B型作業所に通っていて「つまらない」「意味ない」「疲れる」と感じ、このまま続けるか迷っている本人とご家族に向けた記事です。その気持ちがどこから来ているのかを表で分け、支援員への伝え方の例文と、事業所を変える選択肢までを具体的に整理しました。
B型作業所がつまらない・意味ないと感じたら、まず「何が合わないのか」を分ける
B型作業所がつまらない、意味ないと感じるときは、「作業が合っていない」「目標が見えない」「体調や人間関係で疲れている」のどれかが理由になっていることが多いです。理由がちがえば、打つ手もちがいます。辞めるかどうかを決める前に、まずどれに当てはまるかを分けてみてください。
B型作業所とは、就労継続支援B型事業所の通称で、雇用契約を結ばずに自分のペースで作業に取り組める福祉サービスのことです。作業や目標が今の自分とずれていても、そのまま日々が過ぎてしまうことがあり、「つまらない」はそのずれに気づいたサインとも言えます。
理由を分けると、次の4つのどれかで解決に近づけることがあります。
- 作業を変える:同じ事業所の中で、別の作業や別の工程を試す
- 目標を立て直す:個別支援計画の目標を、今の希望に合わせて書き直してもらう
- 日数・時間を調整する:通う日数や1日の時間、休憩の取り方を見直す
- 事業所を変える:作業内容や雰囲気がちがう事業所を見学して比べる
どれを選ぶかは、支援員や相談支援専門員と一緒に考えられます。なお、眠れない・食べられない・気分の落ち込みが何日も続くといった状態があるときは、事業所の問題とは別に、主治医や医療機関への相談を先にしてください。
「つまらない」「意味ない」「疲れる」は理由がちがう|感じていること別の整理表
同じ「行きたくない」でも、中身が退屈なのか、むなしさなのか、疲れなのかで相談する内容は変わります。下の表で、自分の気持ちに近い行を探してみてください。
| 感じていること | よくある理由 | 試せること | 相談する相手 |
|---|---|---|---|
| つまらない(作業が単調) | 同じ作業に慣れて余裕が出てきた/作業の種類が少ない | 別の作業や工程を任せてもらう/作業の段階を一つ上げる | 担当の支援員 |
| 意味ない(工賃が少ない) | 作業の成果が金額でしか見えていない | 工賃の決まり方を聞く/工賃以外の目標も立てる | 支援員・サービス管理責任者 |
| 意味ない(将来が見えない) | 個別支援計画の目標が漠然としている | 目標を「いつまでに・何ができる」の形に書き直す | サービス管理責任者・相談支援専門員 |
| 疲れる・しんどい(体) | 日数・時間・休憩が今の体調に合っていない | 日数を減らす/短時間にする/休憩の取り方を決める | 支援員・主治医 |
| しんどい(人間関係・場の雰囲気) | 席の位置や周りの音、人との距離が負担になっている | 席や作業場所の変更を相談する | 支援員・サービス管理責任者 |
「つまらない」は、作業に慣れたサインのこともある
作業がつまらないと感じるのは、手順を覚えて余裕が出てきたからという場合があります。たとえば、袋詰めや検品をミスなくこなせるようになった頃に「毎日同じで退屈」と感じる、という場面です。この場合は、工程を一つ増やす、別の作業を試すといった相談で変わることがあります。軽作業が合わない方は「B型の軽作業が合わないと感じたら」も参考になります。
「意味ない」と感じるときは、工賃と目標を分けて考える
B型が意味ないと感じる理由で多いのは、工賃の少なさと、将来が見えないことです。工賃は生産活動の収入から必要な経費を引いた額に相当する金額が支払われる仕組みで、作業の価値がそのまま金額に表れるとは限りません(詳しくは「工賃とは?B型の平均と給料との違い」)。将来が見えないむなしさは、「週4日通えるようになる」「表計算ソフトの基本操作を覚える」のように工賃とは別の目標を持つと、やわらぐことがあります。一般就労やA型を考えたい方は「B型から一般就労・A型を目指すには」もどうぞ。
「疲れる・しんどい」は、日数と休憩の見直しから
