「自分たちが亡くなった後、この子にお金を残せるだろうか」——障害のあるお子さんを育てるご家族にとって、これは大きな心配ごとだと思います。この記事では、親なき後のお金の備えのひとつである障害者扶養共済(しょうがい共済)の仕組みと、検討する前に確認したいことを、本人・ご家族・相談支援員の方向けに整理しました。志木駅から徒歩2分・生成AI特化の「ぽちぽちの道」での相談方法もご案内します。
障害者扶養共済(しょうがい共済)とは?まず結論
障害者扶養共済(しょうがい共済)とは、障害のある方を扶養している保護者が毎月決まった掛金を納めることで、保護者が亡くなったり重度の障害を負ったりしたときに、障害のある方へ終身(生きている限り)一定額の年金が支給される、任意加入の公的な制度です。親なき後のお金の備えを考えるときの、選択肢のひとつになります。
まず、おさえておきたいポイントを先にまとめます。
- 目的:保護者にもしものことがあった後、障害のある方の生活を金銭面で支える
- 誰が入る?:障害のある方を扶養している保護者(任意加入。健康状態などの加入条件あり)
- 何をする?:保護者が生きている間、毎月の掛金を納める
- 何が受け取れる?:保護者の死亡・重度障害のときから、障害のある方へ終身の年金が支給される
- 実施主体:お住まいの都道府県・指定都市(条例にもとづいて運営)
掛金や年金の金額、加入できる年齢などの条件は、加入時の保護者の年齢や口数によって変わり、制度の見直しもあります。この記事では具体的な金額を断定せず、仕組みと検討の進め方を整理します。実際の掛金・給付額は、独立行政法人福祉医療機構(WAM)「しょうがい共済制度のごあんない」や、お住まいの都道府県・指定都市の窓口で確認してください。
仕組みを整理(掛金・年金・実施主体)
障害者扶養共済の仕組みは、「保護者が生きている間に掛金を納め、もしものときに障害のある方が終身年金を受け取る」という流れで成り立っています。生命保険に近い考え方ですが、都道府県・指定都市が条例にもとづいて実施し、独立行政法人福祉医療機構(WAM)が保険を引き受ける、公的な制度である点が特徴です。
加入者・受給者・実施主体の関係を整理すると、次のようになります。似た言葉が多いので、誰が何をするのかを分けて理解しておくと安心です。
| 用語 | 意味 |
|---|---|
| 加入者(保護者) | 障害のある方を扶養し、掛金を納める人。親が多いが、条件を満たせば祖父母・きょうだい等もなれる場合がある |
| 加入対象となる障害のある方 | 年金を受け取る人。知的障害・身体障害・精神または身体に永続的な障害がある方などが対象 |
| 掛金 | 加入者が毎月納めるお金。加入時の年齢や口数(1口・2口)で金額が変わる |
| 年金 | 加入者の死亡・重度障害のときから、障害のある方へ終身支給されるお金 |
| 弔慰金・脱退一時金 | 一定の条件で支給される一時金(制度の規定による) |
おさえておきたいのは、年金が支給されるのは「保護者(加入者)に万一のことがあったとき」からだという点です。保護者が元気なうちは、掛金を納め続けることになります。また、この制度は障害のある方を金銭面で支えるためのものであり、住まいや日中の過ごし方、見守りといった暮らし全体の備えは別に考える必要があります。親なき後の備えを住まい・日中の活動・お金・相談という全体像で見たい方は、関連コラム「親なき後に備える|B型と将来の生活設計」もあわせてご覧ください。
掛金の金額や加入できる年齢の上限、口数による年金額の違い、税制上の取り扱いなどは、制度の規定や改正によって変わります。この記事で個別の金額を断定することはできないため、最新の正確な数字は、必ず公式の案内や自治体の窓口でご確認ください。なお、掛金の負担を軽くする減免のしくみが設けられている場合もありますが、対象や条件は自治体ごとに異なります。
検討する前に確認したいこと(チェックリスト)
障害者扶養共済を検討するときは、「申し込めば誰でも入れる・万能の制度」と考えず、加入条件・掛金の負担・ほかの備えとのバランスを確認してから判断することが大切です。お金にかかわる大事な選択なので、ご家族だけで決めず、相談支援専門員や自治体の窓口、必要に応じて専門家に相談しながら進めると安心です。
検討の前に、次の点を整理しておくと、窓口での相談がスムーズになります。
- 加入できる条件(保護者の年齢・健康状態、障害のある方の状態)に当てはまりそうか確認した
- 毎月の掛金を、無理なく長く納め続けられるか見通しを立てた
- 1口・2口など、口数による掛金と年金額の違いを公式の案内で確認した
- 障害年金や手当など、ほかに利用できる・利用している制度を把握している
- 掛金の減免など、負担を軽くするしくみが使えるか自治体に確認する予定がある
- 加入後に保護者・本人の状況が変わったとき(転居・脱退など)の取り扱いを調べた
あわせて気をつけたいのは、この制度だけで親なき後のすべてが解決するわけではない、という点です。お金の備えには、障害年金や手当、預貯金、判断に支援が必要なときに財産を守る成年後見制度など、いくつもの選択肢があります。障害者扶養共済はそのうちのひとつであり、ほかの備えと組み合わせて考えるものです。どれが本人に合うかは状況によって変わるため、「入るかどうか」を急いで決めるより、まずは情報を集め、相談先を一つ持つところから始めるのが現実的です。
