「障害年金の3級って、どんな状態の人が対象なの?」「月にするといくらくらい?」と気になっている方へ。障害年金3級は、初診日に厚生年金に加入していた方の障害厚生年金だけにある等級で、精神障害者保健福祉手帳の3級とは別の基準で決まります。この記事では、3級の対象と障害の状態、令和8年度の金額の目安、1級・2級や障害手当金との違いを、日本年金機構の資料をもとに整理します。
障害年金3級は障害厚生年金だけにある等級で、令和8年度の最低保障額は年635,500円です
障害年金3級は、厚生年金保険に加入している間に初診日がある方が対象になる、障害厚生年金の等級です。障害基礎年金には1級と2級しかないため、3級には障害基礎年金がつきません。金額は報酬比例の年金額で計算され、令和8年4月分からの最低保障額は、昭和31年4月2日以後生まれの方で年635,500円(年額÷12の目安で月約53,000円)です。
まず押さえておきたい結論は、次の3つです。
- 対象は初診日で決まる:初診日に厚生年金に加入していたかどうかで、3級の対象になるかが分かれる
- 3級は労働への制限で書かれた等級:障害等級表では、労働が著しい制限を受ける程度などと定められている
- 1級・2級につくものが、3級にはつかない:障害基礎年金、配偶者の加給年金額、子の加算額、国民年金保険料の法定免除、障害年金生活者支援給付金は3級だけの方には関係しない
3級に当てはまるかどうか、いくらになるかは、請求したあとの個別の審査で決まります。年金の個別の判断は、年金事務所や社会保険労務士に相談してください。
精神障害者保健福祉手帳の「3級」とは別のものです
同じ「3級」でも、障害年金と精神障害者保健福祉手帳では、根拠になる法律も判断の基準も違います。手帳が3級だから年金も3級になる、というしくみではありません。
| 項目 | 障害年金3級 | 精神障害者保健福祉手帳3級 |
|---|---|---|
| 制度 | 障害厚生年金(厚生年金保険のみ) | 精神保健福祉法の手帳制度 |
| 3級の書き方 | 労働が著しい制限を受ける程度など | 日常生活または社会生活が制限を受ける程度など |
| 窓口 | 年金事務所など | 市区町村の障害福祉担当窓口 |
精神障害を理由に障害年金を受けている方は、年金証書などの写しで手帳を申請でき、その場合は年金と同じ等級で判定されます。反対に、手帳の等級で年金の等級が決まることはありません。両者の関係は「障害者手帳と障害年金の関係」、手帳の3級については「精神障害者手帳3級のメリット」で紹介しています。
障害年金3級の対象になるのは?初診日に厚生年金に加入していた方です
障害年金3級とは、厚生年金保険の被保険者である間に初診日がある病気やけがで、障害認定日に障害等級表の3級に当てはまる方に支給される障害厚生年金のことです。初診日に国民年金だけに加入していた方は、3級の対象になりません。
日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」(2026年4月1日更新)では、次の1から3のすべてを満たすときに障害厚生年金が支給されるとしています。
- 初診日の要件:厚生年金保険の被保険者である間に、障害の原因になった病気やけがの初診日があること
- 障害の状態:障害認定日に、障害等級表の1級から3級のいずれかに当てはまること
- 保険料の納付要件:初診日の前日において、初診日がある月の前々月までの被保険者期間のうち、保険料を納めた期間と免除された期間をあわせて3分の2以上あること。初診日が令和18年3月末日までにあり、初診日に65歳未満であれば、初診日の前日において初診日がある月の前々月までの直近1年間に未納がないことでもよい
初診日とは、障害の原因になった病気やけがで初めて医師または歯科医師の診療を受けた日です。障害認定日とは、原則として初診日から1年6か月を過ぎた日(それより前に治った場合は治った日)をいいます。上の3つの要件には、請求する時点で厚生年金に加入していることは含まれていません。
障害認定日に3級より軽かった方でも、その後重くなったときは、障害厚生年金を受け取れる場合があると案内されています(事後重症による請求。請求は65歳の誕生日の前々日まで)。初診日に国民年金だけに加入していた方は、障害基礎年金の2級に当てはまらなければ障害年金の対象になりません。3つの要件の全体像は「障害年金がもらえる条件」、どちらの年金になるかは「障害基礎年金と障害厚生年金の違い」で整理しています。