通うたびに疲れて帰宅後に何もできないなら、作業の中身より通う量が合っていないのかもしれません。週5日を週3日にする、午前だけにする、1時間ごとに休憩を入れる、といった調整を先に試してみてください。体調の波は「体調に波があっても続けるための工夫」、行きたくない朝の連絡は「B型作業所に行きたくない日は?」、人との関わりは「B型作業所の人間関係」で詳しく紹介しています。
続けるか迷ったときのセルフチェック(5分でできる)
続けるか迷ったら、次の6つに「はい・いいえ」で答えてみてください。「はい」の項目が、支援員に相談するときの話題になります。メモに書き出せば、面談でそのまま見せられます。
- 作業の手順は覚えていて、ほかの作業もやってみたいと思う
- 今の作業が、自分の将来のどこにつながるのか分からない
- 個別支援計画に書いてある目標を、今すぐには思い出せない
- 通った日の夜や翌日は、疲れて何もできないことが多い
- 作業そのものより、席や周りの人のことが気になって落ち着かない
- 支援員の対応に、納得できないことが続いている
上の3つに「はい」が多いなら、作業や目標の見直しで変わる余地があります。4つ目は日数や時間の調整、5つ目は作業環境の相談が先です。6つ目が続くときは、担当以外の職員や事業所の苦情受付の窓口に伝える方法もあり、確かめたいことは「B型事業所おかしいと感じたときに確認したいこと」にまとめています。続かない理由は「B型事業所が続かないと感じる理由」でも整理しています。
支援員に伝えるときの例文|個別支援計画の見直しを使う
作業や目標を変えたいときは、個別支援計画の見直しの場を使うと切り出しやすくなります。見直しは定期的に行われる決まりなので、「わがまま」ではなく「計画を一緒に直す」相談として話せるからです。
個別支援計画とは、事業所のサービス管理責任者が本人の希望を聞き取って作る、目標と支援内容の計画のことです。国の指定障害福祉サービスの事業等の人員、設備及び運営に関する基準では、サービス管理責任者は計画の実施状況を把握しながら、少なくとも6か月に1回以上計画を見直し、必要に応じて変更することになっています(第58条第9項。就労継続支援B型には第202条で準用)。あわせて、定期的に本人と面接することも定められています(同条第10項)。6か月は「少なくとも」の回数なので、途中で相談してもかまいません。計画の流れは「個別支援計画とは?B型での目標設定と見直しの流れ」で詳しく説明しています。
例文1:作業を変えたいとき
「今の作業の手順は覚えられました。次の見直しで、ほかの作業も試せるか相談したいです。」
例文2:目標を立て直したいとき
「計画に書いてある目標が、今の自分の気持ちと少しずれてきた気がします。半年後にできるようになりたいことを、もう一度一緒に考えてもらえますか。」
例文3:日数や時間を調整したいとき
「通った翌日に疲れが残ることが多いので、しばらく日数を減らすか、短い時間で通う形を相談したいです。」
どの例文も、不満ではなく「今の状態」と「次にしたいこと」を伝える形です。口で言うのが難しいときは、メモを渡す、日報に一行書く、という方法でも伝わります。伝え方のコツは「体調や困りごとの伝え方|支援員にうまく相談するコツ」も参考にしてください。
それでも合わないときは、事業所を変えてもよい
作業や目標、日数を見直しても合わないなら、B型の事業所を変えるのも一つの選択肢です。作業内容や雰囲気は事業所ごとにちがうため、合う場所を探し直すことは失敗ではありません。
変えるかどうかを考えるときは、今の事業所を続けたまま、ほかの事業所を見学して比べる方法があります。比べる観点は「B型事業所の選び方チェックリスト」の10項目が使えます。
実際に移ると決めたときは、相談支援専門員に相談しながら、次の事業所の見学・体験、今の事業所への伝え方、受給者証まわりの確認という順で進めるのが一般的です。具体的な流れは「B型事業所を辞めたいときは?別の事業所への移り方」にまとめています。