また、親なき後を一緒に考えていくのは、保護者だけとは限りません。きょうだいの立場で将来の関わりを考えている方も多く、その視点は「きょうだいの立場から|将来の関わりを考える」で整理しています。お金の備えと並行して、「日中どこで過ごすか」「誰に相談できるか」といった暮らしの土台を整えていくことが、結果的にいちばんの安心につながります。
ぽちぽちの道の場合(お金の不安も、まず相談から)
お金の備えを考え始めると、「制度は分かったけれど、この子の毎日の暮らしはどうなるんだろう」という、もう一歩先の不安が出てくることがあります。親なき後の安心は、お金の準備だけでなく、日中に安心して通える場所や、人とのつながりがあってこそ、現実のものになっていきます。
ぽちぽちの道は、親なき後の備えのうち「日中に安心して通える居場所」を支える選択肢のひとつです。東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、生成AI・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所で(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)、日中の通い先や社会とのつながり、生活リズムづくりにかかわります。障害者扶養共済のような金銭面の手続きそのものを行うわけではありませんが、「お金以外の備えをどう整えるか」を一緒に考えることができます。
作業はパソコン中心で、データ入力やCanvaでの画像・SNS素材づくり、生成AI(ぽちぽちAI)を相棒にした文章の下書きや調べ物などに、未経験から取り組めます。パソコンが苦手な方も、スタッフと生成AIがサポートするので心配いりません。続けるほどパソコンやAIにふれる経験が積み重なり、ご本人の「できること」を少しずつ広げていく場になります。週1日からの通所も相談でき、体調や生活リズムに合わせて無理のないペースで始められます。
「将来のお金のことも、毎日の過ごし方も、まとめて誰かに相談したい」というときは、ご家族同席での見学も歓迎しています。ご本人とご家族で作業の様子を見ながら、将来の暮らしについて一緒に考える時間にしていただけます。掛金や給付の金額そのものは制度の窓口で確認していただく必要がありますが、その手前の「どう暮らしていきたいか」を言葉にするお手伝いはできます。LINEでの相談や見学も受け付けています。まず質問だけでも大丈夫です。
障害者扶養共済についてよくある質問
Q. 障害者扶養共済(しょうがい共済)とは、どんな制度ですか?
A. 障害のある方を扶養している保護者が毎月掛金を納めることで、保護者が亡くなったり重度障害を負ったりしたときに、障害のある方へ終身の年金が支給される任意加入の制度です。お住まいの都道府県・指定都市が条例にもとづいて実施しています。親なき後のお金の備えの選択肢のひとつとして知られています。
Q. 障害者扶養共済の掛金や年金は、いくらですか?
A. 掛金は加入時の保護者の年齢や口数によって変わり、年金額も口数によって異なります。制度の改正もあるため、この記事では具体的な金額を断定していません。最新の正確な金額は、独立行政法人福祉医療機構(WAM)の案内や、お住まいの都道府県・指定都市の窓口で必ずご確認ください。
Q. 障害者扶養共済は、どこで相談・申し込みをすればよいですか?
A. 申し込みや相談の窓口は、お住まいの都道府県・指定都市の障害福祉担当課などです。加入条件や必要書類は自治体によって案内が異なるため、まずは窓口に問い合わせてみてください。ふだん関わっている相談支援専門員に、あわせて相談しておくと進めやすくなります。
Q. 親なき後のお金の備えは、障害者扶養共済だけで足りますか?
A. 障害者扶養共済は備えのひとつであり、これだけで十分とは限りません。障害年金や手当、預貯金、成年後見制度など、ほかの制度と組み合わせて考えるものです。何が本人に合うかは状況によって変わるため、相談支援専門員や自治体の窓口、必要に応じて専門家に相談しながら検討してください。
Q. 親なき後に向けて、お金の準備のほかに何を考えておくとよいですか?
A. お金の準備と並行して、「日中どこで安心して過ごすか」「困ったとき誰に相談できるか」という暮らしの土台を整えておくと安心です。日中の居場所となるB型事業所や、相談支援専門員とのつながりは、その土台になります。ぽちぽちの道でも、ご家族同席の見学で将来の過ごし方を一緒に考えられます。
まとめ
障害者扶養共済(しょうがい共済)とは、保護者が掛金を納めることで、保護者にもしものことがあったときに障害のある方へ終身の年金が支給される、任意加入の公的な制度です。親なき後のお金の備えの選択肢のひとつですが、掛金や年金額・加入条件は制度や自治体で異なり改正もあるため、具体的な数字は独立行政法人福祉医療機構(WAM)や都道府県・指定都市の窓口で確認してください。お金の備えは、ほかの制度や暮らしの土台と組み合わせて考えることが大切です。
ぽちぽちの道は、日中の居場所として将来の暮らしを支える、志木駅徒歩2分のB型事業所です。ご家族同席の見学も歓迎しています。「お金のことも、毎日の過ごし方も相談したい」という方は、LINEでの相談や見学から始めてみてください。質問だけでも大丈夫です。事業所選びは「B型事業所の選び方チェックリスト」も参考にしてください。
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監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

