障害年金がもらえる条件|3つの要件と「もらえない人」のパターン

障害年金がもらえる条件|3つの要件と「もらえない人」のパターン

「障害年金は、どんな条件なら受け取れるの?」「自分はもらえない人に当てはまるのでは」と不安な本人・ご家族へ。障害年金がもらえる条件は、日本年金機構が示す3つの受給要件で決まります。この記事では、3つの要件を番号リストで確認し、そこから「もらえない人」のパターンを整理します。年金の個別の判断は、年金事務所や社会保険労務士に相談してください。

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障害年金がもらえる条件は、初診日・障害の状態・保険料の納付の3つです

障害年金を受け取るには、日本年金機構が示す3つの受給要件をすべて満たす必要があります。1つでも満たさなければ支給されないため、「もらえない人」のパターンも、どの要件に当てはまらないかで整理できます。

  • 初診日の要件:障害の原因になった病気やけがで初めて医師の診療を受けた日(初診日)が、国民年金の加入期間中や20歳前などの期間にあること
  • 障害の状態の要件:障害認定日などに、障害等級表の等級(障害基礎年金は1級・2級)に当てはまること
  • 保険料の納付要件:初診日の前日の時点で、保険料を納めた期間と免除された期間が一定以上あること

障害者手帳を持っていることは、この3つに含まれていません。要件を満たしているか、どの等級になるかは、診断書などをもとにした個別の審査で決まります。

障害年金の受給要件を番号リストで確認します

障害年金とは、病気やけがで生活や仕事などが制限されるようになったときに、現役世代の人も受け取れる可能性がある公的年金です。日本年金機構「障害年金」によると、初めて医師の診療を受けたときに国民年金に加入していた場合は障害基礎年金、厚生年金に加入していた場合は障害厚生年金を請求できます。

障害基礎年金の受給要件(日本年金機構・令和8年4月1日更新のページ)

日本年金機構「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」では、次の1から3のすべてを満たしているときに障害基礎年金が支給されるとしています。

  1. 初診日の要件:障害の原因になった病気やけがの初診日が、国民年金の加入期間中、または20歳前や60歳以上65歳未満で日本国内に住み年金制度に加入していない期間にあること
  2. 障害の状態:障害認定日(障害認定日以後に20歳になったときは20歳に達した日)に、障害等級表の1級または2級に当てはまること
  3. 保険料の納付要件:初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あること。初診日が令和18年3月末日までにあり、初診日に65歳未満であれば、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの直近1年間に未納がないことでもよい(20歳前の年金に加入していない期間に初診日がある場合は納付要件はない)

日本年金機構の「障害年金ガイド 令和8年度版」では、1の期間について、老齢基礎年金を繰り上げて受給している方を除くと注記されています。

初診日・障害認定日・障害等級の意味

要件に出てくる3つの言葉は、次のように定められています。

言葉意味
初診日障害の原因となった病気やけがについて、初めて医師または歯科医師の診療を受けた日。病院を変えた場合は、いちばん初めに診療を受けた日
障害認定日障害の程度を認定する日。原則として初診日から1年6か月を過ぎた日、またはそれより前に病気やけがが治った日(症状が固定した日を含む)
障害等級法令で定める障害の程度。障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1級から3級

定義は日本年金機構の年金用語集「初診日」「障害認定日」と「障害等級表」によります。障害認定日には、人工透析を始めてから3か月を過ぎた日など、1年6か月より前になる例外も用語集に挙げられています。

障害厚生年金では「3級」と一時金がある

日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」では、厚生年金保険の被保険者である間に初診日があり、障害認定日に1級から3級のいずれかに当てはまり、納付要件を満たすときに障害厚生年金が支給されるとしています。初診日から5年以内に病気やけがが治り、障害厚生年金を受けるより軽い障害が残ったときは、障害手当金(一時金)の制度もあります。初診日に加入していた制度でどう変わるかは「障害基礎年金と障害厚生年金の違い」で整理しています。

「もらえない人」のパターンは、3つの要件のどれに当たるかで整理できます

「障害年金をもらえない人」という決まった区分があるわけではありません。日本年金機構の資料で確認できる範囲では、主に次のようなパターンがあり、それぞれが受給要件や支給のルールと結びついています。

