「パソコンに向かうと、すぐ目がしょぼしょぼする」「座りっぱなしで肩や腰がつらい」という方へ。この記事では、パソコン作業の疲れ対策を、厚生労働省のガイドラインが示す目安をもとに、休憩の区切り方・画面と椅子の合わせ方・体の動かし方の3つに分けてまとめました。パソコン作業を中心にした志木駅徒歩2分のB型事業所「ぽちぽちの道」が、通所を考える方の目線でお伝えします。
パソコン作業の疲れ対策は「区切る・合わせる・動かす」の3つが基本
パソコン作業の疲れ対策は、①作業を1時間以内で区切って目と体を休める、②画面・照明・椅子を自分の体に合わせる、③ときどき立ったり伸びをしたりして同じ姿勢を続けない、の3つが基本です。どれも特別な道具がなくても始められます。
- 区切る:連続作業は1時間以内にし、次の作業までに10〜15分、画面から離れる時間をとる
- 合わせる:画面はおおむね40cm以上離し、椅子には深く腰かけて足裏全体を床につける
- 動かす:座ったままにせず、ときどき立つ・背伸びをする・姿勢を変える
この3つは、厚生労働省の「情報機器作業における労働衛生管理のためのガイドライン」の内容をもとにしています。疲れ方には個人差があり、休憩やストレッチで症状が必ず軽くなるとは限りません。
パソコン作業で目・肩・腰が疲れる理由と、国のガイドラインの目安
パソコン作業の疲れは、画面を見続けること、キーボードやマウスの操作、同じ姿勢を長く保つことで、目・首・肩・腰・腕に負担が重なって起こります。厚生労働省のガイドラインは、この負担を減らすための目安を示しています。
情報機器作業ガイドラインとは、事務所でパソコンなどディスプレイのある機器を使う作業について、事業者が行う作業環境・作業時間・健康管理の目安をまとめた厚生労働省の指針のことです。令和元年7月12日の通知で示され、令和3年12月1日に照度の扱いなどが改正されました。法律そのものではなく、雇用されて働く人の健康を守るための行政の目安です。
| 見直すこと | ガイドラインの目安 | 自分でできる工夫 |
|---|---|---|
| 作業時間 | 1回の連続作業は1時間以内、次までに10〜15分の休止、途中に1〜2回の小休止 | タイマーで区切り、休止中は画面を見ない |
| 画面 | おおむね40cm以上離す。上端は目の高さとほぼ同じか、やや下が望ましい | モニターの高さと角度を調整する |
| 文字 | 文字の高さはおおむね3mm以上が望ましい | 表示倍率や文字サイズを上げる |
| 照明 | 書類とキーボードの上は300ルクス以上。まぶしさを防ぐ | 窓の光はカーテンで調整する |
| 椅子と姿勢 | 深く腰かけて背もたれに背をあて、足裏全体を床につける | 足が浮くときは足台を使う |
作業時間は1時間以内で区切り、10〜15分は画面から離れる
ガイドラインは、1回の連続作業時間が1時間を超えないようにし、次の連続作業までに10〜15分の作業休止時間を設けるよう示しています。さらに連続作業の途中で1〜2回、1〜2分程度の小休止を、時間を決めずに自由にとれるようにすることとされています。
この作業休止時間は、遠くの景色を眺める、目を閉じる、体の各部をストレッチするといった、目と体をリセットするための時間です。ガイドラインの解説では「いわゆる休憩時間ではない」と書かれています。
画面と照明は、距離と明るさの差を見直す
画面は、おおむね40cm以上の距離をとり、その距離で見やすいように必要に応じて眼鏡で矯正することとされています。照明は、書類とキーボードの上を300ルクス以上とし、画面と周りの明るさの差をなるべく小さくすることが示されています。窓の光が画面に映り込むときは、ブラインドやカーテンで調整します。
椅子は深く腰かけ、足裏全体を床につける
座って作業するときは、椅子に深く腰かけて背もたれに背中を十分にあて、靴の足裏全体が床につく姿勢が基本です。足が床に届かない場合は、すべりにくい足台を使います。座面と太ももの裏側(膝側)の間には、手の指が入る程度のゆとりを持たせます。
目の疲れを軽減するには、見る距離・文字の大きさ・まばたきを見直す
パソコン作業での目の疲れを軽減するには、画面との距離を保つこと、文字を小さすぎない大きさにすること、画面を見続けずに視線を外す時間をつくることが基本です。ガイドラインの解説では、ドライアイの悪化要因として、画面の見づらさによるまばたきの減少なども挙げられています。
