グループホームから一人暮らしへ|サテライト型とB型通所で段階的に進める

グループホームから一人暮らしへ|サテライト型とB型通所で段階的に進める

「グループホームで暮らしているけれど、いつかは一人暮らしをしてみたい」。そう考える障害者本人やご家族に向けて、グループホームから一人暮らしへ段階的に移る道筋をまとめました。サテライト型グループホームの仕組み、退居後に使える支援、日中のB型通所を続ける考え方まで整理しています。

  • 見学だけでもOK
  • その場で決めなくてOK
  • ご家族・支援者と参加OK

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目次

グループホームから一人暮らしへは、段階を踏んで移れます

グループホームから一人暮らしへは、支援の距離を少しずつ広げながら段階的に移ることができます。本体住居からサテライト型住居へ、そこから一般の住宅へという進め方が制度上も用意されています。日中に通うB型事業所は住まいとは別のサービスなので、住まいだけを変えて通い先は続けるという選び方も考えられます。

  1. 本体住居で暮らす:職員が近くにいる環境で、食事・金銭管理・服薬などの生活リズムを整える
  2. サテライト型住居で暮らす:本体の近くの一人用の住まいで、支援を受けながら一人暮らしを試す
  3. 一般の住宅で暮らす:アパートなどに移り、自立生活援助などの地域生活を支える支援につながる

すべての方がこの順番をたどるわけではなく、本体住居から直接アパートへ移る方もいます。どの段階が合うかは、本人の希望をもとにグループホームの職員や相談支援専門員と一緒に決めていきます。実家など自宅から独立する場合の備えは「B型に通いながら一人暮らしはできる?」で整理しています。

サテライト型グループホームとは?一人暮らしに近い住まいの仕組み

サテライト型住居とは、グループホームの本体住居と密接に連携しながら、本体とは別の場所で一人で暮らす住まいのことです。共同生活よりも一人暮らしに近い生活を望む人のために、平成26年に創設されました。厚生労働省の「共同生活援助における運営や支援に関するガイドライン(第1版)」(令和8年2月)では、主に次の基準が示されています。

  • 定員は1人で、風呂・トイレ・洗面所・台所など日常生活に必要な設備を原則として備える
  • 居室の面積は、収納設備などを除いて7.43㎡以上
  • 本体住居との間を、通常の交通手段でおおむね20分以内で移動できる距離に置くことが基本

利用期間については、社会保障審議会障害者部会の資料「障害者の居住支援について③」(令和4年3月)で、原則3年以内に一般住宅へ移行する形態と説明されています。個別の事情で扱いが変わることもあるため、実際の期間はグループホームや市区町村の障害福祉窓口で確かめてください。

観点本体住居サテライト型住居一般の住宅
住まいのかたち共同生活住居の個室本体の近くの一人用の住まいアパートなど
支援の受け方職員が同じ建物や近くにいる巡回や連絡で支援を受ける自立生活援助などを利用
家事・金銭管理支援を受けながら取り組む自分でやる場面が増える基本は自分で行い、苦手な部分はサービスで補う
向いている段階生活リズムを整えたい一人暮らしを試したい地域で暮らしを続けたい

同じガイドラインでは、令和4年の障害者総合支援法の改正により、一人暮らし等を希望する利用者への支援や退居後の定着のための相談が、グループホーム(共同生活援助)の支援内容に含まれることが明確化されたと説明されています。共同生活援助の概要は、厚生労働省「障害福祉サービスの内容」でも確認できます。

一人暮らしを支えるのは「自立生活援助」と「地域定着支援」

グループホームを出たあとも、支援は途切れません。代表的なのが自立生活援助と地域定着支援で、どちらも利用には市区町村への申請が必要です。

自立生活援助とは、グループホームや施設、病院などから退所・退院した障害者等に、定期的な訪問や随時の対応で一人暮らしを支えるサービスのことです。 厚生労働省の資料「障害者の地域移行・地域生活を支えるサービスについて」では、標準利用期間は1年間とされています。

