「受給者証」「工賃」「サビ管」——就労支援の世界は、初めて聞く用語だらけです。この記事では、就労継続支援B型でよく出る用語50語を、5つのグループに分けてやさしく解説します。初めて福祉制度に触れる本人・ご家族・支援者の方向けに、志木駅徒歩2分のB型事業所「ぽちぽちの道」がまとめました。
就労継続支援の用語は、まずこの50語で大丈夫
就労継続支援B型のまわりでよく出る用語は、この記事の50語をおさえればほぼ足ります。最初に全部覚える必要はありません。「分からない言葉に出会ったら、このページに戻って引く」という辞典の使い方で大丈夫です。
50語は、次の5つのグループに分けて紹介します。
- 制度・サービスの名前の用語(10語)
- 利用の手続きで出る用語(10語)
- 手帳・対象にかかわる用語(10語)
- 事業所のしくみ・スタッフの用語(10語)
- お金と通い方の用語(10語)
それぞれの意味は、「○○とは、〜です」の形の1〜2文にまとめました。制度の正式な内容や最新情報は、厚生労働省「障害福祉サービス等」のページで確認できます。また、金額や日数など市区町村・事業所によって変わるものは、お住まいの窓口や見学先で個別に確認してください。
①制度・サービスの名前の用語(10語)
まずは、サービスそのものの名前です。就労継続支援B型を中心に、比較されることの多いサービスを10語まとめました。名前は似ていても、雇用契約の有無や目的が少しずつ違います。
| 用語 | やさしい説明 |
|---|---|
| 障害者総合支援法 | 障害者総合支援法とは、障害のある方の生活と働くことを支えるサービスを定めた法律です。B型もこの法律にもとづいています。 |
| 障害福祉サービス | 障害福祉サービスとは、障害者総合支援法にもとづく支援サービスの総称です。介護の支援と、働く練習などの訓練の支援に大きく分かれます。 |
| 訓練等給付 | 訓練等給付とは、障害福祉サービスのうち、働くことや生活の訓練に関する給付のグループです。B型・A型・就労移行支援などが含まれます。 |
| 就労継続支援B型 | 就労継続支援B型とは、雇用契約を結ばずに、自分のペースで働ける福祉サービスです。作業の対価として工賃を受け取ります。 |
| 就労継続支援A型 | 就労継続支援A型とは、事業所と雇用契約を結んで働く福祉サービスです。給料(賃金)が支払われ、最低賃金が適用されます。 |
| 就労移行支援 | 就労移行支援とは、一般企業への就職を目指して、訓練や就職活動の支援を受けるサービスです。利用期間は原則2年です。 |
| 就労定着支援 | 就労定着支援とは、就職したあとに、仕事を長く続けられるよう生活面などを支えるサービスです。 |
| 就労選択支援 | 就労選択支援とは、2025年10月に始まった、自分に合う働き方を選ぶための新しいサービスです。働く前に得意・苦手や希望を整理します。 |
| 自立訓練(生活訓練) | 自立訓練(生活訓練)とは、生活リズムや体調管理など、暮らしの土台を整える練習をするサービスです。 |
| 地域活動支援センター | 地域活動支援センターとは、創作活動や交流の機会を提供する地域の通いの場です。市区町村の事業として運営されます。 |
このグループで最初におさえたいのは、就労継続支援B型です。対象者・利用料・工賃などのくわしい内容は「就労継続支援B型とは?」で1記事にまとめているので、深く知りたい方はそちらをご覧ください。
②利用の手続きで出る用語(10語)
次は、利用を申し込むときに出てくる手続きの用語です。市区町村とのやりとりや書類で使われる10語をまとめました。窓口で見かけて意味が分からなかったら、ここで確認してください。
| 用語 | やさしい説明 |
|---|---|
| 受給者証 | 受給者証(障害福祉サービス受給者証)とは、障害福祉サービスを利用するために市区町村が交付する証明書です。B型の利用にも必要です。 |
| 支給申請 | 支給申請とは、「このサービスを使いたい」と市区町村の障害福祉の窓口に申し込む手続きです。 |
| 支給決定 | 支給決定とは、市区町村が「どのサービスを、どれだけ使えるか」を決めることです。決定されると受給者証が交付されます。 |
| 支給量 | 支給量とは、ひと月に利用できるサービスの量のことです。「月◯日」のように受給者証に記載されます。 |
| 障害支援区分 | 障害支援区分とは、必要とされる支援の度合いを示す指標です(非該当・区分1〜6)。B型の利用には原則として区分の認定は必要ありません。 |
| サービス等利用計画 | サービス等利用計画とは、どのサービスをどう使うかをまとめた計画書です。申請のときは、その案(計画案)を提出します。 |
| セルフプラン | セルフプランとは、相談支援専門員に依頼せず、本人や家族が自分でサービス等利用計画を作る方法です。 |
| モニタリング | モニタリングとは、計画どおりにサービスを使えているかを、相談支援専門員が定期的に確認・見直しすることです。 |