ほかの事業所を見てみるだけでも、気持ちを整理する手がかりになります。気になったら見学の予約からどうぞ。見学しても、移ると決める必要はありません。
ぽちぽちの道の場合(作業に段階があるパソコン作業のB型)
「毎日同じ作業でつまらない」「将来につながる気がしない」と感じてきた方には、作業の種類がちがう事業所を見てみる選択肢もあります。ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)。
ぽちぽちの道の作業内容は、パソコン作業だけで、次のように段階があります。
- データ入力:決まった形式に沿って入力する作業です。文字入力やマウス操作、スプレッドシートの使い方から慣れていけます
- ライティング・画像作成:生成AIに下書きを手伝ってもらいながら文章を作ったり、Canvaや生成AIでバナー画像を作ったりします。テンプレートやマニュアルを使って進めます
- マーケティング企画:どんな記事やデザインを作るべきかを考える、上級者向けの作業です。ライティングやデザインが一定の水準に達した方が進みます
慣れてきたら次の作業へステップアップでき、日々の作業で使うスキルをMOSやITパスポートといった資格として残す取得支援も行っています。パソコンが苦手な方や未経験の方も歓迎で、分からないところはスタッフと生成AI(ぽちぽちAI)がサポートします。
パソコン作業が合うかどうかは人によってちがうため、見学や体験で実際の作業を確かめてから考えられます。週1日からの通所も相談でき、今の事業所と見比べるための見学でもかまいません。
B型作業所がつまらない・意味ないと感じたときのよくある質問
B型作業所がつまらないと感じるのは、わがままですか?
わがままではありません。つまらないと感じるのは、作業に慣れて余裕が出てきた、作業が今の力や興味に合っていない、といった理由があるサインのことが多いです。その理由を支援員に伝えると、作業の変更や目標の見直しにつながることがあります。
就労継続支援B型に通う意味がないと感じます。続ける意味はありますか?
意味をどこに置くかで答えが変わります。工賃の金額だけで見ると意味を感じにくくても、通う習慣やパソコンの操作など、工賃とは別の目標を立てると、続ける意味を確かめやすくなります。目標の立て直しは、個別支援計画の見直しの場で相談できます。
B型作業所に通うと疲れて、帰宅後に何もできません。日数を減らしてもいいですか?
減らしてかまいません。疲れが続くときは、通う日数や時間が今の体調に合っていないことがあります。変更は支援員やサービス管理責任者に相談でき、体調の不安が強いときは主治医にも相談してください。
作業を変えてほしいと支援員に言ったら、気まずくなりませんか?
伝え方を工夫すれば、気まずくなりにくいです。「今の作業は覚えられたので、ほかの作業も試したい」のように、不満ではなく今の状態と次にしたいことを伝えると、支援員も一緒に考えやすくなります。口で言いにくいときは、メモや日報で伝える方法もあります。
家族がB型作業所をつまらないと言っています。どう声をかければいいですか?
まずは「何がつまらないのか」を否定せずに聞いてみてください。作業・目標・疲れ・人間関係のどれが理由かで、相談する内容が変わります。本人が望めば、計画の面談への同席や見学への同行を相談する方法もあります。
まとめ
B型作業所がつまらない・意味ない・疲れると感じたときは、辞めるかどうかを決める前に、作業・目標・通い方・人間関係のどれが合わないのかを分けてみてください。理由が分かれば、作業の変更、計画の見直し、日数の調整、事業所を変える、のどれかで状況が変わることがあります。つらさが強いときは、主治医にも相談しながら進めてください。
ぽちぽちの道は、志木駅徒歩2分にある、IT・パソコン作業に特化したB型事業所です。今の事業所と見比べてみたい方も、見学・相談からお気軽にどうぞ。見学だけでも大丈夫です。
どこに相談すればいいか迷ったら
お住まいの地域で相談するには
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

