「入居者さんの平日の通い先を、一緒に探してあげたい」。そう考えているグループホームの世話人・サービス管理責任者・生活支援員の方に向けた記事です。日中活動先として就労継続支援B型を探すときの観点を、通所距離、通う日数、作業の相性、見学への同行の4つに分けて整理しました。ホームの暮らしとつながる受け入れ側の流れも、志木駅近くのB型事業所の例で紹介します。
入居者の日中活動先は「距離・日数・作業・見学」の4点で一緒に探すと決めやすくなります
グループホームの入居者の日中活動先を探すときは、通所距離、通う日数、作業の相性、見学の段取りの4点を先に確かめると、候補を絞りやすくなります。住まいの支援者が見るべきなのは、事業所の良し悪しより「この入居者の今の暮らしに合うか」です。決めるのは本人で、支援者はその材料をそろえる役割を担います。
- 通所距離と経路:ホームから通い先まで、本人がひとりで無理なく行き来できるか
- 通う日数:いきなり毎日ではなく、週1日などの少ない日数から始められるか
- 作業の相性:軽作業、パソコン作業など、本人の関心や得意に合う作業があるか
- 見学の段取り:本人の見学に支援者が付き添えるか、事前にどこまで情報を伝えるか
この4点は、ホームで日々の様子を見ている世話人や生活支援員だからこそ判断材料を持っている部分です。朝の支度にかかる時間、疲れやすい曜日、人の多い場所が得意かどうか。そうした生活の情報は、事業所のパンフレットには載っていません。支援者の見立てを持ち寄ると、本人に合う候補を早く見つけられます。
グループホームの職員と日中活動の関係は?役割分担を先に整理します
グループホームの職員は、入居者が通う日中活動先と連絡調整を行うよう努めることが、国のガイドラインで示されています。一方で、サービスの利用を決める手続きは市区町村が、利用計画づくりは相談支援専門員が担います。誰が何を受け持つかを先に共有しておくと、探し始めてから迷いにくくなります。
日中活動とは、入居者が平日の日中に通う就労先や、生活介護・就労継続支援などの福祉サービスで過ごす時間のことです。 グループホーム(共同生活援助)は主に夜間の住まいの支援を行うサービスで、日中の過ごし方は別の場所で組み立てるのが一般的です。制度の区分は厚生労働省「障害福祉サービスについて」で確認できます。
就労継続支援B型とは、雇用契約を結ばずに、生産活動などの機会と、就労に必要な知識や能力を高める訓練を受けられる福祉サービスのことです。 自分のペースで通い、作業に応じて工賃を受け取ります。
厚生労働省の「共同生活援助における運営や支援に関するガイドライン(第1版)」(令和8年2月)では、グループホームの利用者の多くが生活介護や就労継続支援などを利用していると説明されています。そのうえで、ホームは利用者が通う日中活動サービス事業所や就労先との連絡調整に努めること、就労や日中活動をしていない利用者には、相談支援事業所などと連携して新しい日中活動の情報提供をすることが求められています。
| 担い手 | 日中活動先探しで主に受け持つこと(一般的な例) |
|---|---|
| 本人 | どんな場所で、どんなことをしたいかを伝え、見学・体験をして決める |
| 世話人・生活支援員 | 朝の支度や帰宅後の様子など、暮らしの情報を共有し、通い方を一緒に考える |
| サービス管理責任者(ホーム) | 本人の希望を個別支援計画に反映し、日中活動先との連絡調整の窓口を整える |
| 相談支援専門員 | サービス等利用計画を作り、候補の紹介や事業所との調整を行う |
| 市区町村の障害福祉担当窓口 | 障害福祉サービスの申請を受け付け、支給を決定する |
| B型事業所 | 見学・体験を受け入れ、作業内容や通い方を説明する |
実際の分担は、ホームの体制や地域の相談支援の状況で変わります。相談支援専門員の立場から事業所を紹介するときの観点は「相談支援員の方へ|B型事業所を紹介するとき」でまとめています。グループホームの制度全体は「障害者グループホームとは」をご覧ください。
見学・利用の前に確認したいポイント|世話人・サビ管が一緒に見る4つの観点
見学の前に、ホーム側で「確かめたいこと」をメモにしておくと、短い見学時間でも判断材料がそろいます。ここでは結論で挙げた4点を、世話人・サービス管理責任者の視点で掘り下げます。
通所距離と経路は、本人ひとりで通えるかで考える
日中活動先までの距離は、地図上の近さより「本人がひとりで、毎回同じように行き来できるか」で判断します。乗り換えの有無、駅からの道のりのわかりやすさ、雨の日の歩きやすさを確かめておきましょう。送迎のない事業所なら、ホームから駅までと、駅から事業所までを分けて考えると具体的になります。通い慣れるまでの数回は、支援者が経路を一緒に歩いて確かめる方法もあります。
通う日数は、少ない日数から始められるかを聞く
