ご家族が長く引きこもっていると、「このままで大丈夫だろうか」「どう声をかけたらいいのか」と、不安や戸惑いを抱える方は少なくありません。この記事では、引きこもり期間が長い本人を支えるご家族に向けて、焦らせず否定しない関わり方と、ご家族自身が持っておきたい相談先を整理します。すぐに動かそうとしなくて大丈夫です。東武東上線「志木駅」から徒歩2分の「ぽちぽちの道」でも、ご家族からの相談を受け付けています。
引きこもり期間が長くても、焦らせず安心できる関係を保ちながら小さな一歩を一緒に探すことが大切です
引きこもり期間が長い本人を支えるときに大切なのは、焦らせて外に出そうとすることではなく、安心できる関係を保ちながら、本人のペースで小さな一歩を一緒に探していくことです。同時に、ご家族だけで抱え込まず、相談できる先を持っておくことも欠かせません。すぐに就労や自立をゴールに据える必要はありません。
まず知っておいてほしいのは、次の3点です。
- 引きこもりの背景や期間は人によって大きく異なり、長期化は本人やご家族の責任ではありません
- 無理に外へ引き出そうとするより、安心できる関係と居場所を保つことが、結果的に次の一歩につながりやすくなります
- ご家族自身も疲れをためやすいため、相談先を持ち、休む時間をつくることが本人を支える土台になります
引きこもりとは、仕事や学校などの社会的な参加を避け、おおむね家庭にとどまる状態が続くことを指す言葉です。病気の名前ではなく、状態を表す言葉である点をまず押さえておくと、「治す・治さない」ではなく「どう関わるか」に目を向けやすくなります。ここからは、具体的な関わり方と相談先を順に見ていきます。
ご家族の関わり方|焦らせず否定せず、安心できる関係を保ちます
ご家族の関わり方の基本は、焦らせない・否定しない・安心できる関係を保つ・無理に就労を急がない・小さな一歩を大切にするの5つです。どれも「何かをさせる」のではなく、本人が安心していられる土台を整える関わりです。長く引きこもっている本人ほど、責められたり急かされたりすると、さらに心を閉ざしてしまうことがあります。
安心できる関係とは、本人が「ここにいていい」「責められない」と感じられる状態のことです。会話の量や外出の有無よりも、家庭が安全な場所であり続けることが先に来ます。次の表で、5つの関わり方を、避けたい対応と望ましい対応に分けて整理します。
| 関わり方 | 避けたい対応の例 | 望ましい対応の例 |
|---|---|---|
| 焦らせない | 「いつまでこうしているの」と急かす | 本人のペースを尊重し、期限で追い込まない |
| 否定しない | 過去や性格を責める・他人と比べる | 今の状態をいったん受けとめる |
| 安心できる関係を保つ | 不安や苛立ちをそのままぶつける | 挨拶や短い声かけなど、安全な接点を保つ |
| 無理に就労を急がない | 「働かないと」と結論を迫る | まずは生活リズムや体調を優先する |
| 小さな一歩を大切にする | 大きな変化だけを評価する | 短い外出・会話・興味の話を一緒に喜ぶ |
ここで言う「小さな一歩」とは、就労のような大きな目標ではなく、短い外出、家族との何気ない会話、好きなことや興味のある話題など、本人が負担なくできることを指します。一歩進んでまた休む日があっても自然なことで、行ったり戻ったりを繰り返しながら進むものだと考えてください。小さな変化を「まだ働けていない」と捉えず、進んだ部分として一緒に受けとめることが、本人の安心につながります。
なお、無理に部屋から引き出したり、就労を強く促したりすることは、本人の安全と安心をかえって損なうおそれがあります。本人が強い苦痛を抱えていそうなときや、対応に迷うときは、ご家族だけで判断せず、次の章で紹介する専門の相談先に相談してください。
ご家族が持っておきたい相談先|抱え込まずに頼れる窓口
ご家族が持っておきたいのは、ひきこもり地域支援センター・相談支援事業所・自治体の福祉窓口・家族会といった、公的・専門的な相談先です。本人が動けない時期でも、ご家族だけで相談できる窓口があります。一人で抱え込まず、早めに「相談できる先」をいくつか確保しておくことが、長く支えるうえで大きな助けになります。
まずは、次のチェックリストで、頼れる相談先を確認してみてください。すべてを一度に使う必要はなく、相談しやすそうなところから一つ選ぶだけで十分です。
- ひきこもり地域支援センター:ひきこもりに関する相談を専門に受ける、都道府県・指定都市などの窓口です。本人・家族のどちらからでも相談できます
- 市区町村の福祉窓口(障害福祉・福祉相談):お住まいの自治体の窓口で、利用できる制度や地域の支援につないでもらえます
- 相談支援事業所(相談支援専門員):福祉サービスの利用を考えるとき、計画づくりや事業所選びを一緒に進めてくれます
- 家族会・家族向けの相談:同じ立場のご家族が集まり、経験や情報を分かち合える場です。「うちだけではない」と思えることも支えになります
- 保健所・精神保健福祉センター:心の健康に関する相談を受け付けており、必要に応じて医療や福祉につないでもらえます
どこに相談すればよいか迷うときは、まずお住まいの市区町村の福祉窓口か、ひきこもり地域支援センターに連絡すると、状況に合った窓口を案内してもらいやすいです。これらの公的な相談は、本人を交えず、ご家族だけで利用できます。
そして忘れてほしくないのが、ご家族自身のケアです。長く支える中で、ご家族が疲れきってしまうことは珍しくありません。次の点を、ご家族自身のために心に留めておいてください。
- ご家族にも休む時間が必要です。すべてを一人で背負わず、家族内で役割を分けたり、外部に頼ったりして構いません
- つらさや不安を、相談窓口や家族会で言葉にするだけでも気持ちが軽くなることがあります
- 「自分の関わり方が悪かったのでは」と自分を責める必要はありません。長期化は誰か一人の責任ではありません
