「ADHDがあると、どんな作業が合うんだろう?」「生成AIって、自分の苦手をカバーしてくれる?」——そんな本人・ご家族・相談支援員の方へ。この記事では、ADHDと生成AIの相性を、アイデア出しや段取りの整理が楽になる作業例から、個人差を前提にやさしく整理します。志木駅から徒歩2分のぽちぽちの道で実際に試せることも紹介します。
ADHDと生成AIは、アイデア出しと段取り補助で相性がよい場合がある
ADHDのある方と生成AIは、アイデアを広げる場面や、作業の段取りを言葉にする場面で、相性がよいと感じられる場合があります。生成AIは「思いついたことを書き出す」「やることを順番に並べる」といった、頭の中の整理を肩代わりしてくれるからです。ただし特性の現れ方には個人差が大きく、すべての方に同じように合うわけではありません。
先に、合いやすいとされる使いどころを3点でまとめます。
- アイデア出し:思いつきをどんどん投げて広げる場面は、発想の勢いを活かしやすい
- 段取りの整理:大きな作業を「やることリスト」に分解してもらうと、最初の一歩が出やすい
- 下書き・たたき台づくり:白紙から書く負担を減らし、手が止まりにくくする
大切なのは、生成AIはADHDを「治す」「改善する」ためのものではない、という点です。あくまで本人が無理なく進めるための補助であり、合うかどうかは実際に使って確かめるのが確実です。「ADHDだからこの作業が得意・苦手」と決めつけず、自分に合う使い方を探していく——ここからは、その具体例を見ていきます。
生成AIがADHDの「困りごと」を補助する作業例
生成AIは、ADHDで語られやすい困りごと(最初の一歩が出にくい・先延ばし・情報の整理が大変など)に対して、補助として働く場合があります。AIに「下ごしらえ」を任せ、人が「仕上げ」を担う分担にすると、つまずきやすい場面の負担を減らしやすくなります。
生成AIとは、やりたいことを言葉で伝えると、文章やアイデア、手順のたたき台を返してくれるツールのことです。むずかしい操作はいらず、「お知らせの文を考えて」「この作業を手順に分けて」と話しかけるだけで、最初のかたちを用意してくれます。基本は関連コラム「生成AIを仕事に使うってどういうこと?」でもやさしく解説しています。
困りごとと、生成AIでの補助のしかたを表で整理します。いずれも「合う人には合う一例」で、効果の感じ方には個人差があります。
| 困りごと(人によって異なる) | 生成AIでの補助の例 | 向いている作業 |
|---|---|---|
| 何から手をつけるか迷う | やることを順番のリストに分解してもらう | 作業の段取りづくり、1日の予定立て |
| 白紙から書き出すのがつらい | 一度たたき台を作ってもらい、直していく | 文章・ブログ・SNS投稿の下書き |
| アイデアが浮かんでも形にしにくい | 思いつきを投げて広げ、選んでまとめる | 企画・テーマ出し、キャッチコピー案 |
| 情報を整理するのが大変 | 長い文章を要点に短くまとめてもらう | 調べ物の要約、議事メモの整理 |
たとえば、興味のあるテーマだと発想がどんどん広がる一方、それを「人に伝わる順番」に並べ直すのが負担、という声があります。こうしたときは、出した思いつきを生成AIに渡して「読みやすい順に並べて」と頼むと、得意な発想を活かしつつ、苦手な整理を補えます。先延ばししがちな作業も、「最初の3ステップだけ教えて」と小さく区切ってもらうと、取りかかりのハードルが下がることがあります。
ただし、これはあくまで一例です。AIの提案がかえって気が散る、自分で一気に書いたほうが早い、という方もいます。どの使い方が合うかは試しながら見つけるのが確実で、具体的な進め方は主治医や相談支援員、事業所のスタッフと相談しながら調整すると安心です。なお、生成AIの提案には誤りが混じることもあるため、最後は必ず人が内容を確認して仕上げます。
生成AIを使う作業が自分に合うか、見学で確認したいこと
生成AIを使う作業が自分に合うかどうかは、見学や体験のときに「どんな場面でAIを使うか・どこまでサポートがあるか・自分のペースで進められるか」を確認すると見極めやすくなります。パンフレットの情報だけでなく、実際に画面を見て、自分の感覚で確かめることが大切です。
見学のときに、次の点をチェックしておくと、合うかどうかの判断材料が増えます。
- アイデア出し・段取り・下書きなど、どんな場面で生成AIを使っているか
- AIへの頼み方(プロンプト)を、はじめてでも教えてもらえるか
- 思いついた順でも、あとから整理し直せる進め方になっているか
- 作業を短い区切りに分けたり、休憩を取りやすかったりするか
- AIの提案を、自分で取捨選択できる余白があるか(任せきりにならないか)
- 体調や得意に合わせて、作業の種類やペースを相談できるか
- 週何日・1日何時間から始められるか、無理のないペースを選べるか
これらを確認しておくと、「合いそう」「ここは不安」が具体的になります。気になる点は遠慮せず質問して大丈夫です。事業所側も、合う作業やペースを一緒に考えることを前提にしています。あわせて、ふだんの困りごとや配慮してほしいことを、主治医や相談支援員と整理してから見学に行くと、相談がスムーズです。ADHDのある方がB型で力を発揮するための工夫全般は、関連コラム「ADHDの方がB型のパソコン作業で力を発揮するには」もあわせて参考になります。
