「もらった工賃をすぐ使ってしまう」「通帳や支払いの管理が苦手で不安」——そんな方へ。この記事では、お金の管理が苦手なときに試せる工賃のつかい方の工夫と、金銭管理を手伝ってもらえる相談先を、本人・ご家族・相談支援員の方向けに整理しました。志木駅から徒歩2分・生成AI特化の「ぽちぽちの道」も、お金やくらしの不安を見学・相談で受け止めています。
お金の管理が苦手なときは、工夫と相談先の両方で大丈夫
お金の管理が苦手でも、自分なりの工夫と、頼れる相談先を知っておけば大丈夫です。お金の管理は「きちんとできるか・できないか」の二択ではなく、仕組みで補ったり、人に手伝ってもらったりして、少しずつラクにしていけるものだからです。
まず、考え方の結論を3点でまとめます。
- 完璧を目指さない:1円単位で管理しようとせず、「使うお金」と「残すお金」を分けるだけでも家計は見えやすくなります
- 仕組みで補う:袋分け・自動振替・上限を決めた電子マネーなど、意思の力に頼らない方法を使う
- 一人で抱えない:判断能力に不安があるときは、社会福祉協議会の「日常生活自立支援事業」など、金銭管理を手伝う公的な支援があります
工賃や年金の具体的な金額、使える制度の細かい条件は、一人ひとりの状況で変わります。この記事では金額を断定せず、つかい方の工夫と相談先の整理に絞って紹介します。ご自身に合う方法や制度は、後半で紹介する相談先で確認してください。
工賃のつかい方を「見える化」する基本(袋分け・記録)
お金の管理が苦手なときの第一歩は、工賃を「見える化」することです。見える化とは、お金の流れ(入ってくるお金・出ていくお金・残るお金)を、頭の中ではなく目に見える形にしておくことです。記憶や意思に頼らず、紙やアプリ、現金の置き場所で「見えるようにする」と、使いすぎや不足に早く気づけます。
工賃とは、就労継続支援B型などで作業に取り組んだことへの対価として受け取るお金のことです。給料(雇用契約にもとづく賃金)とは仕組みが異なり、自分のペースで働いた分が支払われます。工賃そのもののしくみは「B型の工賃とは?」でくわしく解説しています。
見える化のやり方には、いくつかの定番があります。自分に合いそうなものを1つ試すところから始めてください。
| 方法 | やり方 | 向いている人 |
|---|---|---|
| 袋分け(封筒分け) | 「食費」「通信費」「お楽しみ」など、用途ごとに現金を封筒に分ける | 現金のほうが管理しやすい・使いすぎを止めたい人 |
| 1日の予算を決める | 1週間ぶんを7で割り、「今日使えるのは○円」と決める | 月の前半で使い切ってしまいがちな人 |
| 自動で取り分ける | 工賃や年金が入ったら、先に一定額を別口座へ移す(先取り) | 残すお金を後回しにしてしまう人 |
| アプリで記録 | 家計簿アプリやスマホのメモに、使った額をその場で打つ | スマホを使い慣れている人 |
大切なのは、続けられる方法を1つだけ選ぶことです。最初から複数を完璧にやろうとすると続きません。「封筒を3つ作る」「使ったらレシートを箱に入れる」といった、手間の少ない方法から始めましょう。1か月続けてみて、合わなければ別の方法に変えて大丈夫です。
電子マネーやキャッシュレス決済を使うときは、チャージ上限を低めに設定しておくと、使いすぎの歯止めになります。逆に、現金を持つと使ってしまう方は、必要な分だけ財布に入れて残りは家に置く、という分け方も有効です。お金の管理が苦手なこと自体は、性格の問題ではなく「相性の合う仕組みにまだ出会っていないだけ」と考えると、気持ちがラクになります。
自分での管理が難しいときの相談先(日常生活自立支援事業など)
工夫だけでは管理が難しいと感じたら、金銭管理を手伝ってくれる公的な支援に相談できます。代表的なのが、社会福祉協議会(社協)が行う日常生活自立支援事業です。これは、認知症・知的障害・精神障害などで判断能力に不安があり、自分一人で日常的なお金の管理や福祉サービスの契約をするのが難しい方を対象に、利用者との契約にもとづいて支援する事業です。制度の概要は、厚生労働省「日常生活自立支援事業」で確認できます。
日常生活自立支援事業で手伝ってもらえることの例は、次のとおりです(できる範囲や利用料は、お住まいの社協で異なります)。
- 福祉サービスの利用援助:サービスの選び方や契約手続きを一緒に進める
- 日常的な金銭管理:生活費の払い戻し・公共料金や利用料の支払いなどを手伝う
- 書類等の預かり:通帳や印鑑、証書などを安全に預かる
どこに相談すればよいか迷ったときの進め方を、順番に整理します。
- お住まいの市区町村の社会福祉協議会に問い合わせる:「お金の管理が苦手で困っている」と伝える
- 相談支援専門員がいれば、あわせて相談する:ふだんの支援とつなげて考えられる
- どんな手伝いが必要かを整理する:支払いだけ・通帳の預かりも、など希望を伝える
- 利用するかを決める:契約内容・利用料を確認し、納得してから始める
相談の前に、次の点をメモしておくと話がスムーズです。すべてを正確に書く必要はなく、分かる範囲で大丈夫です。
- [ ] 今、毎月だいたいいくら入ってくるか(工賃・年金・手当など、ざっくりで)
- [ ] 何に困っているか(使いすぎる・支払いを忘れる・通帳の管理が不安、など)
- [ ] 通帳や印鑑、請求書がどこにあるか分かっているか
- [ ] すでに関わっている相談支援専門員や事業所があるか
- [ ] 家族など、一緒に考えてくれる人がいるか