グループホームに入ったばかりの方や、生活リズムを整えている途中の方は、最初から毎日通うと疲れが出やすくなります。週1日や週2日から始めて、慣れてきたら日数を増やせるかを事業所に聞いておきましょう。通う日数は、ホームでの休息や通院の予定とあわせて決めると無理がありません。
作業の相性は、本人の関心と得意から見る
B型事業所の作業は、軽作業、清掃、パソコン作業など事業所によって大きく異なります。世話人や生活支援員が日ごろ見ている「スマートフォンで調べものをするのが好き」「細かい作業に集中できる」といった様子は、作業の相性を考える大切な手がかりです。見学のときは、実際に作業している場面を見せてもらい、本人の反応を確かめてください。
見学の同行と情報共有は、事前に段取りを決める
入居者の見学に支援者が付き添えるか、どこまでの情報を事前に伝えるかは、事業所に問い合わせる時点で相談しておくとスムーズです。本人の特性や配慮してほしいことを伝える場合は、本人の同意を得たうえで、必要な範囲にとどめます。見学のあとに体験を考えるときは、「B型の体験利用とは?」で見学との違いを確認できます。
見学前にホームで使えるチェックリストです。
- [ ] 本人がどんな作業や場所に興味を持っているか、本人の言葉で聞いている
- [ ] ホームから通い先までの経路と所要時間を、乗り換えも含めて調べている
- [ ] 最初に通う日数の希望と、通院や休息の予定を整理している
- [ ] 見学に付き添う人と、事業所へ事前に伝える情報を本人と決めている
- [ ] 体調が悪い日に、誰がどこへ休みの連絡をするかを決めている
- [ ] サービスの申請や計画について、相談支援専門員と市区町村の窓口に確認している
候補の事業所は、相談支援専門員に聞くほか、WAM NET 障害福祉サービス等情報検索でも地域ごとに調べられます。志木周辺でグループホームそのものを探している段階なら「志木周辺のグループホームの探し方」も参考になります。利用者負担には所得に応じた上限のしくみがあり、厚生労働省「障害者の利用者負担」で説明されています。実際の負担は世帯や自治体、年度で変わるため、個別の判断は相談支援専門員と市区町村の窓口で確認してください。
B型(日中活動)との接点|ホームとの連絡の段取りが、通所を長く続ける土台になります
B型への通所が安定するかどうかは、事業所選びだけでなく、ホームと通い先の間で「何を、いつ伝え合うか」が決まっているかにも左右されます。入居者の生活はホームと日中活動先の両方にまたがるため、片方だけで様子を把握するのは難しいからです。
ホームと日中活動先で、あらかじめ話し合っておきたい場面は次のとおりです。
| 場面 | ホーム側で見ておきたいこと | 日中活動先と決めておきたいこと |
|---|---|---|
| 朝の送り出し | 起床や身支度、服薬の様子 | 遅れそうなとき・休むときの連絡方法 |
| 体調が悪い日 | 無理に通所させず、必要に応じて受診につなぐ | 休みの連絡を本人がするか、支援者がするか |
| 帰宅後 | 疲れ具合や、話したがっている出来事 | 気になる様子があったときの共有のしかた |
| 計画の見直し | 暮らしの中での変化 | 通う日数や作業の見直しを相談する時期 |
前述のガイドラインでも、利用者に体調不良が見られる場合は無理に日中活動や就労に当たらせず、適切に医療機関の受診へつなげる必要があるとされています。通所を続けること自体が目的にならないよう、休む判断をしやすい連絡の流れを先につくっておくと安心です。
また同じガイドラインでは、65歳以上で介護保険サービスの対象となる利用者は、原則として介護保険サービスが優先され、日中活動に通所介護(デイサービス)なども利用できると説明されています。年齢や心身の状況によって選べる通い先が変わるため、どのサービスが合うかは相談支援専門員や市区町村の窓口と確かめてください。
グループホームでの平日と休日の過ごし方は「障害者グループホームの過ごし方」で紹介しています。
ぽちぽちの道の場合(ホームの支援者と一緒に通い先を考える受け入れの流れ)
入居者の通い先を探している世話人やサービス管理責任者の方からの、見学のご相談も受け付けています。ぽちぽちの道は就労継続支援B型の事業所で、グループホームは運営していません。グループホームの紹介やあっせんも行っていないため、住まいのご相談は相談支援専門員やお住まいの市区町村の障害福祉担当窓口にお願いします。私たちが受け付けているのは、入居者の日中活動先としてのB型の見学・相談です。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」東口から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。送迎は行っていませんが、駅から近いため、ホームから電車で通う経路を組み立てやすいのが特徴です。駅からの道順は「志木駅からぽちぽちの道への行き方」で確認できます。
