「親がいなくなった後、障害のある兄弟姉妹に自分はどう関わっていけばいいのだろう」——そんな思いを抱えている、きょうだいの立場の方へ。この記事では、障害のあるきょうだいの将来が不安なときに、一人で抱え込まずにすむ考え方と、今からできることをわかりやすく整理します。本人を支える人や選択肢の一つとして、きょうだいの相談も受け付けている、志木駅徒歩2分のぽちぽちの道もご案内します。
きょうだいの立場で将来が不安なときは、一人で抱え込まないことが大切です
きょうだいの立場で将来の関わりが不安なときは、一人で抱え込もうとせず、本人を支える人や選択肢を今から知っておくことが大切です。あなたが将来のすべてを一人で背負う必要はありません。本人の暮らしは、きょうだいだけでなく、福祉サービスや相談支援専門員、地域の支え手など、たくさんの人と一緒に支えていけるものです。まず「どんな支えがあるのか」を知っておくだけでも、関わり方の見通しが持てて、気持ちが少し軽くなります。
障害のある人の「きょうだい」は、近年「きょうだい児」とも呼ばれ、子どものころから家族の中で特有の思いを抱えやすい立場だと知られるようになってきました。親が中心になって本人を支えている間は実感が薄くても、「親なき後」が近づくにつれて、「次は自分が」と責任を感じたり、自分の人生との両立に悩んだりするのは、とても自然なことです。
ここで大切にしたいのは、その不安や複雑な気持ちを「いけないこと」としないことです。本人を大切に思う気持ちと、自分の生活や将来も守りたいという気持ちは、どちらも自然に同時に存在します。きょうだいだから全部背負うのが当然、ということはありません。まずは肩の力を抜いて、本人を支える選択肢を一つずつ知っていきましょう。
きょうだいが知っておきたいこと(本人の自立を支える選択肢)
きょうだいがまず知っておきたいのは、本人の自立を支える選択肢が、すでにいくつもあるということです。日中の居場所となる就労継続支援B型、暮らしの場となるグループホーム、相談に乗ってくれる相談支援専門員、生活を支える障害年金など、本人とまわりを支えるしくみが用意されています。これらを「知っておく」だけで、きょうだいが一人で全部背負わなくてよいことが見えてきます。
それぞれの選択肢を、まず一言で整理しておきます。専門的な手続きや金額は人それぞれ違うため、ここでは「どんなものか」をつかむことを目的にしています。
- 就労継続支援B型とは、雇用契約を結ばずに、自分のペースで働ける就労系の福祉サービスのことです。日中に通う居場所や、人とのつながり、生活リズムを支える役割があります。
- グループホームとは、世話人などの支援を受けながら共同生活を送る住まいのことです。親元を離れた後の暮らしの場の選択肢の一つになります。
- 相談支援専門員とは、本人の状況に合わせて福祉サービスの利用計画づくりや暮らし全体の相談に乗ってくれる専門職のことです。困ったときの「最初の相談先」になります。
- 障害年金とは、病気や障害で生活や仕事に制限がある方の生活を支えるための公的な年金のことです。受給の可否や金額は個別に異なり、申請の窓口は年金事務所などです。
- 成年後見制度とは、判断に支援が必要なときに、財産や契約をご本人に代わって守るためのしくみのことです。将来的に検討する場合があり、手続きや費用は人それぞれです。
これらを表にまとめると、「誰が・何を支えるのか」の全体像が見えてきます。きょうだいが「全部やらなきゃ」と感じていたことの多くは、こうした支え手が担える部分です。
| 本人を支える選択肢 | どんな役割か | 主な相談先の例 |
|---|---|---|
| 就労継続支援B型 | 日中の居場所・人とのつながり・生活リズム | 相談支援専門員・就労系の福祉サービス事業所 |
| グループホーム | 親元を離れた後の暮らしの場 | 相談支援専門員・市区町村・グループホーム事業所 |
| 相談支援専門員 | 利用計画づくり・暮らし全体の相談 | 相談支援事業所・基幹相談支援センター |
| 障害年金・手当 | 生活費の見通しを支える公的な支え | 年金事務所・市区町村 |
| 成年後見制度など | 財産や契約を守るしくみ(将来的に検討) | 社会福祉士・成年後見にくわしい専門家・市区町村 |
表のとおり、本人の暮らしには「きょうだい以外の支え手」がいくつも関わります。きょうだいの役割は、これらをすべて自分で代わりに行うことではなく、本人を支えるチームの一員として関わったり、いざというときに相談できる先を知っておいたりすることで十分です。お金や法律にかかわる部分(障害年金・成年後見など)は専門的なので、具体的な手続きや金額は断定せず、相談支援専門員や市区町村、専門家に確認しながら進めてください。本人の福祉サービスを始めるときに必要な受給者証についても、申請の窓口はお住まいの市区町村になります。なお、日中の居場所としてB型を検討するとき、家族の立場でどんな点を見ておくとよいかは、関連コラム「ご家族がB型事業所を選ぶときに見ておきたいポイント」もあわせてご覧ください。
