「相談支援専門員から日中サービス支援型のグループホームを勧められた」「日中も支援があるなら、今のB型には通えなくなるの?」と迷っている本人・ご家族・相談支援員の方へ。この記事では、日中サービス支援型共同生活援助のしくみと対象者、ほかの類型との違い、B型など日中活動との併用の考え方を、厚生労働省の資料をもとに整理します。
日中サービス支援型共同生活援助とは?昼夜を通じて支援を受けられるグループホーム
日中サービス支援型共同生活援助とは、障害の重度化や高齢化に対応するため、日中も含めて常時の支援体制をとるグループホームの類型のことです。平成30年度(2018年度)の障害福祉サービス等報酬改定で新しく創設されました。
厚生労働省の「共同生活援助における運営や支援に関するガイドライン(第1版)」(令和8年2月)では、重度の障害者に日中も含めた常時の支援体制を確保し、短期入所を併設して地域の緊急時の宿泊の場も担う類型と説明されています。
先に結論を3点にまとめます。
- 昼間もホームに職員がいる:日中にホームで過ごす人も支援を受けられる
- B型などへの通所は妨げられない:厚生労働省は、利用者が他の日中活動サービスを使うことを妨げない仕組みとしている
- 障害支援区分の高低による利用制限はない:区分の認定を受ける手続きは必要で、常時の支援が必要な人の暮らしの場として想定された類型である
日中サービス支援型のしくみ|定員・職員体制・短期入所の併設
日中サービス支援型は、ほかの類型より職員の配置が手厚く、1つの建物に最大20名まで入居できる点と、短期入所の併設が必須である点が大きな特徴です。住まいの単位は少人数のまま保ちつつ、重度の人への支援を集めて行えるように設計されています。
厚生労働省「平成30年度障害福祉サービス等報酬改定における主な改定内容」と前述のガイドラインをもとに、グループホームの3類型を比べると次のとおりです。
| 観点 | 日中サービス支援型 | 介護サービス包括型 | 外部サービス利用型 |
|---|---|---|---|
| 介護の提供 | ホームの生活支援員が常時提供 | ホームの生活支援員が提供 | 外部の居宅介護事業者に委託 |
| 世話人の配置基準 | 利用者数を5で割った数以上 | 利用者数を6で割った数以上 | 利用者数を6で割った数以上 |
| 夜間の職員 | 住居ごとに1人以上の配置が必要 | 必須ではなく体制は事業所ごと | 必須ではなく体制は事業所ごと |
| 入居の規模 | 1つの建物に20名まで(住まいの単位は2〜10人) | 住まいの単位は原則2〜10人 | 住まいの単位は原則2〜10人 |
| 短期入所 | 1〜5人分の併設が必須 | 併設の義務なし | 併設の義務なし |
類型全体の違いやサテライト型住居については、ハブ記事「障害者グループホームとは」でくわしく整理しています。
地域とのつながりを確かめるしくみ
日中サービス支援型の事業者は、市区町村などが設置する協議会に定期的に活動状況を報告し、評価や助言を受けることが基準で定められています。東京都福祉局が掲載している資料「重度の障害者への支援を可能とするグループホームの新たな類型の創設(日中サービス支援型)」では、この報告は年1回以上とされています。
対象になる人と入居の条件
日中サービス支援型の対象は、グループホームのほかの類型と同じく、障害支援区分にかかわらず利用できます。身体障害のある人は、65歳未満か、65歳になる前日までに障害福祉サービスなどを利用したことがある人に限られます。
一方で、埼玉県川口市の「日中サービス支援型共同生活援助について」では、日中サービスを利用できない方や常時介護が必要な方の暮らしの場として想定されたサービス体系と説明されています。区分の制限はなくても、ホームが受け入れ方針を持っていることがあるため、入居できるかどうかは各ホームと相談支援専門員に確かめてください。
費用と利用者負担の上限
日中サービス支援型でも、費用は家賃・食費・水道光熱費などの実費と、サービスの利用者負担の合計です。厚生労働省「障害者の利用者負担」では、グループホーム利用者の負担上限月額は、生活保護世帯と市町村民税非課税世帯が0円、課税世帯が37,200円とされています。
同じページでは、生活保護または低所得の世帯のグループホーム利用者に、家賃を対象として月額1万円を上限とする補足給付があることも示されています。実費はホームによって異なり、制度の扱いも年度や自治体で変わる場合があります。個別の負担額は、市区町村の障害福祉担当窓口と入居先のホームで確認してください。
日中サービス支援型を勧められたときに確認したいポイント
日中サービス支援型を勧められたら、「なぜこの類型が合うと考えたのか」と「日中をどう過ごす想定か」の2点を、まず相談支援専門員に聞いてみてください。この2点が分かると、本人の希望とずれていないかを判断しやすくなります。
見学や相談の前に、次のチェックリストを手元に置いておくと話が進めやすくなります。
- 日中サービス支援型を勧めた理由(介護の量、夜間の不安、医療的な配慮など)
- 今通っているB型や生活介護に、入居後も通い続ける想定になっているか
- 通所しない日の昼間、ホームでどんな支援や過ごし方があるか
- 夜間の職員体制と、体調が急に悪くなったときの対応
- 家賃・食費など毎月の実費の内訳を書面で受け取れるか
- ホームからB型などの通い先まで、無理なく移動できるか
候補となるホームは、相談支援専門員や市区町村の窓口に聞くほか、WAM NET 障害福祉サービス等情報検索でも地域ごとに調べられます。空き状況は時期によって変わるため、気になるホームには直接問い合わせてください。
B型(日中活動)との接点|日中サービス支援型でも通所の道は開かれている
