「障害者手帳の等級は何級まであるの?」「3つの手帳は何が違うの?」と迷っている方へ。障害者手帳の等級は、手帳の種類ごとに決め方も数え方も違います。この記事では、3つの手帳の等級の仕組みを比較表で整理し、詳しい手続きの記事と志木市の窓口をご案内します。
障害者手帳の等級の仕組みは、3つの手帳でそれぞれ違います
障害者手帳の等級は、3つの手帳で共通の物差しではありません。身体障害者手帳は1級から6級、精神障害者保健福祉手帳は1級から3級で、どちらも1級がもっとも重い区分です。療育手帳は法律ではなく国の通知にもとづく制度で、区分の分け方は自治体が決めており、埼玉県ではⒶ(マルA)・A・B・Cの4区分です。
厚生労働省「障害者手帳について」でも、3種の手帳は制度の根拠となる法律等がそれぞれ異なると説明されています。
| 手帳の種類 | 等級・区分 | もっとも重い区分 | 等級を決めるもの |
|---|---|---|---|
| 身体障害者手帳 | 1級〜6級(等級表には7級もある) | 1級 | 身体障害者障害程度等級表 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 1級〜3級 | 1級 | 精神保健福祉法施行令と国の判定基準 |
| 療育手帳 | 国の通知はA(重度)とB。埼玉県はⒶ・A・B・C | 埼玉県ではⒶ | 自治体ごとの要綱と判定 |
身体障害者手帳の等級は、等級表の1〜7級のうち手帳は6級まで
身体障害者手帳の等級は、身体障害者福祉法施行規則の別表第5号「身体障害者障害程度等級表」で、障害の種類ごとに決められています。厚生労働省「身体障害者手帳制度の概要」では、重い方から1級から6級の等級が定められていると説明されています。
等級表には7級の欄もあります。ただし「身体障害認定基準」では、7級の障害が1つだけでは法の対象にならず、7級の障害が2つ以上重なる場合や、6級以上の障害と重なる場合に対象になるとされています。つまり「7級の手帳」はありません。等級の一覧は「身体障害者障害程度等級表」で確認できます。
精神障害者保健福祉手帳の等級は1級〜3級
精神障害者保健福祉手帳の等級は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律施行令第6条で次のように定められています。
- 1級:日常生活の用を弁ずることを不能ならしめる程度
- 2級:日常生活が著しい制限を受けるか、又は日常生活に著しい制限を加えることを必要とする程度
- 3級:日常生活若しくは社会生活が制限を受けるか、又は日常生活若しくは社会生活に制限を加えることを必要とする程度
等級ごとの具体的なイメージは「精神障害者保健福祉手帳1級」「2級」「3級」の記事で説明しています。
療育手帳の区分は、国はAとB、埼玉県はⒶ・A・B・C
療育手帳は、国の通知「療育手帳制度について」にもとづく制度です。厚生労働省「療育手帳制度の概要」によると、国の通知での区分は重度(A)とそれ以外(B)の2つで、自治体によってはこれを独自に細かく分けています。
埼玉県総合リハビリテーションセンター「療育手帳」では、Ⓐが最重度、Aが重度、Bが中度、Cが軽度で、心理判定・医学判定などを総合的に判断して決まると案内されています。取得の流れは「療育手帳とは」で紹介しています。
3つの手帳の違いを比較表で整理(対象・判定・更新)
障害者手帳とは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類をまとめた呼び方のことです。3つの手帳は、対象になる障害も、判定する機関も、更新の扱いも異なります。
| 項目 | 身体障害者手帳 | 療育手帳 | 精神障害者保健福祉手帳 |
|---|---|---|---|
| 対象 | 視覚、聴覚、肢体不自由、心臓・じん臓などの一定以上で永続する障害 | 児童相談所または知的障害者更生相談所で知的障害と判定された方 | 精神障害(てんかん・発達障害などを含む)で、長期にわたり日常生活や社会生活に制約がある方 |
| 根拠 | 身体障害者福祉法第15条 | 国の通知(各自治体の要綱で運用) | 精神保健福祉法 |
| 等級・区分 | 1級〜6級 | A・B(埼玉県はⒶ・A・B・C) | 1級〜3級 |
| 判定・審査 | 指定医の診断書・意見書をもとに認定 | 埼玉県は18歳未満が児童相談所、18歳以上が総合リハビリテーションセンターで判定 | 診断書などをもとに精神保健福祉センターで審査 |
| 有効期限・更新 | 原則として更新なし(再認定がある場合あり) | 埼玉県では再判定がある人とない人がいる | 2年ごとに更新 |