作業内容は、データ入力、Canvaでの画像づくり、生成AIを使った文章・調査・画像づくり、SNS投稿づくりなどが中心です。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎しています。作業の種類をくわしく知りたいときは「ぽちぽちの道でできる作業内容」をご覧ください。昼食はお弁当(実費)を用意できるので、ホームでの昼食の準備が難しい方もご相談ください。工賃については見学時にご案内します。
ホームの支援者の方からご相談いただいた場合の、一般的な流れは次のとおりです。
- お問い合わせ:お問い合わせフォームかLINEで、見学のご希望をお知らせください。資料のご希望も同じ窓口から受け付けています。
- 見学の日程調整:本人の体調やホームの予定に合わせて日程を決めます。支援者の方の同行や、事前に伝えたいことは、見学のご相談時に調整します。
- 見学・体験:実際の作業の様子を本人に見てもらい、興味があれば体験を検討します。
- 手続きの確認:サービスの申請や計画は、相談支援専門員と市区町村の窓口で進めていただきます。
- 通所開始:週1日からの通所もご相談いただけるので、ホームの暮らしに合わせて少ない日数から始められます。
「まだ本人の気持ちが固まっていない」という段階でも、まず支援者の方からご相談いただいて大丈夫です。見学・相談のお問い合わせから、質問だけでも大丈夫です。
グループホームの入居者の日中活動先探しについてよくある質問
Q. グループホームの世話人が、入居者のB型見学に付き添ってもいいですか?
A. 本人が希望し、ホームの体制で対応できる場合は、付き添って一緒に見学する形も考えられます。付き添えるかどうかや人数は事業所ごとに扱いが違うため、問い合わせの時点で相談しておくと安心です。ぽちぽちの道では、支援者の方の同行について見学のご相談時に調整します。
Q. 入居者の日中活動先を探すとき、世話人とサービス管理責任者はどう分担すればいいですか?
A. 一般的には、世話人や生活支援員が日々の様子や通い方の情報を集め、サービス管理責任者が本人の希望を個別支援計画に反映して連絡調整の窓口を整える分担が考えられます。サービスの利用計画は相談支援専門員が作るため、三者で情報を持ち寄ると進めやすくなります。実際の分担はホームの体制に合わせて決めてください。
Q. 日中活動をしていないグループホームの入居者には、ホームとして何ができますか?
A. 相談支援事業所などと連携して、新しい日中活動の情報を本人に届けることが、国のガイドラインでもホームの支援として示されています。本人の関心を聞き取り、見学に一緒に行ける候補を探すところから始めると負担が少なくなります。通う日数を少なくして始められる事業所もあります。
Q. グループホームの入居者がB型を休む日は、誰が事業所に連絡すればいいですか?
A. 本人が連絡できる場合は本人から、難しい場合は支援者が代わりに伝えるなど、通所を始める前に決めておくのが基本です。体調が悪い日は無理に通所させず、必要に応じて受診につなぐことを優先してください。連絡手段は事業所と相談して決めましょう。
Q. ぽちぽちの道に、グループホームの職員から見学や資料の相談をしてもいいですか?
A. はい、グループホームの世話人やサービス管理責任者の方からのご相談も受け付けています。見学のご希望も資料のご希望も、お問い合わせフォームかLINEからお知らせください。ぽちぽちの道はB型の事業所で、グループホームの運営や紹介は行っていません。
まとめ
グループホームの入居者の日中活動先を探すときは、通所距離、通う日数、作業の相性、見学の段取りの4点をホームの支援者が一緒に確かめると、本人に合う候補を見つけやすくなります。ホームは日中活動先との連絡調整に努めることがガイドラインで示されており、休む日の連絡や体調不良時の対応を先に決めておくと、通所を長く続けやすくなります。サービスの申請や費用の個別の判断は、相談支援専門員と市区町村の窓口で確認してください。
ぽちぽちの道は、志木駅東口から徒歩2分、週1日からの通所も相談できるIT・パソコン作業に特化したB型事業所です。気になったら、支援者の方からのご相談だけでも大丈夫です。家族・支援者向けの記事は「家族・支援者向けB型ガイド総まとめ」に、見学で確認したい項目は「B型事業所の選び方チェックリスト」にまとめています。
支援者の方が体験の場で何を見ればよいかは、B型の体験で何を見極める?支援者向け|PC・AI作業の観察ポイントにまとめています。
- 見学だけでもOK
- その場で決めなくてOK
- ご家族・支援者と参加OK
何かを始めたい、新しい一歩を踏み出したい方へ
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

