本人が支援を拒むときに家族ができること|焦らない関わり方

本人が支援を拒むときに家族ができること|焦らない関わり方

「障害をなかなか受け入れられない本人が、福祉サービスや通院を嫌がって支援を拒む」——そんな状況に、どう関わればいいのか戸惑うご家族は少なくありません。この記事では、本人が支援を拒むときに家族ができることを、焦らない関わり方と相談先という観点から整理します。無理に動かすのではなく、関係を保ちながら待つ視点を大切にします。志木駅から徒歩2分の「ぽちぽちの道」でも、ご家族だけの相談を受け付けています。

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目次

本人が支援を拒むとき、家族がまずできること

本人が支援を拒むとき、家族がまずできるのは、無理に説得して動かそうとすることではなく、本人を否定せず安心できる関係を保ちながら、家族自身が相談先を持っておくことです。「障害を受け入れられない」「福祉は嫌だ」という気持ちは、本人なりに自分を守ろうとしているサインでもあります。焦って結論を急ぐより、本人のペースを尊重するほうが、結果的に次の一歩につながりやすくなります。

先に、関わり方の要点をまとめておきます。

  • 説得より理解:拒む理由(不安・プライド・過去の経験など)をまず聴き、頭ごなしに否定しない
  • 無理強いしない:「今すぐ通わせる」をゴールにせず、本人が動ける時期を待つ
  • 関係を切らさない:日常の会話や安心できる居場所を保つことを最優先にする
  • 家族が抱え込まない:精神保健福祉センターや相談支援など、家族が相談できる窓口を持つ
  • 小さな選択肢を残す:「見学だけ」「資料を見るだけ」など、ハードルの低い入口を用意しておく

支援を拒む背景は人によってさまざまで、本人やご家族の責任ではありません。この記事では「どう説得するか」ではなく、「どう関わり、どこに相談するか」に重きを置いて整理します。なお、診断や治療の必要性そのものは、ご家庭だけで判断せず、主治医や専門の窓口に相談することが大切です。

なぜ本人は支援を拒むのか|背景を理解して関わりを工夫する

本人が支援を拒む背景には、多くの場合「障害を受け入れられない気持ち」や「福祉や通所への不安・誤解」があります。拒否そのものを正そうとするより、その奥にある気持ちを理解しようとすると、関わり方の工夫が見えてきます。

ここで、言葉の整理をしておきます。障害受容とは、自分の障害や困りごとを「ある」ものとして受けとめ、それを前提に生活を組み立てていく心の過程のことです。 一度で進むものではなく、行きつ戻りつしながら時間をかけて進むのが自然で、ご家族が急がせて早まるものではありません。「受け入れられない」状態は、その過程の途中にいるととらえると、関わり方が見えやすくなります。

よくある「拒む背景」と、そのときの関わり方の工夫を整理します。

支援を拒む背景(本人の気持ち)家族の関わり方・向き合い方の工夫
障害を認めたくない・自分はまだ大丈夫だと思いたい「障害かどうか」を議論せず、「困っていることはない?」と生活の困りごとから話す
福祉サービスに「できない人が行く場所」という誤解がある働く練習や生活リズムづくりの場でもあると伝え、決めつけずに情報だけ差し出す
過去に支援や通院で嫌な思いをした経験があるその経験を否定せず聴き、合う場所・合う人は変えられることを共有する
失敗するのがこわい・人と関わるのがしんどい「見学だけ」「合わなければやめていい」とハードルを下げ、選ぶのは本人に任せる
家族に心配をかけたくない・干渉されたくない説得モードを下げ、ふだんの会話や安心できる関係を保つことを優先する

関わりで大切なのは、感情的な対立にしないことです。「どうして分かってくれないの」と責める形になると、本人はさらに心を閉ざしてしまいます。「あなたのことが心配だから」という思いも、繰り返し言葉にすると本人にはプレッシャーになりがちです。まずは安心できる関係を保ち、本人が自分から相談したくなる土台を整えることを優先しましょう。

