「障害を会社に伝えて働くか、伝えずに働くか」——働き方を考えるときに迷いやすいのが、オープン就労とクローズ就労の違いです。この記事では、両者の違いとそれぞれのメリット・デメリットを、本人・ご家族・相談支援員の方向けに中立に整理します。どちらが正解と決めつけず、自分に合う選び方の視点までお伝えします。志木駅から徒歩2分・生成AI特化の「ぽちぽちの道」での準備の仕方もあわせて紹介します。
オープン就労とクローズ就労の違いは「障害を開示するかどうか」
オープン就労とクローズ就労の違いは、ひとことで言うと「障害を会社に開示して働くか、開示せずに働くか」です。オープン就労は障害を伝えたうえで必要な配慮を受けながら働く方法、クローズ就労は障害を伝えずに一般の社員と同じ条件で働く方法を指します。
どちらが良い・悪いというものではありません。配慮の受けやすさを取るか、求人の幅広さを取るか——本人の状況や希望によって、合う選び方は変わります。まず両者の違いを、先に整理します。
- オープン就労:障害を開示して働く。配慮を受けやすいが、求人は障害者雇用枠が中心になりやすい
- クローズ就労:障害を開示せずに働く。求人の幅は広いが、障害への配慮は受けにくい
- 共通して大切なこと:どちらを選ぶかは本人が決めるもの。「必ずこちらが良い」という正解はない
なお、ここでいう「開示」は会社(採用担当・職場)に伝えるかどうかの話です。障害者手帳の有無そのものとは別の論点なので、混同しないようにしておくと考えやすくなります。次の章から、それぞれの中身を順に見ていきます。
オープン就労・クローズ就労とは?メリット・デメリットを比較
オープン就労とクローズ就労は、それぞれ「配慮の受けやすさ」と「求人の幅」がちょうど裏返しの関係にあります。配慮を受けやすいオープン就労は求人が絞られやすく、求人が幅広いクローズ就労は配慮を受けにくい、というトレードオフです。まず、それぞれの言葉を定義しておきます。
オープン就労とは、障害があることを会社に開示し、必要な配慮を受けながら働く働き方のことです。 多くは障害者雇用枠での就職となり、勤務時間や業務内容、通院などへの配慮を相談しやすいのが特徴です。障害者雇用枠や法定雇用率といった制度の枠組みは、厚生労働省「障害者雇用対策」のページで確認できます。
クローズ就労とは、障害があることを会社に開示せず、一般の求人枠で働く働き方のことです。 障害について伝えない分、応募できる求人の幅は広がりますが、障害特性に応じた配慮は受けにくくなります。
両者のメリット・デメリットを、表で中立に整理します。
| 観点 | オープン就労(開示する) | クローズ就労(開示しない) |
|---|---|---|
| 障害への配慮 | 受けやすい(勤務時間・業務量・通院など) | 受けにくい |
| 応募できる求人 | 障害者雇用枠が中心になりやすい | 一般枠で幅広く選べる |
| 通院・体調への対応 | 休みや時短を相談しやすい | 自分で調整する必要がある |
| 職場の理解 | 事情を知ってもらったうえで働ける | 事情を伝えずに働く |
| 気をつけたい点 | 求人数や職種が限られることがある | 体調が崩れたとき配慮を求めにくい |
この比較はあくまで一般的な傾向です。実際の配慮の内容や求人の幅は、企業によって大きく異なります。同じオープン就労でも配慮が手厚い職場とそうでない職場があり、クローズ就労でも体調に波がある人が無理なく続けている例もあります。「開示すれば必ず働きやすい」「開示しなければ必ず大変」と一律には言えない、という前提で読んでください。
なお、オープン就労の前提となる障害者雇用そのもののしくみ(障害者雇用枠・障害者手帳・法定雇用率など)は、関連コラム「障害者雇用とは?B型の次のステップとして知る」でくわしく解説しています。あわせて読むと、開示するかどうかの判断がしやすくなります。
どちらを選ぶか考えるときの視点(チェックリスト)
オープン就労とクローズ就労のどちらを選ぶかは、「配慮が必要かどうか」「自分の体調や特性をどこまで職場に共有したいか」を軸に考えると整理しやすくなります。配慮がないと働き続けるのが難しいならオープン就労、配慮より求人の幅を優先したいならクローズ就労、という考え方が出発点です。
正解は一つではありません。次のような視点を、自分の状況に当てはめて確かめてみてください。
- [ ] 通院や服薬のために、休みや勤務時間の調整が必要か
- [ ] 体調に波があり、忙しさや残業を職場に相談したい場面があるか
- [ ] 障害について、職場の人に知っておいてほしいか/知られたくないか
- [ ] やってみたい職種・仕事が、障害者雇用枠にあるか/一般枠にあるか
- [ ] 困ったときに相談できる担当者が、職場にいたほうが安心か
- [ ] 開示する場合、どんな配慮を具体的に伝えられるか(言葉にできているか)
すべてを今すぐ決める必要はありません。迷うときは、ひとりで抱え込まず、相談支援専門員や支援員、主治医にも意見を聞きながら考えると安心です。 体調や生活の状況は変わっていくものなので、「今の自分にはどちらが合うか」という視点で選べば十分です。
また、開示・非開示は「全部話すか、何も話さないか」の二択だけではありません。診断名までは伝えずに「通院のため週1回は決まった曜日に休みたい」など、必要な配慮だけを伝える形をとる人もいます。どこまで・どう伝えるかも含めて、自分のペースで決めていけます。一度クローズで働き始めてから、体調を見てオープンに切り替える人もいれば、その逆もあります。最初の選択がすべてを決めるわけではない、と知っておくと気持ちが楽になります。