3級の障害の状態は「労働が著しい制限を受ける」程度です
日本年金機構「障害等級表」では、3級(厚生年金保険のみ)の状態として、精神または神経系統に「労働が著しい制限を受けるか、又は労働に著しい制限を加えることを必要とする程度の障害を残すもの」などが定められています。傷病が治らないで、労働が制限を受ける程度の障害がある場合で、厚生労働大臣が定めるものも3級に含まれます。
同じ年金機構のページでは、3級を「日常生活にはほとんど支障はないが、労働については制限がある方」が相当する等級と説明しています。1級は他人の介助がないと日常生活のことがほとんどできない状態、2級は日常生活が極めて困難で労働による収入を得られない状態とされており、3級はそれより軽い範囲にあたります。
精神の障害は、障害認定基準の精神の障害の節で、症状や治療の経過、具体的な日常生活の状況などから総合的に認定するとされています。等級判定ガイドラインの目安表には「2級又は3級」のように幅のあるマスがあり、障害基礎年金を認定するときは表の「3級」を「2級非該当」と読み替えます。精神の障害で請求するときの流れは「精神障害の障害年金」で説明しています。
障害年金3級の金額は?報酬比例の年金額と最低保障額の高いほうです
障害年金3級の金額は、加入していた期間の給与(標準報酬)をもとにした報酬比例の年金額です。3級には障害基礎年金がつかないため、最低保障額が決められており、報酬比例の年金額がそれより少ないときは最低保障額になります。
令和8年4月分からの金額を、生年月日の区分ごとにまとめました。月額は年額を12で割り、100円単位で丸めた目安です。
| 区分(令和8年4月分から) | 年額 | 月額の目安(年額÷12) |
|---|---|---|
| 障害厚生年金3級 | 報酬比例の年金額 | 人によって違う |
| 3級の最低保障額(昭和31年4月2日以後生まれ) | 635,500円 | 約53,000円 |
| 3級の最低保障額(昭和31年4月1日以前生まれ) | 633,700円 | 約52,800円 |
| (参考)障害基礎年金2級(昭和31年4月2日以後生まれ) | 847,300円 | 約70,600円 |
金額は日本年金機構「障害厚生年金の受給要件・請求時期・年金額」と「障害年金ガイド 令和8年度版」に載っている額です。厚生年金保険法第50条第3項では、障害基礎年金を受けられない場合の障害厚生年金の額を、障害基礎年金の額の4分の3を下回らないように定めています。最低保障額635,500円は、障害基礎年金2級の847,300円の4分の3を100円単位にした額と一致します。
報酬比例の年金額は、平成15年3月以前と4月以降の加入期間に分けて、平均標準報酬月額(額)と加入月数から計算します。厚生年金の加入期間が300月(25年)未満のときは300月とみなし、障害認定日がある月より後の加入期間は計算に入りません。自分の場合の額は人によって違うため、年金事務所で確認してください。1級・2級を含めた一覧は「障害年金の金額」にまとめています。年金は原則として偶数月の15日に、前月までの2か月分が支払われます(日本年金機構「年金はいつ支払われますか。」)。
1級・2級と何が違う?3級だけの方につかないもの
3級は障害基礎年金がつかない等級なので、1級・2級の方が受ける加算や、障害基礎年金を前提にした制度の対象になりません。3級を受けている方が家計を考えるときは、次の違いを知っておくと整理しやすくなります。
| 項目 | 1級・2級の障害厚生年金 | 3級の障害厚生年金 |
|---|---|---|
| 障害基礎年金 | 同じ等級の障害基礎年金もあわせて受け取る | つかない |
| 配偶者の加給年金額(令和8年度・年243,800円) | 65歳未満の配偶者がいれば加算される | なし |
| 子の加算額 | 障害基礎年金に加算される | なし |
| 国民年金保険料の法定免除 | 対象 | 対象外 |
| 障害年金生活者支援給付金 | 障害基礎年金を受けていて所得の要件に当てはまれば対象 | 対象外 |
国民年金保険料の法定免除は、日本年金機構「障害年金」で「障害基礎年金または障害厚生年金(障害等級1級・2級に限る)を受ける方」が対象とされています。障害年金生活者支援給付金は、日本年金機構「障害年金生活者支援給付金の概要」で、障害基礎年金を受けていることが要件です。3級を受けることで気をつけたい点は「障害年金のデメリット」でも整理しています。