- 視線を外す時間をつくる:1時間以内に一度は画面から離れ、遠くを見たり目を閉じたりする
- 文字を大きくする:読みにくい文字を目を細めて見続けない。表示倍率や文字サイズを変える
- 画面を高くしすぎない:画面が目より高いと、見上げるために目を大きく開けることになる
- 風が目に直接当たらないようにする:エアコンの風向きを変える
- 眼鏡やコンタクトの度を合わせる:画面の距離に合った矯正かどうかは眼科で相談する
ガイドラインの解説では、コンタクトレンズの装用や部屋の湿度の低下もドライアイの悪化要因に挙げられています。目の乾き・ごろごろする感じ・痛み・ときどき見づらくなる症状があるときは、程度に応じて専門医の受診をすすめるとされています。
見え方に合わせてパソコンの設定を変える方法は、「パソコンの読み上げ・拡大機能の使い方」で紹介しています。
座りっぱなし対策|肩・腰の負担を減らす姿勢と体の動かし方
座りっぱなしの対策は、座ったままの時間を長く続けず、ときどき立つ・背伸びをする・姿勢を変えることが基本です。ガイドラインでも、座った姿勢だけでなく、時折立った姿勢を交えて作業することが望ましいとされています。
ガイドラインの解説では、長時間の拘束姿勢などによる疲れの解消には体操やストレッチを適切に行うことが重要とされ、作業中の背伸び・姿勢の変化・軽い運動も示されています。痛みが出る動きは避け、無理のない範囲にとどめましょう。
肩や腰の負担を減らすために、作業前に次の点を確認してみてください。
- [ ] 椅子に深く腰かけ、背もたれに背中がついている
- [ ] 足裏全体が床(または足台)についている
- [ ] 画面の上端が目の高さか、やや下にある
- [ ] キーボードとマウスが体の近くにあり、肩が上がっていない
- [ ] ノートパソコンで長く作業するときは、外付けのキーボードや画面を使えるか確認した
ノートパソコンは画面とキーボードが一体のため、特定の姿勢を強いられやすいとガイドラインの解説は指摘し、長い時間の作業では外付けのディスプレイやキーボードを使うことが望ましいとしています。タブレットやスマートフォンも、長時間の作業にはできる限り使わないことが望ましいとされています。
疲れや痛みが続くときは、自己判断せず医療機関や主治医に相談する
休憩や姿勢の工夫をしても、目の痛み、手や腕のしびれ、頭痛などが続くときは、自己判断で様子を見続けず、医療機関を受診してください。この記事で紹介した工夫は疲れをためにくくするための習慣であり、症状の治療や改善を約束するものではありません。
- 目の痛み・見えにくさが続く:眼科で相談する。作業に合った眼鏡の処方は眼科医が行うことが望ましいとされている
- 首・肩・腕・手のしびれや痛みが続く:整形外科などの医療機関で相談する
- 頭痛や強いだるさが続く:かかりつけ医に相談する
- 服薬中で眠気が出て作業に集中しにくい:自己判断で薬を減らしたりやめたりせず、主治医に相談する
ガイドラインの解説は、家庭での長時間のインターネットやゲーム、生活習慣、悩みごとも疲れの要因になりうるとしています。作業中の工夫とあわせて、1日の過ごし方も見直してみましょう。
B型事業所でパソコン作業をするなら、見学で確認したい疲れ対策のポイント
B型事業所でパソコン作業に取り組むときは、休憩の取り方、画面や椅子の調整、通う時間の長さを、見学や体験の段階で確認しておくと安心です。作業環境や時間の区切り方は事業所ごとに違います。
就労継続支援B型は、雇用契約を結ばずに作業や生産活動の機会を提供する障害福祉サービスです(厚生労働省「障害福祉サービスの内容」)。情報機器作業ガイドラインは雇用されて働く人向けの目安で、B型の利用者に当てはめる決まりは書かれていません。そのうえで、パソコン作業の疲れを防ぐ考え方は同じように参考になります。
見学や体験のときには、次の点を確認してみてください。
- [ ] 作業の途中で、画面から離れて休める時間をとれるか
- [ ] 画面の高さや文字の大きさ、椅子の高さを調整できるか
- [ ] 短い時間や少ない日数から始める相談ができるか
- [ ] 目や肩の疲れ、服薬による眠気などを支援員に伝えやすい雰囲気か