それでもご家庭だけでは煮詰まることもあります。そんなときは、家族自身が外部の相談先を持つことが助けになります。家族が相談できる主な窓口は、厚生労働省「身近にある地域の相談窓口」でも案内されています。次の章で、具体的な相談先と進め方を見ていきます。

本人が動けないとき、家族が持っておきたい相談先と進め方

本人が支援を拒んで動けないときは、本人を無理に動かす前に、家族だけで相談できる窓口に先につながっておくのが現実的な進め方です。家族が状況を整理し、見通しを持てるだけでも、家庭内の緊張がやわらぎ、結果的に本人が動きやすくなることがあります。一人で抱え込まないことが、本人を支える土台になります。

家族が相談できる主な窓口は、次のとおりです。

相談先主に相談できること
精神保健福祉センターこころの健康・精神医療・思春期や青年期の悩みなど。家族だけの相談も可能
保健所・保健センター不眠・うつ・ひきこもりなど、こころの不調や生活の困りごとの相談
相談支援事業所(相談支援専門員)福祉サービスの利用を一緒に考える専門職。利用計画や事業所選びの相談
主治医・医療機関通院中なら、家族から見た様子を伝え、関わり方の助言をもらう
市区町村の障害福祉窓口受給者証など、福祉サービス利用に必要な手続きの相談先

進め方の目安は、次のとおりです。あくまで一例で、順番どおりでなくてかまいません。

  1. 家族だけで相談先に連絡する:本人を連れて行けなくても、家族からの相談を受け付ける窓口は多くあります
  2. 困っている状況を言葉にする:「何に困っているか」「本人がどんなときに拒むか」を整理して伝える
  3. 関わり方の助言をもらう:声のかけ方や、待つべきか動くべきかの見通しを一緒に考えてもらう
  4. 小さな入口を用意する:本人が動けそうなときのために「見学だけ」「資料だけ」の選択肢を持っておく
  5. 本人のタイミングを待つ:気持ちが向いたときに、無理のない一歩を一緒に踏み出す

相談の前に、次の点を整理しておくと話がスムーズです。

  • 本人が「いつ」「どんなときに」支援を拒むか(通院・通所・手続きなど)を書き出した
  • 本人が困っていそうなこと(生活リズム・お金・人間関係など)を把握している
  • 家族として、いちばん心配していることを一つの言葉にできる
  • 通院中の主治医がいるか、相談支援専門員がいるかを確認した
  • お住まいの精神保健福祉センター・保健所・障害福祉窓口の連絡先を調べた

ここで大切なのは、家族が「うまく説得できなかった」と自分を責めないことです。支援につながるかどうかは、関わり方の良し悪しだけで決まるものではありません。命に関わる心配がある、暴力や強い消耗があるなど緊急性が高いと感じるときは、待つことにこだわらず、主治医や精神保健福祉センター、地域の窓口にすぐ相談してください。急がなくてよい状況と、すぐ動いたほうがよい状況を見分けるためにも、専門家とつながっておくことが安心につながります。

ぽちぽちの道の場合(「見学だけ」から、本人のペースで)

支援を拒んでいた本人が「見学だけなら」と動けるのは、安心できる入口があったときです。最初から「通う」と決めるのではなく、見るだけ・資料を見るだけといった小さな一歩なら、障害を受け入れる途中の本人でも踏み出しやすくなります。ぽちぽちの道は、そうした低いハードルの入口を用意しています。

ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、生成AI・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)。ご家族だけの見学・相談も受け付けており、「本人がまだ乗り気でない」という段階でも、まずはご家族が雰囲気を見て、関わり方を一緒に考えられます。本人が望めば、後日あらためて本人と一緒に見学する形でもかまいません。無理に通所をすすめることはありません。