今からできること(相談先を持つ・支援者を増やす)
きょうだいが今からできることは、いきなり大きな決断をしなくても、「相談できる先を一つ持つ」「本人を支える人を一人増やす」といった小さな一歩から始められます。すべてを今すぐ決める必要はありません。「将来こうしなければ」と自分を追い込むより、本人のまわりに支え手を少しずつ増やしておくことが、結果的にいちばんの備えになります。
まずは、今の状況を整理するためのチェックリストです。あてはまる項目や、気になる項目を確認してみてください。すべてに「はい」と言えなくても大丈夫です。空いている項目こそ、これから少しずつ整えていける部分です。
- 本人が利用している、または利用できる福祉サービスを大まかに把握している
- 本人の支援に関わっている相談支援専門員や窓口を知っている
- 困ったときに自分(きょうだい)が相談できる先を一つ持っている
- 障害年金や手当について、申請状況や相談先を知っている
- 日中の居場所(B型などの日中活動)について情報を持っている
- 親と、将来の関わり方について少しでも話したことがある
- 自分自身の生活や将来も、大切にしてよいと思えている
チェックの中で気になったものから、相談先に一つ聞いてみることをおすすめします。きょうだいが頼れる相談先・つながり先の例も挙げておきます。「どこに聞けばいいか」が分かるだけでも、不安はやわらぎます。
- 相談支援専門員・基幹相談支援センター:本人の暮らし全体の相談に乗ってくれます。きょうだいからの相談も受けてもらえます。
- お住まいの市区町村(障害福祉の窓口):利用できるサービスや手当の案内など、制度面の入り口になります。
- 家族会・きょうだい会:同じ立場の人と話せる場です。「きょうだい」だからこその思いを共有でき、孤立を防ぐ支えになります。
- 本人が通う(通う予定の)福祉サービス事業所:本人を日々支える存在であり、きょうだいの相談先にもなります。
そして、忘れないでいただきたいのは、きょうだい自身の人生や生活も、同じように大切にしてよいということです。自分の仕事や家庭、暮らしを犠牲にして全部を背負うことが「正解」ではありません。本人を支える人を増やし、頼れる先を持っておくことは、本人のためであると同時に、きょうだい自身が無理なく関わり続けるための備えでもあります。
ぽちぽちの道の場合(きょうだいの相談も受け付けています)
ぽちぽちの道は、本人の「日中の居場所」と「支援者」を増やす場の一つです。きょうだいの立場の方からのご相談も受け付けています。本人がどんな場所で、どんなふうに過ごせるのかを実際に見ていただくことで、「本人を支える人が、自分以外にもいる」という安心につなげていただけます。
ぽちぽちの道は、東武東上線「志木駅」から徒歩2分にある、生成AI・パソコン作業に特化した就労継続支援B型事業所です(2026年5月開設・運営:株式会社イチドキリ)。袋詰めや清掃などの軽作業ではなく、データ入力、Canvaを使った画像・SNS素材づくり、生成AI(ぽちぽちAI)を相棒にした文章の下書きや調べ物などに、未経験から取り組めます。続けるほどパソコンやAIにふれる経験が積み重なり、本人の「できること」を少しずつ広げていく場になります。実際の作業の様子は、作業内容のページでもご覧いただけます。
きょうだいの立場の方に知っておいていただきたい点を、いくつかご紹介します。
- きょうだいだけの相談・見学からでも大丈夫です。本人がまだ乗り気でなくても、まず情報を集める段階で構いません。
- パソコンが未経験・苦手な本人も、電源の操作や文字入力からスタッフがサポートします。
- 生成AI(ぽちぽちAI)も活用しながら、本人のペースで進められます。
- 週1日からの通所もご相談でき、体調や生活リズムに合わせられます。
- 志木駅から徒歩2分で、朝霞市・新座市など東上線沿線からも通いやすい立地です。
本人を支える人や日中の居場所が増えることは、きょうだいにとっても「自分だけで抱えなくていい」という安心につながります。ぽちぽちの道では、必要に応じて相談支援専門員とも連携しながら、本人に無理のない通い方を一緒に考えます。なお、ぽちぽちの道は日中の活動を支える事業所であり、住まいやお金・成年後見などの専門的な手続きそのものを行うわけではありません。そうしたテーマは、相談支援専門員や市区町村、専門家とあわせてご検討ください。「いきなり見学は不安」という方は、まず資料請求やLINEでの相談から始めても大丈夫です。