地域定着支援とは、居宅で単身で生活している障害者等に、常時の連絡体制を確保し、緊急時に必要な支援を行うサービスのことです。 同じ資料では、支給決定期間は1年間とされています。

精神障害のある方の場合は、通院や訪問看護など医療との連携も一人暮らしを続ける柱になります。組み合わせ方は主治医や相談支援専門員と話し合って決めていきます。サービスを提供する事業所は、WAM NET 障害福祉サービス等情報検索でも探せます。

一人暮らしへ移る前に確認したいポイント

移行を考え始めたら、「進め方」「お金」「生活の準備」の順に確認すると抜けを防げます。準備が足りない部分は、あきらめる理由ではなく、どの支援で補うかを話し合う材料になります。

移行までの進め方(一般的な例)

  1. グループホームの職員に一人暮らしの希望を伝え、個別支援計画の見直しを話し合う
  2. 必要に応じてサテライト型住居の利用を検討する
  3. 相談支援専門員と住まい探しを進め、退居後に使う支援を市区町村に相談・申請する
  4. 新しい住まいから、B型など日中の通い先への経路を確認する
  5. 引っ越し後もしばらくは支援者と様子を確認し、計画を見直す

お金の面で知っておきたいこと

グループホームにいる間に使えていた仕組みが、一人暮らしで変わる場合があります。厚生労働省「障害者の利用者負担」では次のように説明されています。

  • 家賃助成(補足給付):グループホーム利用者のうち生活保護または低所得の世帯が対象で、月1万円が上限です。一人暮らし後の家賃は別に計画を立てる必要があります。
  • 利用者負担の上限月額:生活保護世帯と市町村民税非課税世帯は0円、課税世帯で所得割16万円未満は9,300円、それ以外は37,200円です。グループホーム利用者は課税世帯の場合37,200円の区分になります。
  • 世帯の範囲:18歳以上の障害者は、本人とその配偶者で判断します。

これらは国が示す上限で、実際の負担は世帯の状況や年度、自治体の制度によって変わります。一人暮らし後の家賃や使える制度は、市区町村の障害福祉窓口と相談支援専門員に確認してください。

移行前のチェックリスト

  • [ ] 家事のうち、自分でできることとサポートがほしいことを分けている
  • [ ] 服薬や通院の管理をどこまで自分でできるか、支援者と確認している
  • [ ] 一人暮らし後の1か月の支出を、支援者と一緒に見積もっている
  • [ ] 夜間や休日に困ったときの連絡先が決まっている
  • [ ] 新しい住まいから日中の通い先まで無理なく通える

B型(日中活動)との接点|住まいを変えても通い先は続けやすい

就労継続支援B型は日中の活動の場で、住まいとは別のサービスです。そのため住まいが変わっても、通える範囲なら日中の通い先を変えずに続けられます。住まいが大きく変わる時期に、日中の居場所や顔なじみのスタッフが変わらないことは、生活の安定を支える要素になります。

  • 生活リズムの軸になる:決まった曜日に通うことで、起床や食事のリズムを保ちやすくなる
  • 変化に気づいてもらえる:通所の様子から体調や生活の変化に早めに気づき、支援者と共有するきっかけになる
  • 相談先が一つ増える:住まいの支援者とは別に、日中に話せる相手がいる

気をつけたいのは、引っ越し先から通所先までの距離と経路です。住まい探しの段階で「今のB型に通えるか」を条件に入れておくと安心です。住所が変わる場合の受給者証などの手続きは、市区町村の障害福祉窓口で確認してください。グループホームでの日中の過ごし方は「グループホームでの過ごし方」、制度の全体像は「障害者のグループホームとは」、住まいとB型を組み合わせる考え方は「グループホームとB型を組み合わせるという選択」で紹介しています。