ご家族が安心して相談でき、休める状態であることが、本人にとっても安定した居場所を保つ土台になります。
ぽちぽちの道の場合|週1や短時間から・在宅練習も相談でき、LINEで質問できます
就労を少し意識できる段階になったとき、ぽちぽちの道では、週1日や短時間から相談でき、まずはLINEでの相談や見学から始められます。本人がまだ動けない段階でも、ご家族だけで情報を見たり相談したりできるため、急がせずに「いつか動きたくなったとき」の選択肢として知っておけます。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、生成AI・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)。長く引きこもっていた方や、人と関わるのが負担な方にも検討しやすい特徴を、次のように整理できます。
- まずLINEで相談できる:いきなり見学や通所をしなくても、質問だけでも大丈夫です。本人に代わって、ご家族が相談しても構いません。
- 週1日・短時間から相談できる:はじめから多くの日数を通う必要はありません。体調や生活リズムに合わせて、無理のない頻度から相談できます。
- 在宅での練習という選択肢も相談できる:いきなり通うのが難しい場合に、在宅での練習を相談できるかどうかを含めて、負担の小さい形から検討できます。
- 一人でも取り組みやすいパソコン作業が中心:データ入力やCanvaでの画像づくり、生成AIを使った文章作成など、自分のペースで黙々と進められる作業が中心です。大人数で会話しながら進める作業が苦手な方にも向いています。
ぽちぽちの道は、本人を焦らせて通わせる場所ではありません。「パソコンは苦手」という方も、電源の操作や文字入力からスタッフがサポートし、生成AIも活用しながら少しずつ慣れていけます。どんな作業をするのかは、実際の作業を見ていただくと分かりやすいです。志木駅徒歩2分・東武東上線沿線エリアにお住まいで、「いつかは」と感じているご家族・ご本人は、まずはLINEでの相談から始めてみてください。すぐに見学や通所を決める必要はありません。合わないと感じたら、別の方法やほかの支援を一緒に考えることもできます。
なお、就労継続支援B型を利用するには受給者証が必要で、申請はお住まいの市区町村の窓口で行います。手続きや進め方が分からないときは、見学時にもご案内しますので、ご家族だけでも気軽にご相談ください。週1日から無理なく始める考え方は、関連コラム「B型事業所は週1日からでも通える?無理なく始める考え方」も参考になります。本人がひきこもり気味の状態からB型を検討する始め方は、関連コラム「ひきこもり気味の方へ|東上線沿線のB型を週1から検討する始め方」で詳しく解説しています。
工賃は作業内容や通所日数によって変わります。金額だけで判断せず、実際の雰囲気を見ていただくのがおすすめなので、詳しくは見学時にご案内します。
引きこもり期間が長い家族の支え方についてよくある質問
Q. 引きこもりが長く続いていますが、無理にでも外に出したほうがいいですか?
A. 無理に外へ引き出そうとすることはおすすめしません。本人の安全と安心が最優先で、急かされると心を閉ざしてしまうことがあります。まずは安心できる関係を保ちながら、短い外出や会話など小さな一歩を一緒に探し、迷うときは専門の相談先に相談してください。
Q. どんな言葉をかけたらいいか分かりません。親としてどう対応すればいいですか?
A. 「いつまで」「働かないと」と急かす言葉より、挨拶や短い声かけなど安全な接点を保つことを大切にしてください。過去や性格を責めたり他人と比べたりせず、今の状態をいったん受けとめる姿勢が、本人の安心につながります。対応に迷うときは家族会や相談窓口で相談できます。
Q. 家族だけで支えるのがつらいです。どこに相談できますか?
A. ひきこもり地域支援センター、お住まいの市区町村の福祉窓口、相談支援事業所、家族会などに相談できます。本人を交えず、ご家族だけで相談することも可能です。一人で抱え込まず、休む時間をつくることも、長く支えるうえで大切です。
Q. 就労を考え始めたら、どんなところから始めればいいですか?
A. はじめから週5日の就労を目指す必要はありません。週1日・短時間・在宅での練習など、負担の小さい選択肢から相談するのがおすすめです。ぽちぽちの道でも、週1日や短時間からの相談を受け付けており、本人に代わってご家族が相談しても構いません。
Q. 本人が動けないとき、家族が先に見学や相談をしてもいいですか?
A. はい、ご家族が先に相談・見学しても構いません。本人を交えず、ご家族だけで質問することもできます。ぽちぽちの道でも、ご家族からのLINE相談を受け付けています。情報を見る・相談するだけでも、十分に意味のある一歩です。
まとめ
引きこもり期間が長くても、焦らせて外に出そうとするのではなく、安心できる関係を保ちながら、本人のペースで小さな一歩を一緒に探していくことが大切です。無理な引き出しや就労の強制は避け、本人の安全と安心を最優先にしてください。そして、ひきこもり地域支援センターや自治体の窓口、家族会など、ご家族自身が頼れる相談先を持ち、休むことも忘れないでください。就労を考える段階になったら、週1日・短時間・在宅練習など負担の小さい選択肢から検討できます。ぽちぽちの道でも、ご家族・ご本人のペースに合う形を一緒に探せます。
「本人はまだ動けない」というご家族も、まずは質問だけでも大丈夫です。LINEでの相談から、気軽に始めてみてください。「場所を見てみたい」と思えたら、見学だけでも大丈夫です。
見学前に確認したい項目はB型事業所の選び方チェックリストで一覧にしています。
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