パターン関係する要件・ルール確認したいこと
初診日が確認できない初診日の要件初診の医療機関と、初診日を示す書類
初診日の前日の時点で納付要件を満たさない保険料の納付要件初診日より前の納付・免除の記録
まだ障害認定日を迎えていない障害の状態の要件(請求の時期)初診日から1年6か月を過ぎたか
障害等級に当てはまらない障害の状態の要件初診日の加入制度(3級や障害手当金の対象か)
20歳前傷病で、前年の所得が基準を超える所得による支給制限前年の所得額と扶養親族の数

どのパターンに近いかは、書類を見ながら専門の窓口で確かめるのが確実です。以下で1つずつ説明します。

初診日が確認できないとき

初診日は、加入していた年金制度と納付要件の判定の基準日になるため、3つの要件の起点といえます。障害年金ガイド令和8年度版では、初診時の医療機関の証明が得られない場合でも、初診日を合理的に推定できるような一定の書類により、本人の申し立てた日が初診日と認められる場合があると案内されています。どの書類が使えるかは個別に判断されるため、年金事務所に相談してください。関係する様式は「障害年金の申請を自分でする方法」で紹介しています。

保険料の納付要件を満たさないとき

納付要件は「初診日の前日において」判定されます。そのため、未納の期間があるかどうかは、初診日より前の記録で確認することになります。保険料の免除を受けた期間は、納めた期間とあわせて数えられます。20歳前で年金制度に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。ご自身の納付状況は年金事務所で確認できます。

まだ障害認定日を迎えていないとき

障害の状態は、原則として障害認定日に判断されます。精神の障害について、1年6か月より早くなる例外は用語集に挙げられていないため、精神の障害では原則として初診日から1年6か月を過ぎた日が目安になります。障害認定日の時点で障害の状態にあるときは、障害認定日の翌月分から受け取る形になり、さかのぼって受け取れるのは時効により5年分が限度です。

障害等級に当てはまらないとき

障害基礎年金は1級と2級だけで、3級は厚生年金保険のみにある等級です。そのため、初診日に国民年金に加入していた人は、2級に当てはまらない場合は障害基礎年金の対象になりません。障害厚生年金の3級については「障害年金3級」で説明しています。

障害認定日に等級に当てはまらなかった人でも、その後に症状が重くなったときは、請求日の翌月分から障害年金を受け取れる「事後重症による請求」の制度があります。この請求書は65歳の誕生日の前々日までに提出する必要があり、さかのぼって受け取ることはできません。

20歳前傷病で所得による支給停止があるとき

20歳前に初診日がある障害基礎年金は、年金の加入を要件としていないため、本人の前年の所得による支給制限があります。日本年金機構「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」(2026年4月1日更新)では、前年の所得額が4,794,000円を超える場合は全額、3,761,000円を超える場合は2分の1が支給停止となり、扶養親族がいると所得制限額が加算されます。支給停止の期間は10月から翌年9月までです。

この金額は、障害年金ガイド令和8年度版で「令和8年4月時点における扶養親族等がいない場合の前年所得額」とされており、年収ではなく所得額の基準です。この制限は20歳前傷病による障害基礎年金だけのもので、国民年金加入中に初診日がある障害基礎年金や障害厚生年金にはありません。B型の工賃との関係は「障害年金とB型は両立できる?」で紹介しています。

精神の障害で「もらえない」と言われるのはなぜ?病名だけでは決まりません

精神の障害の障害年金は、病名だけで対象になるかどうかが決まるしくみではありません。日本年金機構が公開している「障害認定基準 第8節 精神の障害」では、原因、諸症状、治療と病状の経過、具体的な日常生活の状況などから総合的に認定するとされています。

認定基準の区分と、原則として対象にならないもの

認定基準では、精神の障害を「統合失調症、統合失調症型障害及び妄想性障害」「気分(感情)障害」「症状性を含む器質性精神障害」「てんかん」「知的障害」「発達障害」に区分しています。そのうえで、人格障害は原則として認定の対象にならず、神経症も症状が長く続き一見重症であっても原則として対象にならないとしています。ただし神経症でも、臨床症状から判断して精神病の病態を示しているものは、統合失調症または気分(感情)障害に準じて扱われます。