ぽちぽちの道の場合(住まいが変わる時期の、日中の居場所として)

住まいを移す時期は、生活のさまざまなことが同時に変わります。ぽちぽちの道は、そうした時期の「日中の居場所」の相談を受けています。

ぽちぽちの道は就労継続支援B型の事業所で、グループホームは運営していません。グループホームやサテライト型住居の紹介・あっせんも行っていないため、住まいや退居の相談は、相談支援専門員やお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口にお願いします。そのうえで、日中の活動の場としてのB型の見学・相談を受け付けています。

東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分の、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。送迎は行っていませんが、駅から近いので新しい住まいからの通い方を組み立てやすく、見学の際に一緒に確認できます。作業内容はデータ入力、Canvaでの画像づくり、生成AIを使った文章・調査・画像づくり、SNS投稿づくりなどが中心です。

パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しています。週1日からの通所も相談できるので、引っ越し直後の落ち着かない時期は少ない日数から始められます。昼食はお弁当(実費)を用意できます。工賃については見学時にご案内します。見学やLINEでの相談から、質問だけでも大丈夫です。

グループホームから一人暮らしへの移行についてよくある質問

Q. サテライト型グループホームには、どのくらいの期間住めますか?
A. 厚生労働省の障害者部会の資料では、原則3年以内に一般住宅へ移行する形態と説明されています。扱いは本人の状況で変わることもあるため、実際の期間はグループホームや市区町村の障害福祉窓口で確認してください。

Q. グループホームを出て一人暮らしを始めたら、どんな支援を受けられますか?
A. 訪問で暮らしを支える「自立生活援助」と、常時の連絡体制で緊急時に対応する「地域定着支援」が代表的です。自立生活援助の標準利用期間は1年間とされています。家事の支援が必要なら居宅介護(ヘルパー)を組み合わせることもあり、利用には市区町村への申請が必要です。

Q. 精神障害があってグループホームで暮らしています。一人暮らしに移るタイミングは誰と決めればいいですか?
A. 本人の希望を中心に、グループホームの職員、相談支援専門員、主治医などと話し合って決めるのが一般的です。グループホームでは個別支援会議で希望を共有し、個別支援計画を見直す流れが想定されています。

Q. グループホームから一人暮らしに移ると、家賃の補助はどうなりますか?
A. 補足給付(月1万円が上限)はグループホーム利用者を対象とした家賃助成なので、一人暮らし後は家賃の計画を立て直す必要があります。自治体によって使える制度が異なるため、市区町村の障害福祉窓口に相談してください。

Q. グループホームから一人暮らしに移っても、今のB型事業所に通い続けられますか?
A. B型は住まいとは別のサービスなので、新しい住まいから通える範囲なら同じ事業所に通い続けられます。住まい探しの段階で通所先までの経路を条件に入れておくと安心です。住所変更の手続きは市区町村の障害福祉窓口で確認してください。

まとめ

グループホームから一人暮らしへは、本体住居、サテライト型住居、一般の住宅と、支援の距離を広げながら段階的に移れます。退居後も自立生活援助や地域定着支援があり、B型通所を続ければ生活リズムの軸を保ちやすくなります。家賃や利用者負担の扱いは住まいで変わるため、個別の判断は相談支援専門員と市区町村の窓口で確認してください。

ぽちぽちの道は、住まいが変わる時期の日中の過ごし方も一緒に考える、志木駅徒歩2分のB型事業所です。LINEでの相談からでも大丈夫です。お金と制度の全体像は「障害のある方のお金と制度 総まとめ」、将来の備えは「親なき後に備える」、事業所選びは「B型事業所の選び方チェックリスト」も参考にしてください。


  • 見学だけでもOK
  • その場で決めなくてOK
  • ご家族・支援者と参加OK

何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ

まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

お電話でのご相談もお待ちしております

050-3646-8350

受付時間:月〜土 9:30〜18:30


監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

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