障害手当金(一時金)とはどう違う?治ったかどうかと受け取り方が違います
障害手当金とは、厚生年金保険に加入中に初診日がある病気やけがが、初診日から5年以内に治り(症状が固定し)、3級より軽い一定の障害が残ったときに、一時金として支給されるものです。3級が年金として受け取り続けるものなのに対し、障害手当金は1回だけの支給です。
| 項目 | 障害厚生年金3級 | 障害手当金(一時金) |
|---|---|---|
| 受け取り方 | 年金(偶数月に2か月分ずつ) | 一時金(1回) |
| 障害の状態 | 障害等級表の3級 | 初診日から5年以内に治り、3級より軽い一定の障害 |
| 金額(令和8年度) | 報酬比例の年金額(最低保障額635,500円) | 報酬比例の年金額×2(最低保障額1,271,000円) |
| 受け取れない主な場合 | 要件を満たさないとき | 老齢厚生年金など、公的年金を受け取っている方など |
障害手当金の金額と、老齢厚生年金を受け取っている方は障害手当金を受け取れないことは、「障害年金ガイド 令和8年度版」に書かれています(最低保障額は、昭和31年4月1日以前生まれの方で1,267,400円)。初診日に国民年金だけに加入していた方には、障害手当金の制度はありません。どちらに当てはまるかは、年金事務所で確認してください。
障害年金3級を考えるときに確認したいポイント
3級の請求を考えるときも、受けている途中でも、次の点を確認しておくと相談が進めやすくなります。受けられるかどうかや等級の見込みは、ここでは判断できないため、年金事務所・社会保険労務士・主治医に相談してください。
- 初診日はいつで、そのとき厚生年金に加入していたか(会社を辞めた後の受診かどうか)
- 初診日の前日の時点で、保険料の納付要件を満たしているか
- 初診日から1年6か月を過ぎているか、または過ぎる前に治ったか
- 手帳の等級ではなく、年金用の診断書で状態を伝える準備ができているか
- 3級を受けている場合、次の障害状態確認届(診断書)の提出年月はいつか
3級の障害厚生年金を受けている方の状態が悪くなったときは、65歳になるまでであれば年金額の改定を請求できると、障害年金ガイド令和8年度版のQ&Aに書かれています(請求書は65歳の誕生日の前々日まで)。反対に、等級に当てはまらない程度まで軽くなったときは支給停止になり、「障害給付受給権者 障害不該当届」を出すことになっています。更新のしくみは「障害年金の更新と就労の関係」、いつまで受け取るかは「障害年金はいつまで」で紹介しています。
働いていることは、それだけで等級が決まるものではなく、障害認定基準では仕事の内容や職場で受けている援助などを確認して判断するとされています。B型の工賃と年金をあわせた暮らし方は「工賃と障害年金だけで生活できる?」、年金を受けながら通う場合は「障害年金とB型の両立」で考え方をまとめています。B型事業所を利用するときに必要な受給者証については「受給者証とは」をご覧ください。
志木市の場合(年金の相談窓口)
障害年金3級は障害厚生年金なので、請求書類の提出先は年金事務所または街角の年金相談センターです。志木市にお住まいの方は、管轄の川越年金事務所のほか、市役所で行われている社会保険労務士による年金相談も入口になります。
- 年金事務所:日本年金機構「埼玉県内の年金事務所管轄区域」では、志木市は「川越年金事務所」の管轄です。障害年金ガイド令和8年度版では、年金事務所などでの対面の相談は「予約相談」の利用が案内されており、予約受付専用電話は0570-05-4890(月〜金曜日8時30分〜17時15分)です
- 社会保険労務士による年金相談:志木市「志木市での年金相談」(2023年11月30日更新)では、市役所保険年金課の相談室で、社会保険労務士が障害年金を含む年金の相談を受ける日が案内されています。毎週木曜日(祝日を除く)の午後1時から5時までの予約制で、障害年金の初回相談は通常2時間です。障害年金の相談は電話で予約するよう案内されています
- 国民年金・障害基礎年金:志木市「保険年金課」の国民年金グループ(電話048-456-5360)の業務に、国民年金受給権者の裁定請求と国民年金等の相談が挙げられています
- 障害福祉の窓口:志木市「共生社会推進課」(障がい者福祉グループ 048-473-1449)