精神障害者保健福祉手帳の対象は、国立精神・神経医療研究センター「こころの情報サイト」によります。同サイトでは、発達障害と知的障害の両方がある場合は両方の手帳を受けられると説明されています。
更新は「障害者手帳の更新手続き」、申請の条件は「障害者手帳の申請条件と流れ」、精神の手帳の書類は「精神障害者保健福祉手帳の申請方法」で扱っています。
精神障害者保健福祉手帳の等級は、病名だけで決まるしくみではありません
精神障害者保健福祉手帳の等級は、病名だけで決まるしくみではありません。厚生労働省の判定基準では、精神疾患の状態と、日常生活や社会生活でどのくらい援助が必要かという能力障害の状態をあわせて、総合的に判定するとされています。同じ病名でも、生活への影響の程度によって等級は変わりえます。
判定の考え方は、厚生労働省の通知「精神障害者保健福祉手帳の障害等級の判定基準について」(別添の説明を含む)と「判定基準の運用に当たって留意すべき事項について」に示されています。
- 2つの面から総合判定:精神疾患(機能障害)の状態と、能力障害(活動制限)の状態を確認し、両方をあわせて等級を決める
- 両者は一律に対応しない:病気の種類や状態によって、2つの関係は必ずしも同じではないとされている
- 時間軸も考える:現在の状態だけでなく、おおむね過去2年間の状態や今後2年間に予想される状態も考慮する
精神障害があっても日常生活と社会生活を普通に送れている場合は、「非該当」の目安とされています。等級の見込みは主治医に、手続きは市区町村の窓口に相談してください。病名ごとの考え方は「ADHD・発達障害で障害者手帳はもらえる?」と「うつ病・適応障害で障害者手帳はもらえる?」で紹介しています。
なお、障害年金の等級は手帳とは別の基準で判断され、手帳の等級で年金の等級が決まるわけではありません。違いは「障害者手帳と障害年金」で整理しています。
等級によって対象が変わる支援の例
障害者手帳の等級や区分によって、対象になるかどうかが変わる支援があります。代表的なのが所得税の障害者控除で、国税庁「No.1160 障害者控除」では、控除額は障害者27万円、特別障害者40万円です。特別障害者に当たるのは、身体障害者手帳1級・2級、精神障害者保健福祉手帳1級の方などで、療育手帳は「A」(「マルA」「A2」など)と表示されている方とされています。
医療費の助成も等級で対象が分かれます。埼玉県の「重度心身障害者医療費助成制度」の対象は、身体障害者手帳1〜3級、療育手帳Ⓐ・A・B、精神障害者保健福祉手帳1級の方などです。令和8年1月からは、精神の手帳2級で自立支援医療(精神通院医療)を受けている方も、その自己負担分に限って対象になりました。対象拡大の時期や申請方法は市町村によって異なります。所得制限や年齢の要件があり、市町村への申請も必要です。
割引やサービス全体は、ハブ記事「障害者手帳のメリット一覧」と「障害者手帳でうけられる割引・サービス」にまとめています。
手帳の種類と等級を確認するときのポイント
どの手帳の対象になりそうかを考えるときは、次の点を先に確認しておくと窓口での相談が進みやすくなります。
- 障害は身体か、知的か、精神(発達障害を含む)か
- 身体障害者手帳なら、主治医が身体障害者福祉法第15条の指定医か
- 精神障害者保健福祉手帳なら、初診日から6か月以上たっているか
- 療育手帳なら、18歳未満か18歳以上か(埼玉県では判定機関が変わる)
- すでに手帳がある場合、等級の変更や再認定・更新の時期はいつか
取るかどうか迷うときは「障害者手帳のデメリット」、自立支援医療との違いは「自立支援医療受給者証と障害者手帳の違い」もあわせてご覧ください。
こころの情報サイトでは、障害福祉サービスは精神障害があれば手帳の有無にかかわらず受けられると説明されています。B型の場合は「障害者手帳がなくてもB型は使える?」で紹介しています。
志木市の場合(窓口・手続きの入口)
志木市にお住まいの方は、3つの手帳のどれも市役所の福祉部 共生社会推進課が入口で、手帳ごとの市のページの問い合わせ先はいずれも障がい者福祉グループです。課のページ「共生社会推進課」の連絡先は次のとおりです。
| グループ | 電話 |
|---|---|
| 障がい者福祉グループ | 048-473-1449 |
| 障がい者支給グループ | 048-456-5363 |
| 共生社会推進グループ | 048-456-5364 |
所在地は埼玉県志木市中宗岡1丁目1番1号です。
- 身体障害者手帳:志木市「身体障がい者手帳の交付」では、等級は1級(重度)から6級(軽度)で、診断書は指定医のみが書けると案内されています。住民税非課税の方には診断書料の一部(上限3,000円)の補助があります