| 暫定支給決定 | 暫定支給決定とは、本格的な利用の前に、サービスが合うかを一定期間ためす仕組みです。就労移行支援やA型などで行われます。 |
| 利用契約 | 利用契約とは、利用を始めるときに本人と事業所が結ぶ契約です。B型の場合、雇用契約とは別のものです。 |
手続きの用語は、出てくる順番とセットで知ると一気に分かりやすくなります。相談から利用開始までの順序は「B型の利用までの流れ」で解説しています。
③手帳・対象にかかわる用語(10語)
障害者手帳に関する用語と、「だれが使えるの?」にかかわる用語です。就労継続支援B型は、手帳がなくても利用できる場合があるサービスです。言葉の意味を知らないまま「自分は対象外だ」と諦めてしまわないために、この10語をおさえておきましょう。
| 用語 | やさしい説明 |
|---|---|
| 障害者手帳 | 障害者手帳とは、身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳の3種類の総称です。B型は手帳がなくても利用できる場合があります。 |
| 身体障害者手帳 | 身体障害者手帳とは、身体に障害のある方に交付される手帳です。 |
| 療育手帳 | 療育手帳とは、知的障害のある方に交付される手帳です。自治体によって「愛の手帳」など名前が異なります。 |
| 精神障害者保健福祉手帳 | 精神障害者保健福祉手帳とは、精神障害のある方に交付される手帳です。等級は1〜3級で、有効期限は2年です。 |
| 等級 | 等級とは、手帳などで障害の程度を表す区分のことです。手帳の種類ごとに分け方が異なります。 |
| 更新 | 更新とは、手帳や受給者証を、有効期限のあとも続けて使うための手続きです。期限が切れる前に市区町村の窓口で行います。 |
| 診断書 | 診断書とは、医師が病名や心身の状態を記載する書類です。手帳の申請やB型の利用手続きで求められることがあります。 |
| 主治医 | 主治医とは、ふだん継続して診てもらっている医師のことです。手続きでは、主治医の意見や診断書が必要になる場面があります。 |
| 自立支援医療(精神通院医療) | 自立支援医療とは、精神科などへの通院にかかる医療費の自己負担を軽くする制度です。申請は市区町村の窓口で行います。 |
| 難病(対象疾病) | 難病(対象疾病)とは、障害者総合支援法の対象に含まれる病気のことです。対象の難病がある方は、手帳がなくても障害福祉サービスを利用できる場合があります。 |
④事業所のしくみ・スタッフの用語(10語)
事業所の中のしくみと、支援にかかわる人の呼び名です。見学や面談では、このグループの用語によく出会います。「誰が、何をしてくれる人か」が分かると、質問や相談がぐっとしやすくなります。
| 用語 | やさしい説明 |
|---|---|
| サービス管理責任者(サビ管) | サービス管理責任者とは、個別支援計画を作り、事業所の支援全体をまとめる責任者です。「サビ管」と略されます。 |
| 職業指導員 | 職業指導員とは、作業のやり方を教え、働く面をサポートするスタッフです。 |
| 生活支援員 | 生活支援員とは、体調や生活の相談にのり、暮らしの面をサポートするスタッフです。 |
| 相談支援専門員 | 相談支援専門員とは、サービス等利用計画を作り、サービス利用の全体を支える専門職です。事業所の外の「相談支援事業所」に所属します。 |
| 相談支援事業所 | 相談支援事業所とは、相談支援専門員が在籍し、計画づくりやサービスの調整(計画相談)を行う事業所です。 |
| 基幹相談支援センター | 基幹相談支援センターとは、地域の障害のある方の相談支援の中核を担う窓口です。どこに相談すればよいか分からないときの入り口になります。 |
| 個別支援計画 | 個別支援計画とは、事業所が作る一人ひとりの支援の計画書です。目標や支援内容を、サービス管理責任者が中心になってまとめます。 |
| アセスメント | アセスメントとは、支援を始める前に、本人の状態・力・希望などを確認する取り組みです。面談などの形で行われます。 |
| 多機能型事業所 | 多機能型事業所とは、B型と就労移行支援など、複数のサービスを一つの事業所で行う形のことです。 |
| 定員 | 定員とは、事業所が1日に受け入れられる利用者の人数です。空き状況にかかわるため、見学のときに確認すると安心です。 |
⑤お金と通い方の用語(10語)
最後に、お金と通い方の用語です。工賃や利用者負担など、生活に直結する10語をまとめました。金額は事業所や市区町村、世帯の状況によって変わるため、具体的な数字は必ず個別に確認してください。
| 用語 | やさしい説明 |
|---|---|
| 工賃 | 工賃とは、B型で作業した対価として受け取るお金です。雇用契約を結ばないため、給料(賃金)ではなく工賃と呼ばれます。 |
| 平均工賃 | 平均工賃とは、その事業所の利用者が受け取る工賃の平均額です。事業所ごとに異なり、選ぶときの目安の一つになります。 |
| 利用者負担 | 利用者負担とは、障害福祉サービスを使うときに支払うお金です。所得に応じて決まり、負担なしで利用できる方も多くいます(金額は市区町村に確認)。 |