市役所の所在地は埼玉県志木市中宗岡1丁目1番1号です。相談日や受付方法は変わることがあるため、事前に確認してください。朝霞市・新座市・富士見市・和光市など近隣の方は、各市の公式サイトで担当窓口を確認してください。
ぽちぽちの道の場合
3級の年金を受けながら、少しずつ働く時間をつくりたいと考える方もいます。ぽちぽちの道では、年金の等級や金額、受給の見込みを判断することはできませんが、日中の過ごし方やB型の利用についての相談はお受けしています。監修のサービス管理責任者も年金の専門家ではないため、年金の個別判断は年金事務所・社会保険労務士にご相談ください。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。送迎は行っていないため、見学のときに通い方を一緒に確認します。
作業内容はパソコン作業が中心で、データ入力、Canvaでの画像・SNS素材づくり、生成AIを使った文章の下書きや調べ物などに取り組んでいます。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しており、体調に合わせて週1日からの通所も相談できます。工賃は見学時にご案内します。「年金の請求はこれから」という段階でも、見学やLINEでの相談を受け付けています。
障害年金3級についてよくある質問
Q. 障害年金3級の最低保障額を12で割ると、月いくらの目安になりますか?
A. 令和8年4月分からの3級の最低保障額は、昭和31年4月2日以後生まれの方で年635,500円なので、年額÷12の目安は月約53,000円です。昭和31年4月1日以前生まれの方は年633,700円で、月約52,800円が目安です。報酬比例の年金額がこれより多い方は、その額になります。
Q. 初診日に国民年金だけに加入していた場合、障害年金3級の対象になりますか?
A. 対象になりません。3級は厚生年金保険の被保険者である間に初診日がある方の障害厚生年金だけにある等級で、障害基礎年金は1級と2級だけです。初診日や加入していた制度が分からないときは、年金事務所で確認してください。
Q. 会社に勤めていた間に初めて受診し、その後退職した場合でも、障害年金3級の対象になりますか?
A. 初診日に厚生年金保険の被保険者だったのであれば、退職したことだけで3級の対象から外れるわけではありません。日本年金機構が示す障害厚生年金の要件は、初診日の加入、障害認定日の障害の状態、保険料の納付要件の3つで、請求する時点で厚生年金に加入していることは含まれていません。反対に、退職して厚生年金の被保険者でなくなった後に初めて受診した場合は、初診日に厚生年金に加入していないため3級の対象になりません。初診日がいつになるかは、年金事務所で確認してください。
Q. 障害年金3級と障害手当金は、受け取り方や金額がどう違いますか?
A. 3級は年金として受け取り続けるもので、障害手当金は初診日から5年以内に治り、3級より軽い障害が残ったときの一時金です。令和8年度の最低保障額は、3級が年635,500円、障害手当金が1,271,000円(いずれも昭和31年4月2日以後生まれ)です。どちらに当てはまるかは年金事務所で確認してください。
Q. 障害年金3級を受けている途中で症状が重くなったら、2級に変わることはありますか?
A. 65歳になるまでに状態が悪くなった場合は、年金額の改定を請求できると日本年金機構の障害年金ガイドに書かれています。請求書は65歳の誕生日の前々日までに出す必要があり、更新の診断書によって改定されることもあります。等級が変わるかは審査で決まるため、主治医や年金事務所、社会保険労務士に相談してください。
まとめ
障害年金3級は、初診日に厚生年金に加入していた方の障害厚生年金だけにある等級で、令和8年4月分からの最低保障額は年635,500円(昭和31年4月2日以後生まれ・月約53,000円の目安)です。障害基礎年金や配偶者の加給年金額はつかず、精神障害者保健福祉手帳の3級とも基準が別です。受けられるかどうかや等級は審査で決まるため、年金事務所や社会保険労務士に相談してください。
年金のことが落ち着いて、日中の過ごし方やB型の利用が気になり始めたら、LINEでの相談や見学から始められます。質問だけでも大丈夫です。お金と制度をまとめて確認したい方は「障害のある方のお金と制度まとめ」もあわせてご覧ください。
運営:ぽちぽちの道(株式会社イチドキリ)
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