- 精神障害者保健福祉手帳:志木市「精神障がい者保健福祉手帳の交付」では、等級は1級(重度)から3級(軽度)です。市の「障がい福祉制度のてびき」(令和8年4月現在)では、診断書は初診日から6か月以降で記入から3か月以内のものとされています
- 療育手帳:志木市「療育手帳の交付」と「療育手帳障害程度等級表」では、Ⓐ(最重度)・A(重度)・B(中度)・C(軽度)の区分が示されています。てびきでは、判定は18歳未満が埼玉県朝霞児童相談所、18歳以上が埼玉県総合リハビリテーションセンターです
志木市のページ「障害者手帳の体裁の統一について」によると、埼玉県が交付する3種類の手帳は、平成27年10月から大きさ・色・表記が統一されています。持ち物はページとてびきで書き方が異なるため、申請前に窓口で確認してください。朝霞市・新座市・富士見市・和光市など近隣の方は、各市の公式サイトで担当窓口を確認してください。
ぽちぽちの道の場合
手帳の種類や等級が分かってくると、「日中はどこで過ごそうか」「働く準備をどう始めようか」と考え始める方もいます。手帳の申請や等級の判断を代わりに行うことはできませんが、B型の利用を考えるときの相談はお受けしています。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。送迎は行っていないため、見学のときに実際の通い方を一緒に確認します。
作業内容はパソコン作業が中心で、データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物などに取り組んでいます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しています。週1日からの通所も相談でき、工賃は見学時にご案内します。「手帳はまだ持っていない」「等級がよく分からない」という段階でも、見学やLINEでの相談を受け付けています。
障害者手帳の種類と等級についてよくある質問
Q. 障害者手帳の等級は、3つの手帳で同じ基準ですか?
A. 同じ基準ではありません。身体障害者手帳は身体障害者障害程度等級表の1〜6級、精神障害者保健福祉手帳は政令と国の判定基準による1〜3級、療育手帳は自治体ごとの区分(埼玉県はⒶ・A・B・C)で決まります。同じ「2級」でも、手帳の種類が違えば意味は異なります。
Q. 身体障害者手帳に7級の等級はありますか?
A. 7級の身体障害者手帳はありません。等級表には7級の欄がありますが、7級の障害が1つだけでは手帳の対象にならず、7級の障害が2つ以上重なる場合や6級以上の障害と重なる場合に対象になると、厚生労働省の認定基準で定められています。
Q. 身体・精神・療育で、障害者手帳の等級の決め方は違いますか?
A. 手帳ごとに決め方が違います。身体障害者手帳は障害の種類ごとの身体障害者障害程度等級表、精神障害者保健福祉手帳は精神疾患の状態と能力障害の状態をあわせて見る国の判定基準による総合判定、療育手帳は自治体ごとの区分と判定で決まります。精神の手帳は病名だけで等級が決まるしくみではないため、見込みは主治医に相談してください。
Q. 障害者手帳を2種類以上持つことはできますか?
A. 持てる場合があります。こころの情報サイトでは、発達障害と知的障害の両方がある場合は、療育手帳と精神障害者保健福祉手帳の両方を受けられると説明されています。それぞれの対象に当てはまるかは、市区町村の窓口で確認してください。
Q. 障害者手帳の等級に納得できないときは、どうすればいいですか?
A. まずは決定の通知書に書かれている不服申立ての方法と期限を確認し、市区町村の窓口に相談してください。精神障害者保健福祉手帳は、有効期間中でも状態が変わったときに等級の変更を申請できると実施要領に定められています。身体障害者手帳も、志木市のてびきでは状態が重く(軽く)なったときに指定医の診断書で変更の手続きをすると案内されています。
まとめ
障害者手帳の等級は、身体障害者手帳が1〜6級、精神障害者保健福祉手帳が1〜3級、療育手帳が自治体ごとの区分(埼玉県はⒶ・A・B・C)で、決め方も数え方も手帳ごとに違います。精神障害者保健福祉手帳の等級は病名だけで決まらず、生活への影響とあわせて総合的に判定されます。
手帳のことが整理できて、日中の過ごし方やB型の利用が気になり始めたら、LINEでの相談や見学から始められます。質問だけでも大丈夫です。制度をまとめて確認したい方は「B型事業所の選び方チェックリスト」もあわせてご覧ください。
運営:ぽちぽちの道(株式会社イチドキリ)
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