きょうだいの立場からの関わりについてよくある質問
Q. きょうだいが将来、障害のある兄弟姉妹を全部支えなければいけませんか?
A. いいえ、きょうだいがすべてを一人で背負う必要はありません。本人の暮らしは、福祉サービス・相談支援専門員・グループホーム・地域の支え手など、たくさんの人で支えていけます。きょうだいの役割は、支えるチームの一員として関わったり、相談できる先を知っておいたりすることで十分です。
Q. 親なき後が不安です。今から何をしておけばいいですか?
A. まずは「相談できる先を一つ持つ」「本人を支える人を一人増やす」ことから始めるのがおすすめです。いきなり全部を決める必要はありません。相談支援専門員や市区町村の窓口とつながり、日中の居場所などの情報を集めておくと、いざというときに頼れる先ができます。親なき後の備え全体については、関連コラム「親なき後に備える|B型と将来の生活設計」でもくわしく紹介しています。
Q. 自分の人生や生活を大切にしてもいいのでしょうか。
A. はい、きょうだい自身の人生や生活も、同じように大切にしてよいものです。自分の仕事や家庭を犠牲にして全部を背負うことが「正解」ではありません。本人を支える人を増やし、頼れる先を持っておくことは、きょうだいが無理なく関わり続けるための備えにもなります。
Q. 同じ立場の人と話せる場はありますか?
A. はい、家族会やきょうだい会など、同じ立場の人と思いを共有できる場があります。「きょうだい」だからこその気持ちを話せる場は、孤立を防ぎ、気持ちを整理する支えになります。お住まいの地域の窓口や相談支援専門員に、近くの会について聞いてみるとよいでしょう。
Q. 本人がまだ福祉サービスを使っていません。きょうだいから相談してもいいですか?
A. はい、きょうだいの立場からのご相談でも大丈夫です。本人がまだ乗り気でなくても、まず情報を集める段階で構いません。ぽちぽちの道でも、きょうだいだけの相談・見学を受け付けています。本人に合いそうかを確認したうえで、本人が「見てみようかな」と思えたときに、あらためて一緒にお越しいただけます。
まとめ
きょうだいの立場で将来の関わりが不安なときは、一人で抱え込もうとせず、本人を支える人や選択肢を今から知っておくことが大切です。本人の暮らしは、きょうだいだけでなくたくさんの支え手と一緒に支えていけます。そして、きょうだい自身の人生や生活も、同じように大切にしてよいものです。まずは相談できる先を一つ持ち、本人を支える人を少しずつ増やしていきましょう。
ぽちぽちの道は、本人の日中の居場所と支援者を増やす、志木駅徒歩2分のB型事業所です。きょうだいの立場の方からのご相談も歓迎しています。気になったら、見学だけでも大丈夫です。「まず情報だけ」という方は、資料請求やLINEでの相談からでもお気軽にどうぞ。
見学前に確認したい項目はB型事業所の選び方チェックリストで一覧にしています。
- 60分個別相談
- 利用前提で
なくてOK - 準備不要
同伴者OK
B型事業所がはじめて、続けられるか不安…
まずは、見学・相談から
始めてみませんか?

監修者
田中 眞奈美(サービス管理責任者)
介護職、生活支援員業務、就労移行支援事業所での管理者業務など、介護・福祉業界にて多彩な経験を持つ福祉のプロフェッショナル。ぽちぽちの道では、サービス管理責任者として個別支援計画の策定および支援全体のマネジメントを担う。

執筆者
徳永 崇志(職業指導員・株式会社イチドキリ 代表取締役)
岡山大学教育学部出身。株式会社日立システムズでエンジニアとしてキャリアをスタートし、株式会社リクルートで教育系SaaS「スタディサプリ」の法人営業に従事。その後、複数社で生成AIを活用したプロダクトの事業立ち上げを経験。ぽちぽちの道では、生成AI・ITを活用した生産活動の職業指導を担当。厚生労働省「精神・発達障害者しごとサポーター」講座修了。