認定基準に書かれているのはこうした区分名で、個別の診断名ごとに対象かどうかが並んでいるわけではありません。ご自身の診断名がどう扱われるかは、主治医や年金事務所、社会保険労務士に確認してください。うつ病や発達障害については「うつ病と障害年金」「発達障害と障害年金」で整理しています。

等級は目安と総合評価で判断され、働いていることの見方も示されています

日本年金機構「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」(平成28年9月1日実施)では、診断書の「日常生活能力の判定」と「日常生活能力の程度」を組み合わせた目安を参考にしつつ、現在の病状、療養状況、生活環境、就労状況などを考えて総合的に判定するとされています。目安と異なる等級になることもあると書かれています。

働いている人について、認定基準は、働いていることをもって直ちに日常生活能力が向上したとは捉えず、仕事の内容や職場で受けている援助などを確認して判断するとしています。ガイドラインでは、就労継続支援A型・B型などでの就労は「1級または2級の可能性を検討する」要素として例示されていますが、その等級になるという意味ではありません。

精神の障害で「もらえない」と言われやすい背景として、一次情報から言えるのは、初診日を書類で確かめる必要があること、年金用の診断書や病歴・就労状況等申立書で日常生活の状況を伝える必要があること、等級が総合評価で決まることの3点です。精神の障害年金の全体像は「精神障害の障害年金」にまとめています。

障害者手帳がなくても、障害年金は請求できます

障害年金の受給要件は、初診日、障害の状態、保険料の納付の3つで、障害者手帳を持っていることは含まれていません。手帳がない段階でも、請求の手続きはできます。

等級の基準も手帳とは別です。日本年金機構の障害等級表には、年金の等級は身体障害者手帳の等級とは異なると明記されています。精神障害者保健福祉手帳についても、年金は年金の基準で判断されるため、手帳の等級で年金の等級が決まることはありません。詳しくは「障害者手帳と障害年金の関係」で紹介しています。

請求を考える前に確認したいチェックリスト

相談の前に次の点を整理しておくと、窓口での話が進みやすくなります。分からない項目があっても、そのまま相談して大丈夫です。

  • 障害の原因になった病気やけがで、初めて受診した医療機関と日付(初診日)
  • 初診日に加入していた年金制度は、国民年金か厚生年金か、それとも20歳前か
  • 初診日より前に、保険料の未納の期間がないか(年金事務所で確認できる)
  • 初診日から1年6か月を過ぎているか
  • 現在の日常生活や仕事で、どんな場面に助けが必要か(主治医に伝える内容)
  • 20歳前に初診日がある場合は、前年の所得の状況

請求書の提出先は、障害基礎年金は住所地の市区町村役場、障害厚生年金は年金事務所または街角の年金相談センターです(日本年金機構「障害基礎年金を受けられるとき」ほか)。年金の一般的な問い合わせは「ねんきんダイヤル」0570-05-1165(通話料がかかります)でも受け付けています。

ぽちぽちの道の監修者はサービス管理責任者で、年金の専門家ではありません。年金の個別判断は、年金事務所や社会保険労務士に相談してください。受け取れる金額の目安は「障害年金の金額」で確認できます。年金の手続きと並行して日中の過ごし方も考えたい方は、LINEでの相談から始めることもできます。

志木市の場合(年金の相談窓口)

志木市にお住まいの方は、国民年金(障害基礎年金を含む)の窓口が保険年金課です。市役所では、社会保険労務士による年金相談も行われています。

  • 国民年金・障害基礎年金:志木市「保険年金課」の国民年金グループ(電話048-456-5360)の業務に、国民年金受給権者の裁定請求と国民年金等の相談が挙げられています
  • 社会保険労務士による年金相談:志木市「志木市での年金相談」(2023年11月30日更新)では、市役所保険年金課の相談室で、社会保険労務士が障害年金を含む年金の相談を受ける日が案内されています。毎週木曜日(祝日を除く)の午後1時から5時までの予約制で、障害年金の初回相談は通常2時間です。障害年金の相談は電話で予約するよう案内されています
  • 年金事務所:日本年金機構「埼玉県内の年金事務所管轄区域」では、志木市は川越年金事務所の管轄です。障害厚生年金の請求は年金事務所が窓口になります