ご家族と本人の双方に安心していただける点を、いくつかご紹介します。

  • ご家族だけの見学・相談ができ、本人を連れて行けない段階でも話を進められます
  • 「見学だけ」「合わなければやめていい」を前提にできるので、本人のハードルが下がります
  • パソコンが未経験・苦手な方も、文字入力からスタッフと生成AI(ぽちぽちAI)がサポートします
  • 週1日からの通所もご相談でき、体調や生活リズムに合わせて始められます
  • 志木駅から徒歩2分で、朝霞市・新座市など東上線沿線からも通いやすい立地です

実際の作業は、袋詰めや清掃といった軽作業ではなく、データ入力やCanvaでの画像づくり、生成AIを使った文章の下書きなど、続けるほどパソコンやAIのスキルが身につく内容です。「将来につながることなら」と本人が興味を持つきっかけになることもあります。本人が支援を拒んでいて話が進まないときも、まずはご家族だけでLINEでの相談や見学からで大丈夫です。質問だけでも受け付けています。本人への伝え方そのものに悩むときは「子どもにB型を勧めたい|本人を傷つけない伝え方」も参考になります。

本人が支援を拒むときによくある質問

Q. 障害を受け入れられない本人に、無理にでも支援につなげるべきですか?
A. 命や安全に関わる緊急性がない限り、無理に動かすことはおすすめしません。障害を受けとめる気持ちには時間がかかり、急かすほど心を閉ざしてしまうことがあります。まずは安心できる関係を保ち、家族自身が精神保健福祉センターなどに相談しながら、本人が動けるタイミングを待つほうが現実的です。

Q. 本人が福祉サービスを「行きたくない」と嫌がります。どう関わればいいですか?
A. 「行くか行かないか」を迫る前に、本人が何に不安を感じているかを聴くのがおすすめです。「できない人が行く場所」という誤解があることも多いため、決めつけずに情報だけ差し出します。「見学だけ」「合わなければやめていい」とハードルを下げると、本人が身構えにくくなります。

Q. 本人が動かないとき、家族だけで相談できる場所はありますか?
A. はい、あります。精神保健福祉センターや保健所、相談支援事業所では、本人を連れて行けなくても、家族からの相談を受け付けています。通院中であれば主治医に家庭での様子を伝えるのも有効です。一人で抱え込まず、家族が先に相談先を持っておくことが、本人を支える土台になります。

Q. 支援を拒む本人にどう声をかけても、家庭内が険悪になってしまいます。
A. 説得モードが続くと、家庭が安心できる場所でなくなってしまうことがあります。「心配だから」という思いも、繰り返すと本人にはプレッシャーになりがちです。いったん支援の話から離れ、ふだんの会話や安心できる関係を保つことを優先してみてください。声のかけ方は、相談支援専門員や専門の窓口とも一緒に考えられます。

Q. 焦らず待つのと、危ないので早く動くのと、どちらがよいか分かりません。
A. 急がなくてよい状況と、すぐ動いたほうがよい状況を見分けることが大切です。命に関わる心配や、暴力・強い消耗があるなど緊急性が高いと感じるときは、待つことにこだわらず、主治医や精神保健福祉センター、地域の窓口にすぐ相談してください。判断に迷うこと自体を専門家に相談しておくと、見通しが持てて安心です。

まとめ

本人が支援を拒むとき家族ができるのは、無理に説得して動かすことではなく、本人を否定せず安心できる関係を保ちながら、家族自身が相談先を持っておくことです。障害を受けとめる気持ちには時間がかかります。焦って結論を急ぐより、本人のペースを尊重し、「見学だけ」のような小さな入口を残しておくほうが、結果的に次の一歩につながりやすくなります。緊急性が高いと感じるときは、待たずに専門の窓口へ相談してください。

ぽちぽちの道は、ご家族だけの相談もできる、志木駅徒歩2分のB型事業所です。「本人がまだ動けないけれど、どう関わればいい?」と迷ったら、LINEでの相談や見学から始めてみてください。質問だけでも大丈夫です。事業所選びの観点は「B型事業所の選び方チェックリスト」も参考にしてください。


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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

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