| 負担上限月額 | 負担上限月額とは、利用者負担として1か月に支払う金額の上限です。世帯の所得に応じて区分が決まります。 |
| 実費 | 実費とは、昼食代や材料費など、サービスの利用料とは別に自分で支払うお金です。何が実費になるかは事業所で異なります。 |
| 通所 | 通所とは、事業所に通って作業や支援を受けることです。通う日数や時間は、体調に合わせて相談しながら決めていきます。 |
| 在宅利用 | 在宅利用とは、事業所に通わずに、自宅で作業に取り組む利用のしかたです。できるかどうかは、事業所と市区町村への確認が必要です。 |
| 送迎 | 送迎とは、事業所が車などで自宅や最寄り駅との行き帰りを支援することです。送迎の有無は事業所によって異なります。 |
| 体験利用 | 体験利用とは、契約の前に、実際の作業や雰囲気をためしに経験することです。見学(見て話を聞くこと)の次のステップにあたります。 |
| ピアサポート | ピアサポートとは、同じような障害や経験のある仲間どうしで支え合うことです。「ピア」は仲間という意味です。 |
お金の用語でいちばん質問が多いのは工賃です。平均額の数字だけで事業所を選ばない方がよい理由を「就労継続支援B型の工賃とは」で解説しています。
ぽちぽちの道の場合|用語が分からないまま相談して大丈夫
「言葉の意味がよく分からないから、問い合わせはまだ早い」と構える必要はありません。用語は、相談しながら覚えていけば十分です。分からないまま一人で調べ続けるより、支援者に聞いてしまう方が早く、正確です。
ぽちぽちの道(運営:株式会社イチドキリ)は、埼玉県志木市・東武東上線「志木駅」徒歩2分にある、生成AI特化型の就労継続支援B型事業所です。事業所内では生成AI「ぽちぽちAI」を業務の相棒として使っており、作業中に知らない言葉が出てきたら、AIに聞いたり、スタッフにそのまま質問したりしながら進められます。できる作業の内容はデータ入力やCanvaでの画像づくりなどパソコン作業が中心で、パソコンが苦手な方・未経験の方も歓迎です。週1日からの通所も相談できます。
「受給者証はまだ持っていないけど大丈夫?」「支給量って何のこと?」——そんな段階のご質問こそ歓迎です。LINEでの相談や見学は、用語の意味の確認からで大丈夫。まず質問をひとつ送るだけでもかまいません。
就労支援の用語についてよくある質問
Q. 就労支援の用語が分からないまま、見学や相談に行ってもいいですか?
A. はい、大丈夫です。用語を知らない状態で相談するのは当たり前のことで、支援者の側も慣れています。分からない言葉が出てきたら、その場で「どういう意味ですか」と聞いてかまいません。ぽちぽちの道でも、言葉の意味の確認からLINEで相談できます。
Q. 受給者証とは何ですか?障害者手帳とは別の言葉ですか?
A. 受給者証とは、障害福祉サービスを利用するために市区町村が交付する証明書のことで、障害者手帳とは別のものです。B型の利用には受給者証が必要ですが、手帳がなくても利用できる場合があります。申請は、お住まいの市区町村の障害福祉の窓口で行います。
Q. B型でよく聞く「工賃」とは、給料と違う言葉ですか?
A. はい、別の言葉です。工賃とは、B型で作業した対価として受け取るお金のことです。B型は雇用契約を結ばないため、賃金(給料)ではなく工賃と呼ばれ、金額や支払い方は事業所ごとに異なります。くわしい金額は、見学のときに確認してみてください。
Q. サビ管と相談支援専門員は、どう違う用語ですか?
A. サビ管(サービス管理責任者)とは、事業所の中で個別支援計画を作る責任者のことです。相談支援専門員とは、事業所の外(相談支援事業所)でサービス等利用計画を作る専門職のことです。「事業所の中の計画の人」「外の計画の人」と覚えると区別しやすいです。
Q. 用語の意味は、誰に聞けば教えてもらえますか?
A. 市区町村の障害福祉の窓口、相談支援専門員、気になっている事業所のスタッフなど、どこに聞いても大丈夫です。迷ったときは、地域の相談の入り口である基幹相談支援センターも使えます。見学の場でまとめて質問するのもおすすめです。
まとめ|用語は「出会ったときに引く」で十分
就労継続支援でよく出る用語50語を、5つのグループに分けて解説しました。用語は全部覚えるものではなく、分からない言葉に出会ったときに引けば十分です。意味が分からないままにせず、市区町村の窓口・相談支援専門員・事業所のスタッフなど、身近な誰かに聞いてみてください。
ぽちぽちの道は、用語の意味の質問から受け付けている、志木駅徒歩2分のB型事業所です。気になったら、LINEでの相談から始めてみてください。質問ひとつだけでも大丈夫です。事業所を選ぶ段階に進んだら「B型事業所の選び方チェックリスト」も参考にしてください。
- 60分個別相談
- 利用前提で
なくてOK - 準備不要
同伴者OK
B型事業所がはじめて、続けられるか不安…
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