ぽちぽちの道の場合(アイデア出し・段取りを生成AIで補助する)
「アイデアは浮かぶのに形にしにくい」「やることが多いと、どこから手をつけるか迷う」——そんな方ほど、生成AIを段取りの相棒にする進め方が合うことがあります。ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、生成AI・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年開設・運営:株式会社イチドキリ)。事業所内では生成AI(ぽちぽちAI)を業務の相棒として活用しており、アイデア出しや段取りの整理に使う場面が日常的にあります。
実際にできる作業には、次のようなものがあります。
- 生成AIを使った文章・調査のお手伝い:ぽちぽちAIを相棒に、文章の下書きや調べ物を進めます。「何から手をつければいいか」を一緒に整理でき、思いつきを順番に並べ直す作業を補助できます。
- ブログ・SNS投稿づくり(ぽちSNS):テーマ出しから下書きまでをAIと進め、最後は自分の言葉で仕上げます。発想を活かしたい方に向いています。
- Canvaでの画像・SNS素材づくり:テンプレートを選んで文字を差し替えるところから始められ、デザインのアイデアを形にしやすい作業です。
- データ入力:表計算ソフトへの入力など、手順がはっきりした作業です。区切りを決めて少しずつ進められます。
ぽちぽちの道では、こうした作業を「短い区切りで進める」「やることをチェックリストで見える化する」といった工夫と組み合わせられます。たとえば、大きな作業はぽちぽちAIに頼んで手順に分け、終わった項目をチェックしながら進める、という流れです。AIの提案をそのまま使うのではなく、自分で選んで仕上げるので、任せきりにならず自分のペースで取り組めます。実際の作業の様子やできる作業の一覧は、作業内容のページでも紹介しています。
「パソコンは未経験」「AIの頼み方が分からない」という方も心配いりません。電源の操作や文字入力、AIへの頼み方(プロンプト)まで、スタッフが一緒に進めます。週1日からの通所もご相談いただけるので、体調や生活リズムに合わせて無理のないペースで始められます。特性の現れ方には個人差があるため、合うかどうかは一度見て・体験していただくのがいちばん確実です。「いきなり見学は不安」という方は、LINEでの相談や見学から始めても大丈夫です。
ADHDと生成AIについてよくある質問
Q. ADHDがあると、生成AIを使う作業は向いていますか?
A. 向いていると感じる方もいますが、特性の現れ方には個人差があります。アイデア出しや段取りの整理を生成AIに補助してもらうと進めやすい場合がある一方、AIの提案がかえって気が散る方もいます。合うかどうかは、見学や体験で実際に画面を見て確かめるのが確実です。
Q. アイデアは浮かぶのに、まとめるのが苦手です。生成AIは役立ちますか?
A. 役立つ場合があります。思いついたことをそのまま生成AIに投げて「読みやすい順に並べて」「要点にまとめて」と頼むと、得意な発想を活かしつつ、苦手な整理を補えます。出てきた案は自分で取捨選択して仕上げるので、自分らしさは残せます。
Q. 先延ばししがちですが、生成AIで段取りは楽になりますか?
A. 楽になることがあります。大きな作業を「最初の3ステップだけ教えて」と小さく区切ってもらうと、取りかかりのハードルが下がりやすくなります。ただし効果の感じ方には個人差があるため、合う進め方は事業所のスタッフと相談しながら見つけると安心です。
Q. AIへの頼み方(プロンプト)が分からなくても始められますか?
A. 始められます。ぽちぽちの道では、AIへの頼み方をはじめての方にも一緒に考えながら進めます。「お知らせの文を考えて」のような短い言葉からで大丈夫で、慣れてくると自分なりの頼み方が身についていきます。まずは見学で、どんな使い方をしているか見てみてください。
Q. 生成AIに任せきりになってしまわないか心配です。
A. 任せきりにはなりません。生成AIはあくまで下ごしらえの相棒で、提案を選んで仕上げるのは自分です。最後は必ず人が内容を確認するため、AIの間違いにも気づけます。「自分で決める部分」を残した進め方を、スタッフと一緒に整えます。
まとめ
ADHDと生成AIは、アイデア出しや段取りの整理、下書きづくりといった場面で相性がよいと感じられる場合があります。生成AIに「下ごしらえ」を任せ、人が「仕上げ」を担う分担にすると、つまずきやすい場面の負担を減らしやすくなります。ただし特性の現れ方には個人差があり、すべての方に同じことが当てはまるわけではありません。だからこそ、合うかどうかは実際に見て・試して確かめることが大切です。ぽちぽちの道は、志木駅徒歩2分で、生成AIを相棒にした作業を自分のペースで進められる事業所です。
気になったら、見学だけでも大丈夫です。どんな作業が自分に合うか、見に来てください。質問だけしたい方は、LINEでの相談もお気軽にどうぞ。
ほかの障害・特性別の記事は障害・特性別にみるB型の利用ガイド|まとめからまとめてご覧いただけます。事業所選びの観点は「B型事業所の選び方チェックリスト」も参考になります。
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