所在地は埼玉県志木市中宗岡1丁目1番1号です。相談ページの更新日が古いため、相談日や予約方法は事前に市へ確認してください。朝霞市・新座市・富士見市・和光市など近隣の方は、各市の公式サイトで担当窓口を確認してください。

ぽちぽちの道の場合

障害年金の条件を調べていると、「年金が決まったら、工賃と合わせてどう暮らすか」まで気になる方もいます。ぽちぽちの道では、障害年金を受け取れるかどうかや等級の見込みを判断することはできませんが、B型の利用を考えるときの相談はお受けしています。工賃と年金で暮らすときの考え方は「工賃と障害年金だけで生活できる?」で紹介しています。

ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。送迎は行っていないため、見学のときに実際の通い方を一緒に確認します。

作業内容はパソコン作業が中心で、データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物などに取り組んでいます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しています。体調に合わせて週1日からの通所も相談でき、工賃は見学時にご案内します。B型の利用に必要な受給者証については「受給者証とは」で説明しています。「年金の請求はこれから」という段階でも、見学やLINEでの相談を受け付けています。

障害年金の条件についてよくある質問

Q. 障害年金の3つの条件のうち、どれか1つでも欠けると受け取れませんか?
A. 日本年金機構は、初診日・障害の状態・保険料の納付の3つをすべて満たしているときに障害基礎年金が支給されるとしています。ただし、障害認定日に等級に当てはまらなくても、その後に重くなったときは事後重症による請求の制度があります。どの要件に当てはまるかは個別の確認が必要なので、年金事務所や社会保険労務士に相談してください。

Q. 保険料の未納がある場合、障害年金の納付要件はどの時点で見られますか?
A. 納付要件は、初診日の前日の時点で、初診日がある月の前々月までの期間を対象に判定されます。免除を受けた期間は、納めた期間とあわせて数えられます。20歳前の年金に加入していない期間に初診日がある場合は、納付要件はありません。

Q. 精神の病気は、障害年金をもらえない人のパターンに入りますか?
A. 病名だけで決まるわけではありません。障害認定基準では、原因や症状、治療の経過、日常生活の状況などから総合的に認定するとされています。人格障害と神経症は原則として対象外とされていますが、神経症でも精神病の病態を示すものは例外として扱われるため、主治医や年金事務所に確認してください。

Q. 20歳前に初診日がある障害年金には、所得の条件がありますか?
A. 20歳前傷病による障害基礎年金には、本人の前年の所得による支給制限があります。令和8年度の案内では、所得額が3,761,000円を超えると2分の1、4,794,000円を超えると全額が停止され、扶養親族がいると基準額が加算されます。年収ではなく所得額の基準なので、ご自身の場合は年金事務所で確認してください。

Q. 初診日から1年6か月たっていない段階で、障害年金の条件を相談してもいいですか?
A. 相談することはできます。障害認定日は原則として初診日から1年6か月を過ぎた日で、障害の状態はこの日に判断されますが、初診日の確認や納付記録の確認は早めに進めておけます。志木市では市役所で社会保険労務士による年金相談も行われているので、日程を市に確認してみてください。

まとめ

障害年金がもらえる条件は、初診日の要件、障害の状態の要件、保険料の納付要件の3つで、「もらえない人」のパターンもこのどれに当たるかで整理できます。精神の障害は病名だけで決まらず、認定基準とガイドラインにもとづく総合評価で判断されます。受給の見込みは、年金事務所や社会保険労務士、主治医に相談してください。

制度の確認が進み、日中の過ごし方やB型の利用が気になり始めたら、LINEでの相談や見学から始められます。質問だけでも大丈夫です。お金と制度をまとめて確認したい方は「障害のある方のお金と制度まとめ」もあわせてご覧ください。

運営:ぽちぽちの道(株式会社イチドキリ)


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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

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