なお、判断能力が著しく低下していて、財産や契約をより広く守る必要がある場合は、日常生活自立支援事業ではなく成年後見制度が向いていることがあります。両者は対象や支援の範囲が異なるため、どちらが合うかは社協や市区町村の窓口で相談して決めるのが安心です。成年後見制度のしくみは「成年後見制度をやさしく解説」で整理しています。生活費・年金・借金など困りごと別の相談先全体は「お金の不安が大きいとき、相談できる窓口は」も参考になります。
ぽちぽちの道の場合(お金の不安も、まず相談から)
お金の管理が苦手なことは、就労継続支援B型に通うかどうかを考えるときにも、ご本人やご家族の頭をよぎります。「工賃をもらっても、ちゃんと管理できるか不安」——そんな気持ちは自然なことです。ただ、B型に通うために、お金の管理が得意である必要はありません。多くの方が、自分なりの工夫や周りのサポートを使いながら通っています。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、生成AI・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)。お金の専門窓口ではありませんが、スタッフが日々の困りごとを聞き、内容に応じて社会福祉協議会や相談支援専門員などの適切な窓口へおつなぎできます。「お金の管理が苦手で不安」という段階でも、まず話してもらえれば、一緒に次の一歩を整理できます。
作業はパソコン中心で、データ入力やCanvaでの画像づくり、生成AI(ぽちぽちAI)を使った文章の下書きなどに、未経験から取り組めます。パソコンが苦手な方も、スタッフと生成AIがサポートするので心配いりません。工賃などお金に関わることは作業内容や状況によって変わるため、詳しくは見学時にご案内します。続けるほどパソコンやAIのスキルが身につくので、将来の働き方を考える土台づくりにもつながります。
「自分の場合、お金の管理をどう工夫すればいい?」「どこに相談すればいい?」というときは、見学の際に気持ちを聞かせてください。週1日からの通所もご相談いただけるので、体調や生活リズムに合わせて無理のないペースで始められます。「いきなり見学は不安」という方は、LINEでの相談や見学から始めても大丈夫です。まず質問だけでも大丈夫です。
お金の管理が苦手な方からよくある質問
Q. お金の管理が苦手でも、工賃をもらいながらB型に通って大丈夫ですか?
A. 大丈夫です。B型に通うために、お金の管理が得意である必要はありません。多くの方が、袋分けや家計簿アプリなど自分に合う工夫や、周りのサポートを使いながら通っています。管理に強い不安があるときは、社会福祉協議会など金銭管理を手伝う相談先もあるので、一人で抱え込まなくて大丈夫です。
Q. 工賃の使い方が分からず、もらうとすぐ使ってしまいます。どうすればいいですか?
A. まずは「使うお金」と「残すお金」を物理的に分けるのがおすすめです。用途ごとに現金を封筒に分ける袋分けや、工賃が入ったら先に一定額を別口座へ移す「先取り」が定番です。電子マネーはチャージ上限を低めに設定すると使いすぎの歯止めになります。意思の力ではなく仕組みで補うのがコツです。
Q. お金の管理を手伝ってもらえる「日常生活自立支援事業」とは何ですか?
A. 日常生活自立支援事業とは、社会福祉協議会が行う、判断能力に不安のある方の金銭管理や福祉サービス利用を手伝う事業です。生活費の払い戻しや公共料金の支払い、通帳・印鑑の預かりなどを、利用者との契約にもとづいて支援します。利用できる範囲や利用料はお住まいの社協で異なるため、まずは地域の社協に相談してください。
Q. 日常生活自立支援事業と成年後見制度は、何が違いますか?
A. 大きな違いは、対象と支援の範囲です。日常生活自立支援事業は、判断能力に不安はあるが契約内容を理解できる方の、日常的なお金の管理などを手伝います。成年後見制度は、判断能力が著しく低下した方の財産や契約をより広く守る制度です。どちらが合うかは状況で変わるため、社協や市区町村の窓口で相談して決めると安心です。
Q. ぽちぽちの道では、お金の管理が苦手なことも相談できますか?
A. はい、相談していただけます。ぽちぽちの道はお金の専門窓口ではありませんが、スタッフが困りごとを聞き、社会福祉協議会や相談支援専門員などの適切な窓口へおつなぎできます。志木駅徒歩2分で、週1日からの通所も相談できます。お金やくらしの不安があって通所をためらっている方も、まずは見学やLINEで気持ちを聞かせてください。
まとめ
お金の管理が苦手でも、自分に合う工夫と、頼れる相談先の両方を知っておけば大丈夫です。工賃は袋分けや先取りで「見える化」し、意思ではなく仕組みで補うのがコツです。工夫だけでは難しいときは、社会福祉協議会の日常生活自立支援事業など、金銭管理を手伝う公的な支援に相談できます。どの方法や制度が合うかは状況で変わるため、社協や市区町村の窓口、相談支援専門員に確認してください。
ぽちぽちの道は、お金やくらしの不安も相談しながら、自分のペースで働ける、志木駅徒歩2分のB型事業所です。「自分の場合はどう進めればいい?」と迷ったら、LINEでの相談や見学から始めてみてください。質問だけでも大丈夫です。事業所選びは「B型事業所の選び方チェックリスト」も参考にしてください。
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

