書で対応範囲を確認しておきましょう。
Q. グループホームの契約で、退去の条件はどこを見て確認すればいいですか?
A. 契約書と重要事項説明書の、退去や契約の解除について書かれた項目を確認します。介護が必要になったときや長期入院のときの扱いはホームによって違うため、分かりにくい点は入居前に質問し、相談支援専門員にも見てもらうと安心です。
まとめ
障害者グループホームに一律の年齢上限はなく、65歳以降も市区町村が必要と認めれば住み続けられる場合があります。介護保険優先の原則や本人の状態によって扱いが変わるため、ホームの対応範囲と契約内容を確かめ、相談支援専門員・市区町村の窓口と早めに話し合っておくことが大切です。
住まいと並んで暮らしを支えるのが、日中の過ごし方です。ぽちぽちの道は、グループホームは運営していませんが、志木駅徒歩2分で週1日から通い方を相談できるB型事業所です。質問だけでも大丈夫なので、LINEでの相談や見学から気軽に始めてみてください。事業所選びの観点は「B型事業所の選び方チェックリスト」でも一覧にしています。
65歳以降の障害年金の扱いは障害年金はいつまでもらえる?更新は何年ごと・65歳になったらで解説しています。
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