- [ ] 疲れた日の作業量や休み方を、支援員と一緒に考えてもらえるか
体験のあとにぐったりしてしまった場合の考え方は「体験利用で疲れ切ってしまった…向いていないサイン?」、体力そのものに不安がある方は「体力に自信がなくても続けられる作業とは」、日によって調子が変わる方は「体調に波があっても続けるための工夫とペース配分」も参考にしてください。
ぽちぽちの道の場合(パソコン作業の疲れも、相談しながら無理なく)
パソコン作業に興味はあるけれど、目や肩の疲れが心配という方こそ、ぽちぽちの道の見学で実際の作業の様子を見てください。東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分の、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です。
作業はパソコンが中心で、データ入力、Canvaでの画像やSNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べもの、ブログの文章づくりなどに取り組みます。事業所内では生成AI(ぽちぽちAI)を業務の相棒として活用しています。どんな作業があるかは「ぽちぽちの道でできる作業内容」でも紹介しています。
パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、スタッフがサポートします。週1日からの通所も相談できます。休憩の取り方や1日の作業の流れは、見学のときにご案内します。昼食はお弁当(実費)を用意でき、送迎は行っていません。くわしい作業内容はサービス紹介ページで確認でき、見学やLINEでの相談も受け付けています。
パソコン作業の疲れ対策についてよくある質問
Q. パソコン作業の合間の休止時間には、目と体を休めるために何をすればいいですか?
A. 画面から視線を外し、遠くを眺める、目を閉じる、体を伸ばすといった過ごし方が、厚生労働省のガイドラインの解説で例として挙げられています。作業休止時間は画面から離れて目と体をリセットするための時間とされているので、休止中はスマートフォンなどの画面も見ないようにしましょう。
Q. パソコン作業は1日に何時間までなら、国の目安の範囲ですか?
A. ガイドラインの本文には、1日の作業時間の上限を何時間と決めた基準はありません。「過度に長時間にならないように」とされ、1回の連続作業を1時間以内にして10〜15分の休止を入れる目安が示されています。どのくらいで疲れるかは人によって違うため、自分の体調に合わせて調整してください。
Q. ノートパソコンで作業すると首や肩がつらくなるとき、どんな工夫がありますか?
A. 長い時間使うときは、外付けのキーボードや画面をつなぐことがガイドラインで望ましいとされています。画面の上端を目の高さかやや下にし、椅子に深く腰かける姿勢も見直しましょう。しびれや痛みが続く場合は医療機関に相談してください。
Q. 薬の影響で眠くなり、パソコン作業に集中できないときはどうすればいいですか?
A. 自己判断で薬を減らしたりやめたりせず、主治医に眠気のことを相談してください。B型事業所に通っている場合は、支援員にも伝えておくと、作業の量や休み方を一緒に考えやすくなります。
Q. ぽちぽちの道の見学で、パソコン作業の疲れやすさを相談してもいいですか?
A. はい、目や肩が疲れやすいこと、長く座るのが不安なことも、見学のときに遠慮なくお話しください。ぽちぽちの道は週1日からの通所も相談でき、休憩の取り方や作業の流れは見学のときにご案内します。LINEからの相談も受け付けています。
まとめ
パソコン作業の疲れ対策は、1時間以内で作業を区切ること、画面・照明・椅子を体に合わせること、ときどき立って姿勢を変えることが基本です。症状が続くときは医療機関や主治医に相談し、B型事業所で作業する場合は、休憩や環境の調整を相談できるかを見学で確かめましょう。
パソコン作業を中心にした日中の過ごし方が気になったら、ぽちぽちの道にご相談ください。見学だけでも大丈夫です。通所にかかるお金や使える制度を知りたい方は「障害のある方のお金と制度 総まとめ」から探せます。
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