日中サービス支援型のグループホームに住みながら、B型などの日中活動サービスに通う道は、制度上閉ざされていません。厚生労働省の平成30年度報酬改定の資料では、日中サービス支援型の報酬について「利用者が他の日中活動サービスを利用することを妨げることがないような仕組み」とすることが示されています。
就労継続支援B型とは、雇用契約を結ばずに自分のペースで作業し、工賃を受け取れる日中活動のサービスのことです。住まいはグループホーム、日中はB型という組み合わせ自体は、類型にかかわらず考えられます。詳しくは「グループホームとB型を組み合わせるという選択」で紹介しています。
ただし、日中サービス支援型は、日中活動に通うのが難しい人も想定した類型です。そのため、B型の支給決定が出るか、週に何日通うのが無理のない範囲かは、本人の体調や介護の必要度、ホームの個別支援計画、市区町村の判断によって変わります。「通えるかどうか」を一律に決めつけず、相談支援専門員を中心にホームと通い先で話し合うことが大切です。
日中の通い先はB型だけではなく、介護が必要なら生活介護、居場所づくりが目的なら地域活動支援センターも候補になります。地域活動支援センターとの違いは「地域活動支援センターとB型の違い」、日中活動を含むサービス全体は「障害福祉サービス一覧」で確認できます。ホームでの1日の流れは「グループホームでの過ごし方」も参考になります。
ぽちぽちの道の場合(日中サービス支援型から日中に通う先として)
日中も支援のあるホームで暮らしていても、「週に何日かは外で作業をしたい」という希望は大切にしたいものです。ぽちぽちの道は就労継続支援B型の事業所で、グループホームの運営は行っておらず、グループホームの紹介やあっせんもしていません。住まいのご相談は、相談支援専門員やお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口にお願いします。
私たちが受けられるのは、日中の通い先としての見学やご相談です。ぽちぽちの道はIT・パソコン作業に特化したB型事業所で、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にあります。送迎は行っていないため、ホームから駅までの移動手段もあわせて検討してください。
作業はパソコン中心で、データ入力、Canvaでの画像づくり、生成AIを使った文章づくりや調べ物、SNS投稿づくりなどに取り組みます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、スタッフがそばでサポートします。週1日からの通所もご相談いただけるので、ホームでの生活リズムを崩さない範囲で始められます。昼食はお弁当(実費)を用意できます。工賃については見学時にご案内します。
「週に何日なら通えそうか」といったご相談も、見学の場で一緒に考えます。見学が不安な方は、LINEでの相談や見学の申し込みから始めてください。質問だけでも大丈夫です。
日中サービス支援型グループホームについてよくある質問
Q. 日中サービス支援型グループホームに入ると、今通っているB型はやめることになりますか?
A. やめなければならないという決まりはありません。厚生労働省は、日中サービス支援型の利用者が他の日中活動サービスを使うことを妨げない仕組みとしています。通い続けられるかは、本人の状態や支給決定、ホームの支援計画によって変わるため、相談支援専門員と市区町村の窓口で確認してください。
Q. 日中サービス支援型と介護サービス包括型のグループホームは、何が一番違いますか?
A. 一番の違いは、昼夜を通じた常時の支援体制が基準になっているかどうかです。日中サービス支援型は住居ごとに夜間の職員を置く必要があり、世話人の配置も手厚く、短期入所の併設も必須です。介護サービス包括型は、ホームの職員が介護を行う点は同じですが、常時の体制までは求められていません。
Q. 障害支援区分が低くても、日中サービス支援型グループホームに入居できますか?
A. 制度上は、障害支援区分による利用制限はありません。ただし、常時の支援が必要な人の暮らしの場として想定された類型のため、ホームごとに受け入れ方針があります。入居できるかどうかは、希望するホームと相談支援専門員に確かめてください。
Q. 日中サービス支援型グループホームで、B型に行かない日の昼間はどう過ごしますか?
A. 通所しない日は、ホームの職員の支援を受けながら住まいで過ごします。東京都の資料では、外出や余暇活動など社会生活上の支援を行うことが示されています。具体的な過ごし方はホームによって異なるので、見学のときに1日の流れを聞いておくと安心です。
Q. 日中サービス支援型グループホームに併設の短期入所は、どんなときに使うものですか?
A. 地域で暮らす障害のある人が、緊急時に一時的な宿泊先を必要とするときの受け入れ先として位置づけられています。入居者向けの部屋とは別の枠です。利用には障害福祉サービスとしての手続きが必要なため、空きや条件は事業所と市区町村の窓口に確認してください。
まとめ
日中サービス支援型共同生活援助は、昼夜を通じた支援体制と短期入所の併設を特徴とするグループホームの類型で、障害支援区分による利用制限はありません。厚生労働省は他の日中活動サービスの利用を妨げない仕組みとしており、住みながらB型に通う道も閉ざされていません。通所の可否や日数は、相談支援専門員・市区町村の窓口・ホームと相談して決めてください。
ぽちぽちの道は、志木駅徒歩2分、週1日から通い方を相談できるB型事業所です。日中の通い先を考え始めたら、見学だけでも大丈夫です。LINEでのご相談もお気軽にどうぞ。事業所選びの観点は「B型事業所の選び方チェックリスト」にまとめています。
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

