受給者証やサービス等利用計画に「共同生活援助」と書かれていて、何のことか分からず戸惑った方へ。共同生活援助とは、障害のある方のグループホームを指す制度上の名前です。この記事では、受給者証の欄の読み方、申請から支給決定までの流れ、入居前の体験利用の仕組みを、厚生労働省の資料をもとに整理します。日中の過ごし方の相談先として、志木駅徒歩2分のB型事業所「ぽちぽちの道」の立ち位置も紹介します。
共同生活援助とは、グループホームの制度上の名前です
共同生活援助とは、障害のある方が主に夜間、共同生活を送る住居で、相談や入浴・排せつ・食事の介護などの日常生活上の援助を受ける障害福祉サービスのことです。ふだん「グループホーム」と呼ばれているものは、法律や受給者証の上ではこの「共同生活援助」という名前で書かれます。呼び方が違うだけで、別のサービスではありません。
制度の定義は、厚生労働省「障害福祉サービスの内容」に載っています。押さえておきたい点は次の3つです。
- 呼び名の違い:「グループホーム」は通称で、受給者証・計画書・自治体の書類では「共同生活援助」と書かれる
- 使うには支給決定が必要:お住まいの市区町村に申請し、支給決定を受けて受給者証に記載されてから利用する
- 入居前に体験利用ができる:本入居の前に、体験として短期間暮らしてみる仕組みが制度の中に用意されている
グループホームの種類や暮らしの全体像は、ハブ記事「障害者グループホームとは」でまとめています。この記事では、書類に出てくる制度名と手続きの流れに絞って説明します。
受給者証の「共同生活援助」欄で分かること
受給者証に「共同生活援助」と書かれていれば、市区町村がグループホームの利用を認めた(支給決定をした)という意味です。受給者証の支給決定の欄には、サービスの種類ごとに、使える量と期間が記載されます。
障害福祉サービス受給者証とは、市区町村が支給決定したサービスの種類・量・期間などを記載して交付する証明書のことです。障害者手帳とは別のもので、事業所と契約するときに提示します。記載の考え方は、厚生労働省の「介護給付費等に係る支給決定事務等の事務処理要領」に沿っています。
| 受給者証の項目 | 共同生活援助の場合の意味 |
|---|---|
| サービス種別 | 「共同生活援助」と記載される。B型など他のサービスも使う場合は、種類ごとに分けて記載される |
| 支給量 | 本入居では「当該月の日数/月」が基本。体験利用では必要な日数を定め、連続して使える日数と年間で使える日数が書かれる |
| 支給決定期間 | 本入居は基本的に最長3年間。体験利用は最長1年間 |
| 負担上限月額 | 世帯の所得に応じて決まる、1か月あたりの利用者負担の上限 |
家賃や食費はこの利用者負担とは別にかかります。利用者負担の区分は厚生労働省「障害者の利用者負担」で公開されています。グループホームの家賃補助については「グループホームの家賃補助・自己負担上限」で整理しています。金額は自治体・世帯・年度によって変わるため、ご自身の負担額は相談支援専門員や市区町村の窓口で確認してください。
期間が終わる前の更新手続きは「障害福祉サービス受給者証の更新」で紹介しています。
申請から支給決定までの流れ
共同生活援助の手続きは、相談、申請、調査と計画案の提出、支給決定、事業所との契約の順に進むのが基本です。入浴・排せつ・食事などの介護を受けたいかどうかで、障害支援区分の認定調査が必要になるかが変わります。
厚生労働省「サービスの利用手続き」と事務処理要領をもとに、一般的な順番をまとめました。
- 相談する:市区町村の障害福祉担当窓口か、相談支援事業所の相談支援専門員に「グループホームで暮らしたい」と伝える
- 申請する:市区町村に支給申請をする。申請書には、希望する事業所の種類と、介護を受けたいかどうかを書く欄がある
- 認定調査を受ける(必要な場合):介護を伴う利用や日中サービス支援型を希望する場合は、障害支援区分の認定を受ける
- サービス等利用計画案を出す:相談支援専門員が本人の希望を聞き取り、計画案を作って市区町村に提出する
- 支給決定・受給者証の交付:市区町村が支給決定をし、受給者証に「共同生活援助」が記載される
- 事業所と契約して利用開始:入居するグループホームと契約し、暮らしを始める
申請書の内容は認定調査や聞き取りで詳しく確認されるので、申請の時点で細かく決まっていなくても大丈夫です。介護を希望しない場合は、障害支援区分の認定が必ずしも必要ではありませんが、最終的には本人の状況をふまえて市区町村が判断します。
対象者は障害のある方ですが、身体障害のある方は、65歳未満の方か、65歳になる前日までに障害福祉サービスなどを利用したことがある方に限られます。相談支援専門員の役割は「相談支援員の方へ|B型事業所を紹介するとき」でも紹介しています。
共同生活援助の体験利用とは
共同生活援助の体験利用とは、本格的に入居する前に、グループホームで一定期間暮らしてみるための仕組みのことです。体験利用にも市区町村の支給決定が必要で、支給決定期間は最長1年間、利用できる日数は年50日以内と定められています。
受給者証には、連続して使える日数と年間で使える日数が記載されるので、実際の日数は記載で確かめてください。
体験利用で確かめておきたいのは、次のような点です。
- 夜の過ごし方:夕食から就寝までの流れ、夜間に困ったときの連絡方法
- 朝の準備:起床から出かけるまでの時間に無理がないか
- 共用部分の使い方:浴室・洗濯・台所の順番やルール
- 日中の通い先までの道のり:グループホームから通所先まで、実際に移動してみる
なお、体験利用は「暫定支給決定」とは別のものです。暫定支給決定は、自立訓練や就労移行支援などで試しに利用してから正式に決める仕組みで、共同生活援助や就労継続支援B型は対象から外れています。
見学・利用の前に確認したいポイント