ぽちぽちの道の場合(開示するときに「伝えられる強み」を準備する)
働き方を選ぶ前に、「自分にできる作業」と「あったら助かる配慮」を具体的に言葉にできると、オープン就労を選んだときに会社へ伝えやすくなります。ぽちぽちの道は、その準備の場として活用できます。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、生成AI・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)。就職そのものを行う場所ではありませんが、B型で作業に取り組むなかで「自分は何ができるか」「どんな環境だと力を発揮できるか」が少しずつ見えてきます。これは、いざ開示して働くときに「私はこの作業ができます」「この配慮があると安定して働けます」と具体的に伝える材料になります。
作業はパソコン中心で、データ入力やCanvaでの画像づくり、生成AI(ぽちぽちAI)を使った文章の下書きなどに、未経験から取り組めます。こうした作業を続けるほど、パソコンやAIのスキルとして手元に残ります。パソコンが苦手な方も、スタッフと生成AIがサポートするので心配いりません。その日の体調に合わせて作業の進め方を相談できるため、「どんなペースなら無理なく続くか」を自分で確かめる場にもなります。週1日からの通所も相談できます。
「将来はオープン就労を考えたいけれど、何を準備すればいいか分からない」というときは、見学の際に作業を見ながら相談できます。どんな配慮が必要かを支援員と一緒に整理することもできます。オープンかクローズかを決めるのは本人ですが、その手前の「自分にできること・必要な配慮を言葉にする」お手伝いはできます。LINEでの相談や見学も受け付けています。まず質問だけでも大丈夫です。
オープン就労・クローズ就労についてよくある質問
Q. オープン就労とクローズ就労は、どちらが良いのですか?
A. どちらが良い・悪いと一概には言えません。オープン就労は障害への配慮を受けやすい一方、クローズ就労は求人の幅が広いなど、それぞれに特徴があります。大切なのは、自分の体調や希望、必要な配慮に合うほうを選ぶことです。迷うときは、相談支援専門員や支援員と一緒に整理すると考えやすくなります。
Q. クローズ就労は、障害を隠していることになりますか?
A. 隠しているというより、「開示しない選択をしている」と考えるとよいでしょう。一般の求人枠では、障害の有無を伝える義務は基本的にありません。ただし、配慮を受けにくくなる点は知っておく必要があります。体調に波がある方は、無理のない働き方かどうかを含めて慎重に検討してみてください。
Q. オープン就労のメリットとデメリットは何ですか?
A. メリットは、勤務時間や通院などへの配慮を受けながら働きやすい点です。困ったときに相談できる担当者がいる職場も多くあります。デメリットは、求人が障害者雇用枠中心になり、職種や数が限られることがある点です。受けられる配慮は企業によって異なるため、求人ごとに確認することが大切です。
Q. クローズで働き始めてから、オープンに切り替えることはできますか?
A. 状況によっては可能です。働き始めたあとに体調や事情を相談し、配慮を求める形に切り替える人もいます。ただし、職場の制度や受け止め方によって対応は異なります。切り替えを考えるときは、相談支援専門員や主治医にも相談しながら、無理のない進め方を選ぶと安心です。
Q. B型に通いながら、オープン就労やクローズ就労の準備はできますか?
A. はい、準備の場として活用できます。B型で作業に取り組むなかで、自分にできる作業や必要な配慮が具体的に見えてきます。それは、開示して働くときに会社へ伝える材料になります。どちらを選ぶか自体は本人が決めることですが、その手前の自己理解を深める場として役立ちます。
まとめ
オープン就労とクローズ就労の違いは、「障害を会社に開示して働くか、開示せずに働くか」です。オープン就労は配慮を受けやすい一方で求人が絞られやすく、クローズ就労は求人の幅が広い一方で配慮を受けにくい、というトレードオフの関係にあります。どちらが正解ということはなく、自分の体調・希望・必要な配慮に合わせて選ぶもので、後から切り替える道もあります。迷うときは、相談支援専門員や主治医にも相談しながら考えてみてください。
ぽちぽちの道は、パソコン・生成AIの作業を通じて「自分にできること・必要な配慮」を言葉にできる、志木駅徒歩2分のB型事業所です。「将来の働き方をどう準備すればいい?」と迷ったら、LINEでの相談や見学から始めてみてください。質問だけでも大丈夫です。事業所選びは「B型事業所の選び方チェックリスト」も参考にしてください。
B型で経験を積んだあとの就職活動の実務は、障害者雇用の面接で聞かれること・障害者雇用の履歴書の書き方・合理的配慮の例と伝え方で紹介しています。就職・ステップアップの全体像はB型から次の一歩へ|就職・ステップアップ総まとめで整理しています。
- 60分個別相談
- 利用前提で
なくてOK - 準備不要
同伴者OK
B型事業所がはじめて、続けられるか不安…
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