グループホームの利用を考え始めたら、受給者証の記載と、住まい以外の生活の組み立てを先に確認しておくと、手続きがスムーズに進みます。書類の言葉が分からないまま進めず、分からない点はその都度たずねて大丈夫です。
確認のチェックリストです。
- 受給者証にすでに「共同生活援助」の記載があるか、これから申請が必要か
- 介護を受けたいかどうか(障害支援区分の認定が必要になるか)
- 体験利用をしたいか、その場合の日数の見込み
- 支給決定期間はいつまでか、更新の時期はいつ頃か
- 家賃・食費・水道光熱費など、利用者負担以外にかかる費用の説明を受けたか
- 平日の日中をどこで過ごすか(B型・生活介護など)が決まっているか
- グループホームから日中の通い先まで、無理なく移動できるか
空き状況や見学の受け付けは事業所ごとに違うため、候補探しは相談支援専門員や市区町村の障害福祉担当窓口と一緒に進めてください。志木市にお住まいの方は、市が公開している「障がい福祉制度のてびき」で窓口と制度の一覧を確認できます。障害福祉サービス全体の種類は「障害福祉サービス一覧」で見られます。
B型(日中活動)との接点|住まいとは別に日中の支給決定を受けます
グループホームで暮らす方が平日の日中に就労継続支援B型へ通うときは、共同生活援助とは別に、B型の支給決定を受けます。受給者証には、サービスの種類ごとにそれぞれの支給量と期間が記載されます。
事務処理要領では、昼夜を通じて支援する日中サービス支援型のグループホームに住む方でも、本人の意向などをふまえて日中活動のサービスを支給決定できるとされています。
住まいと日中の通い先を同時に探すときは、相談支援専門員がサービス等利用計画の中で両方を組み立てます。B型を利用するまでの手順は「就労継続支援B型の利用までの流れ」で詳しく紹介しています。グループホームの申請と並行して、日中の通い先の見学を進めておくと、入居後の生活リズムを思い描きやすくなります。
ぽちぽちの道の場合
住まいの手続きが進み始めると、次に気になるのが「平日の昼間をどこで過ごすか」です。ぽちぽちの道は就労継続支援B型の事業所で、グループホーム(共同生活援助)の運営や、グループホームの紹介・あっせんは行っていません。住まい探しは相談支援専門員や市区町村の窓口にお任せし、ぽちぽちの道では日中活動(B型)の見学・相談をお受けしています。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。駅から近いので、グループホームから電車で通う場合も道のりを確かめやすい立地です。送迎は行っていないため、見学のときに実際の通い方を一緒に確認します。
作業内容はパソコン作業が中心です。データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物、SNS投稿づくりなどに取り組んでいます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、スタッフと生成AIがサポートします。
週1日からの通所も相談できるので、グループホームの体験利用や入居直後で生活が落ち着かない時期は、少ない日数から始める方法もあります。昼食はお弁当(実費)を用意できます。工賃については見学時にご案内します。
「グループホームの手続きと並行して、日中の通い先も見ておきたい」という段階でも大丈夫です。見学やLINEでの相談を受け付けています。まずは質問だけでも気軽にお送りください。
共同生活援助についてよくある質問
Q. 共同生活援助とグループホームは同じものですか?
A. はい、同じサービスを指しています。「グループホーム」は通称で、法律や受給者証、サービス等利用計画では「共同生活援助」という名前で書かれます。書類でこの言葉を見たら、グループホームのことだと考えて大丈夫です。
Q. 受給者証に「共同生活援助」と書いてあるのは、どういう意味ですか?
A. 市区町村がグループホームの利用について支給決定をした、という意味です。あわせて支給量と支給決定期間が記載されているので、いつまで使えるかを確認しておきましょう。体験利用の場合は、連続して使える日数と年間で使える日数も書かれます。
Q. 共同生活援助の体験利用は、年に何日まで使えますか?
A. 厚生労働省の事務処理要領では、体験利用は年50日以内の利用制限があり、支給決定期間は最長1年間とされています。実際に使える日数は受給者証に記載されるので、記載を確認してください。個別の日数の判断は、相談支援専門員や市区町村の窓口に相談しましょう。
Q. 共同生活援助を使うのに、障害支援区分の認定は必ず必要ですか?
A. 必ず必要とは限りません。入浴・排せつ・食事などの介護を希望しない場合は、認定手続きが必ずしも要らないとされています。ただし、日中サービス支援型を希望する場合は認定が必要で、最終的には本人の状況をふまえて市区町村が判断します。
Q. 共同生活援助の支給決定期間が終わったら、グループホームを出ないといけませんか?
A. 期間が終わる前に、あらためて申請して支給決定を受け直せば、引き続き利用できます。更新の時期が近づいたら、相談支援専門員と一緒に手続きを進めるのが一般的です。期限を過ぎないよう、受給者証の支給決定期間を早めに確認しておきましょう。
まとめ
共同生活援助とは、グループホームの制度上の名前です。利用には市区町村の支給決定が必要で、受給者証には種類・支給量・支給決定期間が記載されます。入居前の体験利用は年50日以内・最長1年間の支給決定で使えます。日中にB型などへ通うときは、住まいとは別に日中活動の支給決定を受けます。
手続きの判断は相談支援専門員や市区町村の窓口で確認しながら進めてください。日中の過ごし方を考え始めたら、LINEでの相談や見学から始められます。見学だけでも大丈夫です。制度の基本をまとめて確認したい方は「B型事業所の選び方チェックリスト」もあわせてご覧ください。
運営:ぽちぽちの道(株式会社イチドキリ)
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

